第3話ヒゲソリ用心棒

「いや~、ガソリン男爵だっけ?弱かったな~」

赤木はビールを飲みながら、仲間と楽しんでいた。

すると、腕のチェンジャーからピコンピコンとなる。

「タイヘンジャー!また、ビョウマ怪人が現れた!現場は、大須観音だ!行ってくれ。ちょっと待ってよ、オレらさっき怪人を倒したばかりだよ!」

「特別ボーナス2万円渡すから出動しろ」

赤木はみんなに、怪人が出た所まで手段を考えた。

黒井以外は、酒を飲んでいる。

5人はタクシー 2台に乗り別れ、現場に急行した。

領収書はもらっておいた。経費で落とす為だ。

ヒゲソリ用心棒は、青空の下、人間のヒゲを沿っていた。

人間体は優しそうな、おじいちゃんだった。


「出たな?ヒゲソリ用心棒!」

「おっと、タイヘンジャーのお出ましかい?」

みんな、ギャラリーが一杯で変身しなかった。

ヒゲソリ用心棒は緑川を指差し、

「緑川君、無精髭が見苦しい。さっ、椅子に座って」

緑川は椅子に座ると、シートを倒され暖かいタオルを顔に当てた。

それから、アゴ、ホホ、鼻の下に泡立てたクリームを塗り、ヒゲを剃りだした。

緑川は気持ち良さそうにしている。


「何だ、今回の怪人は人間に優しいじゃねえか?」

青原が呟く。桃子は、

「ヒゲソリって、気持ちいいの?」

「あぁ、床屋で一番気持ちがいい時間だ」

緑川は、きれいさっぱり。男前になった。

黒井は、

「ねぇ、ヒゲソリ用心棒さん。もしよければ、僕たちと飲みませんか?僕は未成年だから酒飲めないけど、他の4人は飲めるから」

「酒か~。ただで飲ませてくれる?」

「もちろん」


ヒゲソリ用心棒は5人と金山かなやまの世界の山ちゃんで、たらふく酒を飲んだ。

帰り道、黒井以外はぐでんぐでんに酔っぱらい、歩道橋を渡る階段でヒゲソリ用心棒はつまずき、ゴロゴロドテッと転がり落ちた。

ヒゲソリ用心棒は頭を強打し、耳から血が流れ出て、即死した。

間も無く、死んだヒゲソリ用心棒は蒸発した。


5人は、手を合わせ、事あるごとに、ヒゲソリ用心棒を思い出すのであった。

秘密基地に戻ると、天馬博士は5人に2万円ずつ渡した。

1日で、ビョウマ怪人2体もたおしたボーナスだ。

ヒゲソリ用心棒は、人間の見方の様に振る舞い、ある日突然、ヒゲソリで喉をかっ切るのだと説明を受けた。

天馬博士は、ビョウマ怪人に気を許すな!と、喝をいれたのである。

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