第23話 ケイト その2

ようやく泣きやんで飯を食い終わったケイトに話を聞く



「それでケイトはどうして冒険者ギルドを辞めて仕事探してたんだ?」


「まぁ、辞めたと言っても依頼を受けるのを自主的に辞めたってだけで、ギルドカードもそのままなんだよね、身分証が無くなるのは困るからさ」


「もしかして怪我でもしたのか?それで後遺症があるとか?」



「怪我はしてないから大丈夫だよ、理由はどこから話そうかな、、、長くなるけど最初から話すよ。



ダンナを脅したって奴覚えてる?たぶん副ギルドマスターだと思うんだ、保存食はあいつが仕切ってたから


それで最近保存食の売れ行きが悪いっていうか全然売れなくて、ギルドの収入が減ってあいつスゲェー機嫌が悪かったんだ、それにダンナが保存食を商業ギルドに持ち込んだのも気に入らなかったみたいでさ


あいつも一応、男爵家の四男か五男だったかで、貴族に逆らう奴なんていないから」



「あいつが貴族って知らんかったからな、しかしそんな所で商人として一矢報いていたとは、フハハハハハハ、ざまぁーみやがれってんだ!!」


「あははは、ダンナにも見せてやりたかったよ、あいつのイラついた顔をさ(笑)


でもそれが切っ掛けになったのか、あいつ

ギルドの減った収入をあたしたちに払う報酬から補填しだしたんだよ、それで依頼を達成しても生活出来ないくらい報酬が減ったんだ」



「なんてこった、すまん俺のせいで」



「ダンナが気にする事ないよ、あいつに関しては前から黒い噂があったんだ。


盗賊に荷馬車が襲われたのもあいつが情報を漏らしたんじゃないかって、それを追及しようとした奴もいたけどいつの間にか姿が見えなくなってさ、、、証拠が無いから何も出来なくて


それで今回の事を切っ掛けにこの街を離れる奴もいて、依頼を達成しても生活出来ないんじゃ当然だよね」



「なんにしても切っ掛けを作ったのは俺みたいだし、改めてすまん!」


「やめてよダンナ、遅かれ早かれこうなってたと思うからさ」



「そうかもしれんけど、、、とにかく俺とメリルの護衛としてよろしくな、雑用もしてもらうけどな」


「勿論、任せときなよ!」




「それで今さらなんだけど、俺たちに護衛は必要なのか?」


「まさに今さらだね、2人とも自分の価値を分かって無さそうだもんなぁ、でも今はダンナよりお嬢がヤベェ」


「メリルが?!」


「お嬢はその歳で金の計算が出来るんだろ?それだけで誘拐して奴隷商に売ろうとする奴は出てくるよ


それに綺麗過ぎるんだ」



たしかにメリルは綺麗になった、俺がシャンプー、リンス、石鹸を渡したし桶風呂だけど我が家に風呂も作ったからな


後々風呂はちゃんとしたのを作る予定だ♪




「特にその髪の毛、パッと見ただけでもサラサラなのが分かるよ、たぶんダンナがなんかしたんだろうけど」


「俺が髪の毛専用の石鹸を渡したからな」


「やっぱそうなんだ、でも2人とも事の重大さが分かってないよ」


「どうゆうことだ?」


「こんな綺麗な髪の毛は貴族にだっていないからだよ、王族は見たこと無いから分からないけど、それぐらいその髪の毛は綺麗過ぎるんだよ」


「うーむ、貴族がちょっかい出してくるか?」


「手荒な真似はしないだろうけど、髪の毛の秘密を知る為に、金にものをいわせるか、ダンナに色仕掛ぐらいはするだろうね、だけど今は貴族よりその辺にいるチンピラの方が危険だよ」



「髪の毛用の石鹸と引き換えに貴族に後ろ楯になってもらえないかな?」


「あぁ~、御用商人って事?それなら出来るだろうけど、ダンナは貴族と面識あるのか?」


「無いな、しかたない護衛を増やして乗りきるか」


「だったら奴隷だね、あたしが言うのもおかしいけど、ダンナとお嬢に近づいて来る奴は信用出来ないよ」


「じゃあケイトも信用出来ないって事か」


「そりゃないよダンナァ~(泣)」


「悪かったよ、だから鼻水をつけるんじゃあない!」



「おにいちゃん!ケイトさんを虐めちゃ駄目だよ」


「グスン、お嬢ぉ~、ケイトって呼び捨てでいいよぉ、あたし絶対お嬢を守るがら゛ぁ゛~(泣)」


「わぁ~~ケイトさん?!、、、ケイト!鼻水、鼻水がぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」











こうして俺の異世界生活に賑やかな仲間が加わったのであった♪






つづく。


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