第22話 ケイト
干し芋の女こと冒険者のケイトに突然護衛に雇ってくれと言われた昨日、改めて話を聞くって事でいったん別れ
メリルと相談してケイトを雇う方向で話を聞く事にした。
そんな今日の朝食はおにぎりだ、異世界だと米はどうかな?と思ったけどメリルも昨日のカレーライスを問題無く食べていたから解禁してみた
土鍋で米を炊き具には鮭と昆布、そしてだし巻き玉子を用意したから
これぞ日本の朝食って感じでテンション上がるぅ~♪
元世界じゃ独り暮らしで自炊してたから簡単な料理はよく作ってたんだ
見た目は、、、
自分なりに努力はした!
「おはようおにいちゃん」
「メリルおはよう、丁度ご飯出来たとこだよ」
「スンスン、凄い良い匂い♪オムレツ?」
「だし巻き玉子って言うんだけど、卵に出汁・・・スープを入れて焼いたものだね」
「楽しみ♪早く食べよう!」
「「いただきます」」
「おいしぃ~♪ふわふわでほんのりしょっぱい?のかなオムレツとは全然ちがうね」
「口に合って良かったよ、だし巻き玉子が美味しいなら茶碗蒸しとか、肉じゃがなんかも作ってみようかな」
「そんなにたくさん、、、それよりだし巻き玉子って簡単に作れるの?」
「まあ2~3回練習すればメリルでも作れるよ」
「じゃあだし巻き玉子売ろう!」
「突然だな、ウィンナーサンドだけでも忙しいんだから売らなくてもよくない?」
「駄目!卵料理は絶対女の人に売れるよ、女のお客さんも獲得しないと商売を大きく出来ないんだから!」
おぉっ!久しぶりにメリルさんが燃えとる!!
確かに今のお客は8対2で男が多いんだけど
そもそも独り暮らしの冒険者をターゲットにしてるんだから当然なんだ、主婦は忙しい時間帯なのもあるだろうけど
「作るのも売るのも面倒」「駄目!」
怖いっす、メリルさん目が本気ですやん(泣)
『コンコン』
「ダンナァ、おはよう~。」
おぉっ!
この声はケイトだ、ナイスタイミング♪
「今開けるから待っててくれー!、、、『ガチャ』ケイトおはよう、それにしても早いな」
「うん、もし雇ってくれるなら早い方が良いと思ってさ」
『きゅるるるるる~』
見た目に反して可愛い音がケイトの腹から聞こえた
「なんだ宿で朝飯食わなかったのか?飯も後払いでよかったのに」
「流石にそこまで甘えられないよ、雇って貰えなかったら他の仕事探さないといけないしさ」
「じゃあ俺たちの朝食の残りだけど飯食ってけよ、味の保証はしないけどな」
「・・・ダッ、ダンナァー(泣)」
「わっ?!離せ!鼻水が付くだろうが、今すぐ鼻水引っ込めないと飯食わせねぇぞ」
「ズッズズー 、ごめんダンナ、でもこんなに優しくされた事なんて初めてだからさズズー」
いやいやいや、飯食わせるだけだろ
急に泣き出したケイトが俺に抱き付いて来たけれど、鼻水を流しながらはマジで勘弁して欲しい
それにしてもケイトよ、お前はどんだけ世知辛い人生を送って来てんだよ!
「とにかく直ぐ飯持ってきてやるから座って待ってろよ」
「うん」
厨房に来たけどどうするかなぁ
土鍋のご飯はまだ残ってるから直ぐに出来る親子丼でいいか
フライパンに
濃縮めんつゆ、タマネギ、鳥肉を入れて2~3分煮てから卵でとじればOK
濃縮めんつゆって万能だよね♪
あとは米の入ってる土鍋に直接ぶち込めば、土鍋親子丼の完成
俺は土鍋ごとケイトの元へ持っていく
「ケイトー、出来たぞ~!」
「もう出来たの?!スンスン、スゲェー良い匂いじゃんか!!」
木匙を渡してやると、ゆっくりひと口食べた後はガツガツ勢いよく食べ出した、、、
と思ったらまた急に泣き出した
「グスン、なんでこんなに旨いんだよぉ、ダンナァ~あたし頑張るから、お嬢とダンナの為に頑張るがら゛ぁ゛~(泣)」
「分かったからもう泣くなよ、護衛として雇ってやるから」
「本当に?ダンナァ゛~(泣)」
うーむ、もしかしてケイトは情緒不安定なのか?
なんだか面倒事の匂いがぷんぷんするんだけど、今更護衛は要らないとか言えないし
このまま放り出しても気になって寝れそうにないからしょうがないか
まあ、無駄に自信満々の奴よりは信用出来そうだから
これからに期待だな♪
つづく。
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