不倫したい!~夏子Story~13

電車に揺られ、目指すは哲也の出張先の家

引っ越しの時に手伝って以来である


保冷バックに哲也の大好物をたくさん詰めた


夏子:(きっと驚くだろうな、こういのうのなんて言うんだっけ?

足長おじさん?いや、おばさんかな?)


夏子は、久々に付き合っているころを思い出してニヤニヤしていた


職場でのちょっとしたトキメキ、日常の風景

3回も流産した時は、自分が世の中で一番不幸なのかと思っていた


自分が知らないだけで、他にも苦しんでいる人はたくさんいる。

仕事に行く前にニュースを見るだけで悲しい事件

カルガモのお引越しを真剣に見守るカルガモ隊

日々の何気ない生活で、夏子は日常を取り戻していった


自分に言い聞かせた、

夏子:(きっといつか私のところにも

きてくれるよね?それまで、長い長い夏休み

子供が生まれたら、きっと自由な時間なんてないだろうし

うちの常連さんは、仕事しながら子育てしてるワーキングママ

クタクタの毎日で死にそう~って言いながら

スマホの待ち受けの子供の写真見て、良しがんばるぞと

いつも、軽く話しては見てる

私は、こんな風に出来なかったな、子供生まれたら仕事する気なかったし

だから、私はまだ早かったんだわ

ママになる準備が出来ていなかったんだ

今は、頑張ってるママたちを応援できるように

ここで精一杯笑顔で働こう)

毎日言い聞かせた


夏子のやせ我慢にも見えるこの行動は、

日々前向きに生きていくきっかけになり

少しづつ、心の傷が癒えていっていた


ーーーーーーーーーーーーー


電車を降りて、徒歩15分

少し最寄りから離れたところに住んでいる哲也


夏子:この時間は、会社だよね、少しでも会いたかったな、、


夏子は、マンションについて、エレベーターで哲也の部屋まで登って行った

哲也の部屋に行く廊下で


女A:てつやさん、また来るね

哲也:あのさ~そんなに来るなって言ってるよね?

女A:え~困ったら来て良いって言ってたじゃないですか~

哲也:困ったらって言ったけど、今そんなに困ってないよね?

人の迷惑わかる?

女A:てつやさん、イジワル~。そんなイジワルだと、奥さんに言っちゃいますよ

哲也:・・・・・はぁ~、、、。兎に角、頻繁に来ないでください

女A:は~い、また職場でね♪


夏子は、エレベーターに急いで乗り、下に降りた。

マンションの入り口の植え込みの陰に隠れて

哲也と話していた女が帰って来るのを待った


若い女の人であった


その10分後、哲也も出勤していった。


夏子は、ただ哲也が会社に行くのを見送った


夏子は、重い保冷バックを抱えて駅の方まで歩いていった。

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