第4話 明日から始める異世界生活(そのための準備)

 異世界転生。中高生のとき狂ったように読み耽ったライトノベルで知った単語。あの頃の自分が夢中になった物語達において最初に描かれる出来事。それを俺自身が体験する?

「ハ、ハハハ」

俺の頭は遂に情報を処理出来ずパンクし、口からは乾いた笑いだけが漏れている。

「アララ、パンクしちゃっタ?\でも早めに決めて欲しいんだよねェ、こうしてる間にも帰ってくる魂の量は減ってるからさァ☆。」

「転生って…どういう感じで転生するんですか?人間に?赤ちゃんから?身体は今の俺で?」

「その辺りはキミの希望通リニ…と言いたいところだけド、人間であるキミの魂は人間にしか定着しないんだよねェ♪。年齢も別の宇宙で魂を慣らすために赤ん坊カラ、見た目は全く違うモノになるねェ→。」

「…転生を断ったら…?」

「時を動かしてキミを創造神に吸収させるだけだヨ¥?マァいずれそうなるから早いか遅いかの差だネ$。代わりに原因を突き止めてくれタラ、キミの願いを叶えてあげるヨ?€

サァ、どうスル!!!??%」

またとんでもない情報が出てきた。願いを叶えるだって?

「…どんな願いでも?」

「愚問だねェ、人間如きが考えつく願いなんざ、なんだってOKサ°」

神様にそんなこと言われちゃ答えは決まる。

「俺、やります。転生させてください。」

「ン〜〜GOOD!!!#じゃあ早速キミの特典を決めてくれるカナァ○?」

「特典?」

「いわゆる"チートスキル"さ*。一応神からのお願いだからねェ、最低限の準備は用意しないといけないのサ・。」

破壊神が言い終わると同時に俺の目の前に分厚いファイルが出現した。中を開くとページ1面に「聖剣エクスカリバー」「魔力∞」「完全魅了」など魅力的な単語がズラリと並び、「オススメ☆」と書かれた付箋が貼られたページには「時間操作」「事象改変」など漫画のラスボスが使うようなスキルまである。

「これから生まれ変わる異世界は、魔法とか使ってモンスターとかと戦う必要がある世界なんですか?」

「サァ+?いちいちソンナこと確認してないから分かんないケドォ、特典あげるのは物騒な世界ですぐ死なれちゃ困るからなんでさァ、しっかり考えて選んで欲しいナ×?」

戦う世界かは分からない。だとすると選ぶべきは「日常で使えて便利、かつ万が一の荒事にも対応できる応用力のあるスキル」が理想的だろう。当てはまるスキルを探してファイルをペラペラめくり、「オススメ☆」のページのあるスキルに目が留まる。

「これは…いいかもしれない…」

「オッ、決まったカイ÷?」

「はい、俺が選んだのはーーー」

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