気がついたら周りに他の人はいなかった。

私はその座席にひとりだけだ座っていた。あれ?他に人はいっぱいいたはずなのになんで…。それに私が座っている席って…。確か端っこの席に座っていたはずだったのになんで真ん中にいるの?

私、夢でも見てるのかな?そういえば眠くなっちゃって寝てしまったような…。

ほかの車両を見てみるとあれでも人いるよね?でもよく顔が見えない。格好も…あれ今って夏じゃないよね?なんであんな薄着?わからないことだらけだ。

そんなとき電車が少しずつ速度を落とし始めた。駅につくのかと窓の外を見ようと思ったとその時私の肩をとんとんたたかれた。私はハッと前を向いた。

「こんばんは、おねえさん」

目の前には5歳位の男の子と女の子が立っていた。

「えっきみ達は。お母さんかお父さんはどうしたの?」

「おねえさん。だいじょうぶだよ。ぼくたちはおねえさんにあいにきたんだよ」

「おねえさん、わたしたちといっしょにたびをしてみない?」

私はその言葉に驚いてしまった。

「旅ってあなた達は何言ってるの?」

私がそう言うと子ども達はちょっと悲しそうな顔をして私を見ていた。

「あっごめんね。悪気はなかったのちょっと大きな声出しちゃってびっくりしたよね?」

「ううん、きにしてないよ。でもねぼくたちにおねえさんのじかんをちょうだい」

「わたしもおねえさんにまたあえてうれしいの。だからいっしょにいってみよう。ほらえきについたよ。さあいこう!!」

「えっ」

2人に腕をひかれ、答えるまもなく私は電車から駅に降り立った。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

夢の世界は電車の中で 高野真 @spessartitegarnet153

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る