夢の世界は電車の中で

高野真

いち

「はぁ〜」

思わず出てしまったため息。

でも疲れが出てしまったのだから仕方ない。

それにしても今日は忙しかった。思い返すことは仕事のことばかり。あのときになんでもっと上手くできなかったんだろう。なんであのとき…さっきから同じことの繰り返し。あぁ、自己嫌悪がすごい。こんなことでは駄目だと思うのにどうしても思い出してしまう。

「はぁ」

またひとつため息をつく。


キキー プシュー

私の前に電車が入ってきた。いつもの時間いつもの電車。

大勢の人が乗り込んでいく。

疲れているけど座れないんだろうな。いつものことだ。

あれあの席開いてる。座れる。

今日はついてないなぁって思ってたけど最後の最後で座れた。

しかも端っこの席。

珍しいなぁ。いつもなら絶対に座れないような席なのに。

でも今日はありがたい限りだ。とても疲れていたのは事実だから。


席に座って電車が動き出した。

電車の心地よい動きで疲れ切っていた私の心と体はついに限界を迎えていた。

眠い…。

そう思ったのが最後いつの間にか私は夢をの世界に行っていた。





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