落選日記
理屈はよくわからないが、昔「全然勉強してないのに現代文で満点が取れる奴は人生詰む」とかいう言説を見たことがある。自分がまさにそれだったので「マ!!!!」と思った。やべぇ。
なんとなく問題が解けてしまうことの何がヤバいかというと、問題がわからないという経験をしていないためになぜ? どうすればいいのか? について学ぶ機会をことごとく失っていて、実は文学の理屈や本質がまるでわかってないんである。
小論文にも「中学生らしくなくて可愛くないわね〜」とは言われたが「こうしたら良くなるよ」と指摘を受けた経験は少ない。
テストでも模試でも現代文の成績は良かったけど、自分の文を綴る能力についてはずっとずっと不安だった。
だからイラストの勉強をしていたときも「絵本を描いたらいいのでは」という提案を頑なに拒んだ。絵は下手の横好きでも長年経験を積んできたという自負がある。
でも文章はちゃんと勉強したことがないから、心の底から自信がなくて怖かった。
色々あって今は消去法的に小説を書いているが、一年やそこら書いたくらいでこの不安が拭われることはなく、むしろ真面目に取り組めば取り組むほど「私は大丈夫なのか?」みたいな漠然としたでっかい不安で頭おかしくなりそう。未だにそう。
私の小論文を太宰治とかの時代のおっさんが書いたみたいで可愛くないわね~~と言ってくれたまさるん(国語の先生のあだ名)も、高校の担任で私のことをなぜか藤原伊周推しだと思い込んでいた教諭(由来不明のあだ名)もいない。もう誰も教えてくれない。
だけどどうやらエッセイはある程度面白おかしく読んでもらえているっぽいので、不安は微塵もなくならないけど、自分のことを0点チャンピオンみたいに思わなくてもいいのだろうか? とほんの少しだけ思えてきたところ。
エッセイがどういうふうに面白いと言われているのかわかんないので、さすがに自信持つレベルには至らないけど、及第点くらいは取れてるんですかね。
「馬鹿おまえ、エッセイと小説は別だわ!」つって、やっぱり0点チャンピオン防衛成功してる可能性はあるけど。
そんでまあ自分の偏差値がどのくらいなんだろうみたいな、わりと全国模試に挑むのと同じテンションで初めて新人賞に応募してみたわけなんだけど、今回どうやら最終候補にも残らなかった。
事前連絡がなかったもんでダメなのはわかってたけど、なんだかんだ現代文のテストと小論文で負けたことないので、それなりに衝撃的だった。
で、ここ数日いろはすのペットボトルみたいにベコベコに凹んでるってワケ。打たれ弱〜い!!
でもこれだけ凹むのって、やはりある程度の自信があったからだと思うののである。正直、このどこから来てんのかわからない謎の自信が、自分自身一番恐ろしかったりもする。
作品をどうしてもうまく客観視できない問題については、数をこなしていけば多少マシになっていくと信じたい。私は多分ちょっと人の心がわからないタイプだけど、そこはどうにか想像で補いたい。
ただ、近年はずーーっと体調イマイチでまともな判断力があるんだかないんだか自分でもわからないことが多いし、そもそも体調が良くないときに書いたものって全然良くないし(よく考えたら小説始めてから体調が良かった期間ないけど)不安は抱えっぱなしジャーマンスープレックスホールドで頑張っていくしかないのだろう。投げっぱなしジャーマンはたぶん無理。ずっとギュッてしてる。
などと書いてるうちに講評が出た。
わー、ちょっと期待してたけどマジマジのマジで見事に残ってない! これは下読みで弾かれたかも。
でも、受賞を逃した最終候補の作品の講評に「ファンタジー色が強くて怖さが足りない」って文句付けてるのはどうなんだ。募集要項で「広義のホラー」つってんだからそりゃダークファンタジーやあやかし系やホラーコメディだって送られてくるだろ、世間的にはそっちの方が流行ってる気がするし。
私が作品応募前から懸念していた「オムニバス形式は長編大作と比べてエピソードが弱くて山場が小さい」というのはバッチリ当たっていたかもしれなくて、その点に言及されていると思われる作品もあった。
総合して推察するに「ルヴナン」は全体的に薄味でパンチが弱く、その上あんまり怖くなかったからダメですね~ってとこだろうか。オムニバスだからチマチマしてて何が起きてんのかよくわからんしな。
うーん、やっぱりそれ以外の「ハッ!」とするような、私宛の講評が欲しかったな。欲しかったな~~!!
サンタさん!
バチクソに殴り合いができるタイプの担当編集さん、ください!
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