第17話カラフトマスキャット

バミューダ諸島海域の超常現象は、このカラフトマスキャットの仕業だ。

海を自在に動き、肉食である。

中島桃子がタイヘンジャーの晩御飯の買い出しの帰りに、捨て猫を発見した。

まだ、小さく震えていた。

事もあろうか、桃子は秘密基地団地に捨て猫を拾って帰った。


ミャーミャー


「かわいい子猫じゃ。よし、桃子、わしが育てよう」

「天馬博士ありがとう」


モニターを見ていたホワイト将軍はニヤリとした。天馬博士のいないタイヘンジャーは敵ではない。

「さすがカラフトマスキャットだ!可愛さと残忍さを持ち合わせてはいる」


タイヘンジャーはカレーライスを食べながら、子猫に『ポチ』と名付けた。

「なんか、犬みたいだが、ポチにしよう。桃子、わしにもカレーライスを。生卵乗せで」

ポチは、サーモンの刺し身を出されたがミルクだけ、飲んだ。


夜中。タイヘンジャーは各々の部屋に戻り、天馬博士はイビキをかきながら寝ていた。


ミャーゴ、ミャーゴ

カラフトマスキャットは砥石で包丁を磨いていた。

「仲間の刺し身を、まさか、オレ様に食わせようとするとは……許さん」


すると、寝室の扉が開いた!

「やはり、カラフトマスキャットか~。わしの肉は美味しくねえぞ」

と、いうと部屋を飛び出した。

カラフトマスキャットは後を追い、屋上まで追い詰めた。

「オレ様に刺されるか?転落死か?選べ!天馬博士」


「くぅぅぅ」

「悔しいだろうなぁ、天馬博士よ」

天馬博士は万が一のために、マタタビの粉を振りかけたぬいぐるみを出した。


「クンクン、これはマタタビの香り。ミャーゴミャーゴ」

「カラフトマスキャットよ、そうらよ!」

天馬博士はぬいぐるみを団地の屋上から投げた。

「ミャーゴミャーゴ」

カラフトマスキャットは、ぬいぐるみを追いかけ、転落死した。

タイヘンジャーが、集まる。

「もう、怪人はお陀仏だよ」

カラフトマスキャットは身体が変な方向に折れ曲がり死んでいた。

「天馬博士といい、6番目の臨時職員の黄タイヘンジャーはよく活躍するね。もう。寝よう」

全員、住宅へ戻った。

モニターを見ていたホワイト将軍は、胃薬を飲んでいた。

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