桔梗

ミミズク☆左目

第1話

桔梗

花言葉は気品・誠実

あとは・・・


〜始まり〜

お日様がみんなを暑さでいじめている時、

オレも、お日様にいじめられながら、自転車を漕ぐ。

今、橋の上を一人で自転車を漕いでいるオレの名は、乃上 蓮天沢高校の一年生だ。

高校に入学してからもう三ヶ月、学校にも結構慣れてきて、毎日楽しい生活を過ごしている。

だけど、今現在の悩みは、彼女がいない。

高校に入学したら彼女ができるというイメージがあった。なのに何故かオレにはできない。

でも、好きな人くらいいる。

「おはよう。」

「お、おはよう。」

挨拶され、咄嗟に挨拶を返す。

彼女だ。黒髪のショートで身長はオレより低い、オレのタイプにどストレートだ。

(はぁどうして彼女はあんなに可愛いのだろう)

起立 礼 「ありがとうございました。」

そんなことを考えていたら、あっという間に、学校が終わってしまった。

学校が終わったら、部活だ。

オレは小学校からやっているバレーボール部に入った。先輩達とも仲良くできているし、同級生もいい奴ばかりだ。

「全員集合。」

先生が隣に女子を連れてみんなに言う。

「今日から新しいマネージャーが入る、ほら、挨拶をして。」

先生にそう言われ隣にいた女子が挨拶をする。

「今日から男子バレー部のマネージャーをします。山本 華です。よろしくお願いします。」

(か、かわいい)

その場にいた全員が心の中でそう思った。

うちのバレー部には、マネージャーが三年生に一人と二年生に一人で二人いる。

それに華さんが入り、うちのバレー部にはもはや3人になった。まるで強豪校みたいだ。

新しいマネージャーが入ってから、皆んな気合が入った。

いつもはやる気がない奴らも、今日は先生がいない時よりやる気満々だ。

(皆んな明らかにやる気が違うなー。)

オレはそんなこと思いながら、いつも通りプレーしてた。

部活が終わり片付けをしていた時、

「蓮くん、このあと暇?」

三年マネージャーの愛佳さんだ。

(今日は、早く帰りたいなー)

「すみません、今日はちょっと用事があって、急ぎですか?」

「いや、みんなでどっか遊び行こうと思って、じゃあまた暇な時行こー。」

「いいですよ。」

そんな話をしながら片付けをして、帰った。

帰り道、大きな湖の橋の上を通っていた。

夕日がいい感じに湖に消えて行く。

橋の真ん中で自転車を止め夕日を見ていた。

(オレはここから見るこの景色が好き)

全てを忘れさせてくれそうなほど綺麗だからだ。

(いつか、彼女とこの景色を見たいな)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る