第3章 羽ばたきの先にあるもの
第35話 歓迎会には甘いものを♪
俺の新たな仲間
うさぎ耳のカスミ、犬耳のスミレのもふもふ獣人姉妹を歓迎すべく俺は現在料理の真っ最中だ!
先程から俺の後ろでケイトとメリルの楽しげな声が聞こえる
現在2人はカスミとスミレを風呂に入れている最中。
この家は元飲食店で無駄に厨房が広かったから、仕切りを作って風呂場を作ったんだ
浴槽は外国製の家庭用プールで大人が4~5人入れる大きさだ、お湯は魔法でどうとでもなるからな
しかしカスミとスミレの声が聞こえないのが気になる、風呂は初めてだろうし獣人だから濡れるのが嫌とかないよな?
とりあえず今は料理に集中しよう
本当は全部手作りしたかったが時間が無いから、スキルの「店」で購入したレトルトのハンバーグで妥協する
米は土鍋で炊いて、付け合わせは芋があるからポテサラだな
そうだ!
ハンバーグには目玉焼きを乗っけてやろう♪
ついでにフライドポテトも作るか
子供は好きだろフライドポテト、おっさんも好きだけどな♪
そして今日のメインはケーキ
全部手作りしたかったけど時間が無いから、これもスキルの「店」で見付けた既に完成されたスポンジ生地とイチゴのムースを購入して使用する。
材料が揃ったらまずは型を用意
型の底にスポンジを敷いて次にイチゴのムース、その次に適当に割ったクッキーそしてムース、スポンジ、ムース、1番上にはラズベリーで作った甘酸っぱい真っ赤なソースを乗せる
ソースはゼラチン入りだから冷やすと固まって、ぷるんとした食感が楽しめるんだ♪
残念ながら冷蔵庫が無いから、クーラーボックスに氷を入れて冷やしておく
氷も魔法で出せるから超便利だ♪
次に板チョコとチョコペンをまたまたスキルの「店」で購入、それで似顔絵、、、は無理だから
デフォルメしたウサギ耳と犬耳の女の子をピンクと白のチョコペンで描く、横にカスミとスミレの名前を書けば
おっさん特製の歓迎ケーキの完成だ!
なかなか良く出来たんじゃないかな、こうなるとオーブンが欲しい
元世界でも自分で生地作ってピザ焼いたりしてたんだ
グラタンも冷凍食品より自分で作る方が旨かったし、考えてたら益々欲しいなオーブン!
でもこの世界でいうオーブンってレンガ造りのでかい窯なんだよなパン焼き窯とか
窯屋とかあんのかな?
それとも大工が作るんかな?
こういうのは女将さんかミリーさんに聞いた方がいいな
「ねぇダンナァ、その赤いのって美味しいもの?」
「うぉい?!脅かすなよケイト、このケーキは歓迎会でカスミとスミレをびっくりさせるんだから内緒だぞ」
「はーい」
「それよりカスミとスミレは綺麗になったか?」
「おぅよ、ダンナがくれた石鹸が良いからね、あれで綺麗にならないやつなんかいないよ♪」
「おにいちゃん、見て見て♪」
メリルがカスミとスミレを連れてやって来た
おおっ!
カスミとスミレが風呂から出てきて毛がもふもふや!バサバサやった毛がもふもふになっとる!
でも元の状態が酷かったからか、もっふもふにはなってないのが残念だ、まあそのうちもっふもふになるだろう
今、カスミとスミレが着てる服はスキルの「店」で買った物だ
相変わらずおっさんは女の子の服に詳しくない、カスミには小さなリボンの付いたシャツにハーフパンツで動きやすさ重視
スミレには大きな尻尾があるからゆったりしたワンピースをチョイスしてみた
「2人とも綺麗になったね、服もよく似合っててとても可愛いよ♪」
「あっ、ありがとうございますご主人様!」
「よし!飯にしよう、今日は2人の歓迎会だから遠慮せずたくさん食べてくれ」
「あっ、あの私達は奴隷ですから、、、」
あぁ~、そうなるよねぇ
奴隷だからご主人様と一緒は駄目とかテンプレだよね、俺が何か言うと命令になっちゃうからなぁ
「2人共そんなにかしこまってたらダンナに嫌われちゃうぞぉー」
「えっ?!申し訳御座いません!何でもしますのでどうかお許し下さいご主人様!!」
「ケイトが変な事言うから勘違いしちゃうだろ!」
「えぇ~、でもダンナはこういうの苦手っぽいじゃんか」
「それは否定しないけどな、2人共怒ってないし嫌わないから大丈夫だよ、一緒にご飯食べたいだけだからさ」
「、、、はい」
「今日はハンバーグにしたんだ、目玉焼きと米と一緒に食うと旨いぞ、それじゃあいただきます。」
「「「いただきます」」」
「「・・・いただきます」」
カスミとスミレも戸惑いながらもみんなの真似をしながら食べ始めた、やはり最初はハンバーグの味にびっくりしたみたいだけどバクバク食べてる
だが今日のメインはこれからだ
俺はクーラーボックスに入れていたケーキを取り出す、本当はもっとじっくり冷やしたかったんだけど仕方あるまい
取り出したケーキをテーブルに持っていく
「じゃーん、2人の為に作ったケーキだよ、2人共今日から俺たちの仲間だ、歓迎するよ♪」
「スゲェー真っ赤なケーキだ!」
「おねぇちゃん、ここにスミレとおねぇちゃんがいるよ」
「え?これわたしたちですか?」
ふふっ、絵を描いた板チョコに驚いてるな
「そうだよ、まあそれほど似てはないけどな」
「ねぇダンナァ、あたしたちの時にはこんなの無かったよー!」
「俺の画力ではケイトの絵は無理だから、それにいい歳して他人の物を羨ましがるんじゃないよ」
「えぇーだってぇ、お嬢とニィナも欲しいだろ?」
「うーん、わたしはハンバーグの作り方が知りたいかなぁ、これも絶対売れるから」
「ケイト殿、我儘を言うものではありません」
「むぅ、だってぇ欲しいじゃんかぁ」
「ぷぷっ」
「あっ!スミレあたしのこと笑ったなぁ、こうしてやるぅ、コチョコチョコチョ~」
「キャハハハハハハハハ」
「それでは私はカスミを、こちょこちょ~」
「えっ?!ニィナ様?ニッ、ニィナ様ー!、、、アハハハハ」
「それじゃあわたしは、おにいちゃんをコチョコチョ~」
「メリル?!やーめーてー、くすぐったいからー、くすぐったいからぁーーーーーーー」
こうして俺の異世界生活は、よりいっそう賑やかになって行くのだった。
つづく。
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