DEPTH007 艦長と副艦長
その後、入港ドッグに戻ると現場を仕切っていた副艦長の
6時間後、自室で優雅に紅茶を飲んでいるとドアをノックして
「海斗、悪い話と良い話があるのだけど?」
「じゃあ、悪い話からで」
「資源が底をついたわ」
「そうか・・・」
ティーカップを皿に乗せて、手渡されたタブレットを操作し始めた。
「良い話は?」
「もうすぐ、火山活動の時期だけど?」
「良い話じゃ無いよね?もっと悪い話だね、それは(w)」
薄ら笑いながらツッコミを入れると、「あーまぁ、そだね〜(汗)」と苦笑いしながら汗が伝う頬を左手の人差し指で描き始めた。
「はぁ・・・。 まぁいいや、で? 本当の良い話は?」
「これからの戦闘方法か? だったら問題なんて・・・あっ。 なるほど、これからは魔法の時代・・・か」
「そ。 今までは科学が世界の常識だった、でも、子や孫の時代は科学じゃなくて魔法の時代。この潜水艦はこれからの時代や戦闘には優勢にならなくなるかもって話」
「つまり、老齢艦になりつつあると言うことか?」
「そう言う事!」
「確かに、今のままではいずれ撃沈されるか轟沈されるな。 敵さんには、勇者の存在が報告されて来ているなら、起こり得るな・・・」
「だから、早めに大規模改装を――」
「望む・・・か?」
史果がコクッ!と頷き、沖野の苦手な上目遣いで覗き込んできた。
「分かったよ。 コホン!じゃあ副長、早急に潜水戦艦から潜航型航空戦艦に改造することを指示する。工期は決して手を抜かない事と、主砲塔を水中でも撃てる様に改造というか強化することを最重要事項とする!」
「畏まりました、沖野艦長」
心なしか最近、クルー達の俺を見る目が尊敬では無く
副艦長の
そうして、洋上ドッグから乾ドッグに移動し終えるとメガロドン級攻撃型潜水艦の2番艦ブラックシャークは長い長い改装工事に入った。
そして改装工事が進む中、イーウォン島から外海では長らく整備兼改修中だった1番艦メガロドンが進水していた。
ちなみにブラックシャークが改装を終えて公試運転の為に洋上に出たのは、工事が始まって約2年後のことだった。
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