First cup 本日のデザート〜アンフロパイ〜

素晴らしい。懇親の出来栄えだ。フルーツの酸味や甘味が、サクサクの冷えた生地と相まって素晴らしい味を生み出している。名前は柊哉くんに決めてもらうとしよう。彼と初めて出会った日を今でも覚えている。十一年も前のことだ。泣きじゃくる彼に虹の綺麗さを説くなんて、我ながらおかしいものだと思った。でも、ここはそういうお店だ。あれでよかった。これからの彼の変化に期待して今日は終わりとしよう。

柊哉くんの大学時代の知り合いの方が来店した。アンフロパイも気に入って貰えたようだし、何より、柊哉くんのお気に入りの先輩だそうだ。二人で歩く夕焼け空をこの目に焼き付けておこう。この景色が、二人の挑戦の始まりだろうから。

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