不倫したい！

不倫したい！～夏子story～9

今日は、週末哲也が帰ってくる日だ

哲也：ただいま～

夏子：おかえり～

何気ない夫婦のあいさつ

哲也は、帰ってから風呂に入り、いつものように夕食を食べる

哲也：バイトなれた？

夏子：なれてきたよ～久々に働くから楽しいし

哲也：そっかよかったね

２度の流産を経験し、夫婦仲は、危機とまではいかずとも

疲弊していたが、時間と距離が解決してくれた

以前のようにとはいかないものの

お互いを尊重し合い、夫婦という形を保とうと努力していた

哲也は、なるべく以前のようにと

夏子は、子供の話題を出さないようにと

愛し合い、一生を誓った結婚でも

気持ちが、ずっと保たれる訳がない

夫婦とは、些細なことで壊れる

ガラス細工のように繊細な関係であった

互いの努力がないと、一緒に住むなんて不可能だ

結婚する意味と愛については、一生解けない問題みたいだ

でも、夏子と哲也は一緒にいる

互いに傷を負いながら、今

二人は、食卓を囲んでいる

今週あったことを話、明日の休みは何か食べに行こうか？

最近気になる映画があるから出かけようか？

そんな会話をしながら、週末はすぎ

また、それぞれの生活に帰っていく

哲也の転勤が終えるまで、あと９か月

その何気ない日常を繰り返して２か月、哲也が週末も帰って来れなくなった

仕事が忙しくなり、しばらくは１か月に１回夏子の元へ帰る生活になった

哲也が、帰ってこないので夏子は、週末も仕事を入れるようになっていった

二人のすれ違いに魔が差し始める