第2話

〜金髪〜

「はぁはぁ、はぁはぁ」

今朝、アラームをかけ忘れて、急いで自転車を漕いでいる。

「やばい、間に合わない。」

全力で漕いだ結果、2分の遅刻で済んだ。

階段を走って登り、豪快にドアを開ける。

「すみません、遅れまし。。。た。」

そこにはいつもと同じ教室の中に明らかに違うものがあった。金髪ロングで長いまつ毛にピンクのネイルまさにギャルだ。

「早く座りなさい。」

先生に言われ我に帰り席に座る。

「誰あれ?」

斜め後ろの席の部活で仲良くなった華に聞く。

「転校生だって」

華が答える。

「自己紹介を」

「今日からこの学校に転校してきた、花山桜って言います。皆んなよろしくね。」

先生に言われ、堂々と自己紹介する。

「じゃあ席は、あそこの空いてるとこな。」

そうやって指さされたのは、オレの隣の席だ。

「よろしくね。遅刻くん。」

「ち、遅刻くん?」

そのあとなにも言わずにニコニコしながらこちらを見ている。

数時間経つと、桜さんは、華と仲良くなっていた。

「華は好きピとかいないのー?」

桜が聞く。

「うーん。いないかな。」

華がそう答えると、

「うちは、もういるんよねー。」

と言いながら桜さんがこっちをチラチラ見てくる。

「え!だれだれ?」

華が聞く。

「えー教えなーい。」

そう言いながらまた、こっちをチラッと見てきた。

授業が終わり部活に行こうとした時、

「ねぇねぇ」

急に呼ばれてビックリしながらも、呼ばれた方に振り向いた。そこには桜さんがいた。

「な、なに?」

少し戸惑いつつも、返事をした。

「君って彼女いる?」

手を後ろに回し、前屈みになりながら聞いてくる。

「な、何だよ、急に。」

「で、どうなの?」

問答無用で聞いてくる。

「いないけど...」

小さな声で呟く。

「じゃあさ、明後日うちの家来てよ。」

「え、うん」

急な展開についていけなかったが、つい頷いてしまった。

(オレは、一体なにをされるのだろう)

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