第2話ガソリン男爵
「皆、今日からタイヘンジャーとして働いてもらう。仕事も会社も辞める事はない。月締め翌月25日に給料を振り込む。頑張った分だけ、給料は上がる。ボーナスは6月と12月だ。皆頑張ってね」
そう言うと、天馬博士は5人の若者の手首に時計らしいモノを巻いた。
「これは、変身チェンジャーだ。赤のボタンを長押しすると、人間体の身体の50倍の力が発揮できる」
「あ、あのう、僕ら誰と戦うんですか?」
「いい、質問だ。ビョウマ族を滅ぼすまで、ビョウマ族の怪人と戦うのだ」
「なあ、天馬博士」
「何だ?青原君。そんな怪人なんているの?」
「いる」
「テレビで見たことあるような怪人?」
「あぁ、そうだ」
ピコーンピコーン
「おっと、早速怪人の反応。場所は……栄のテレビ塔前だ!行ってくれ」
「ええ~、もうすぐ学校始まるのに!」
「黒井君。君の大学の狭山教授は私の元教え子でね。私は元々法学部教授だったのだが、工学部の教えを受けて、色んな武器を作ったのじゃよ。だから、単位には関係ない。それと、リーダー赤木君。怪人倒したらこれでみんなと食事でもしなさい」
天馬博士は赤タイヘンジャーの赤木に5万円渡した。
「えっ、こんなに?皆、早速怪人を倒しに行こうぜ」
5人はホンダのカブに乗って、名古屋市中区テレビ塔に向かった。
情報によると、栄付近のガソリンスタンドから、ガソリンが無くなる事案が発生していた。
赤タイヘンジャーのチェンジャーから、声が聴こえる。
「現場に着いたか?」
「はい」
「その怪人は、ガソリン男爵といって、ガソリンを体内のエネルギーにしてるんだ。気を付けて!」
「はい」
テレビ塔には誰も居なかった。
しかし、エレベーターが動いている。一応、5人は変身した。
「日の丸弁当は、我らの誇り。変身!」
と。
エレベーターが一階に降りてきた。
ドアが、開いた。
「粋な黒塀、見越しのま~つに、あだな姿の洗い髪~」
出て来たのは。60代のオジサンだった。
「死んだはずだよお富さん~。わたくし。ガソリン男爵」
「出たな、怪人めっ!」
「お主ら、タイヘンジャーと見た!私の地獄の炎で素焼きに致す」
人間体から変身したガソリン男爵は、口から炎を出しタイヘンジャーを苦しめた。
「こちら、赤タイヘンジャー。博士、こいつの弱点を!」
「ガソリン男爵の体内はガソリンだらけじゃ。腹にスーバーガンで穴を開けて、火をつけろ」
「ラジャー」
「とうだ?熱いか?今日で最終回だな、アハハハハ」
「みんな、ヤツの腹のタンクを狙って撃て」
バスッバスッバスッ
ガソリン男爵の体内からガソリンが流れ出た。
赤タイヘンジャーは、仮面を脱ぎ、ジッポでタバコに火をつけた。
「や、やめてくれ、赤木君」
「わめくんじゃねぇ」
赤タイヘンジャーは流れ続けるガソリンに火のついたジッポを投げた。
バチューン
ガソリン男爵は爆死した。間も無く消防車が、やってきた。
5人は普段の姿に戻り、栄地下街の酒津屋でビールを飲んだ。未成年の黒井はコーラをがぶ飲みしていた。
天馬博士は、安堵した。
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