裸エプロンの義妹

 アパートを目指して歩いていたが、俺は唐突とうとつに思い出した。晩飯の材料がなかった。買出しへ行かねば餓死がししてしまう。


「立ち止まってどうしたのですか、兄さん」

「スーパーへ行こう。食料不足だった」

「そうだったのですね。近所にお店があるんですか?」

「直ぐ近くだよ。寄っていこう」


 自宅付近まで来ていたが、道をれてスーパーへ。

 女の子を連れて買出しへいくなんて……これが初めてだ。少し――いや、かなり緊張する。というか、俺は常に緊張していた。心臓がバクバクしていて、いつか破裂するんじゃないかと心配だ。


 スーパーに到着して、入店。


 菜枝と共に野菜や鮮魚、惣菜コーナーを回っていく。どうやら、菜枝はタマゴ料理が好きのようなので、俺はタマゴを多めに購入。

 なるべく出費は抑えたいけど、せっかく菜枝と暮らすようになったのだ。少しくらい贅沢してもいいか。


「買い物カゴが沢山です。兄さん、いつもこんなに買うんですか?」

「菜枝の分、増えたからね。カップ麺とか保存食も買ってあるし」

「あ……そっか。わたしのせいで余計な出費が」

「気にするなって。女の子を養うくらいの金はあるんだ」

「でも、負担ばかりでは悪いです。わたしもお金を出しますね」


「正直ありがたい。でも、あんまり無理はするなよ」

「住まわせて貰っていますし、当然です」

「いや、その認識は違う。あのアパートの部屋はもう俺と菜枝の家だ。兄妹だからな」


「……兄さん、嬉しいです。わたし、泣いちゃいそう」


 嬉しかったのか、菜枝の瞳は少しうるんでいた。


「だから、無理のない程度にな」

「はい、妹として出来る限りサポートしていきますね」


 上機嫌に笑う菜枝を見て、俺はホッとした。少しは緊張も和らいできたかな。



 それから会計を済ませ、再びスーパーを後にした。そのままアパートへ戻り、ようやく帰宅。ダイニングへ上がって品々を整理していく。菜枝も手伝ってくれた。



「ありがとう、助かるよ」

「いえいえ。お料理は兄さんが?」

「ああ、そのつもりだ。菜枝はどうする?」


「わたしは……その……」



 ぎこちない動きでスカートに手をかける菜枝は、そのまま脱いでしまった。制服も脱いでしまい、ブラウス一枚の格好になっていた。……な、なんてこった。



「ふ、風呂でも入るのか? 脱ぐなら脱衣所で頼むって」

「お風呂は後にします。兄さんと入りたいので……これはその、裸エプロンになろうかと」

「は、裸エプロン!?」

「その方が兄さんが喜ぶかと」


「嬉しいけど、危ないって。油とか飛んだ時に火傷するし」

「それもそうですね……でもいいんです!」



 良いのかよ。止めようと思ったが、菜枝はもうエプロンを装着。ブラウスを脱ぎ捨ててしまった。これで義妹の裸エプロンが完成。


 背中が肌色一色だ。


「…………菜枝、それはエロすぎる」


 胸の形がくっきりだ。

 どんだけデカいいんだ、我が妹は。


 そういえば、Gカップとか言っていたか。……なるほど、圧巻である。はじめてマッターホルンを見た時の感動に近い。


 ボディラインも、しなやかで美しい。体型維持の秘訣を聞いてみたいほどだ。


「気に入っていただけたようで良かったです」

「ああ、最高だ。菜枝はえっちだな」

「よ、良かった。鼓動が早すぎてどうかなりそうですけど、兄さんの為なら……なんだって出来ます」


「いや十分すぎるよ。……さて、飯を作るか。焼き物は俺がするから、菜枝はお米とか頼む」

「分かりました。がんばりますっ」


 裸エプロンの妹と共に、料理を作り始めた。



★★★

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