隙あらばえっちな義妹

 透き通るような白い肌が宝石のように輝いている。ダイヤモンドと言っても過言ではない。俺は今、乙女の柔肌を目の前にして興奮していた。


 さすがに下着こそ付けているものの、ほぼ裸。えっちすぎて俺は料理に集中できなかった。



「……その、菜枝。ご飯を炊いてくれ」

「分かりました」



 キッチンの床に新潟県産コシヒカリの米袋(10kg)を置いていた。水稲すいとう農家を営む母さんが産地直送してくれる無洗米。


 菜枝は計量カップを手にして、しゃがむ。その動作を目で追うと、谷間が現れてしまった。かなり際どいぞ。


「…………」


 つい眺めていると、菜枝が俺の視線に気づいた。


「兄さん……?」

「いや、その、なんでもない」

「声が震えていませんか?」

「き、気のせいだ。それより、米を頼む」


 危なかった。興奮しすぎて下半身的な意味で危険度が高かった。よく耐えた俺よ。だが、脳内には鮮明に記憶メモリーされている。しばらくは忘れられそうにない。


 裸エプロンの菜枝と共に、俺は晩飯を作っていく。


「ご飯は炊けるまで時間が掛かります。その間にお風呂へ入りますか」

「そうだな。俺が見てるから、行ってくるといいよ」

「嫌です」

「え?」

「兄さんと一緒に入りたいんです」

「どうしても?」

「どうしてもです」


 凄く真剣な眼差し。

 ガチなヤツだ。

 これを断れる男はいないだろう。


「でも、昨日みたいな前貼りは刺激が強すぎるから……せめて、水着とかにしてくれ」

「水着ならいいんですね?」

「あ、ああ……いいぞ」

「念のため水着を持ってきておいて良かったです」

「あるのかよ」

「こんなこともあろうかと準備しておいたんです。兄さんに喜んで欲しくて」


 もう十分すぎるほど喜んでいるけどな、俺は。でも、菜枝の水着かぁ……興味あるなあ。まあいいか、晩飯の完成まではまだ時間がある。


 それに、菜枝と過ごす時間はあまりに幸せ。


 そうだよな、もっと楽しまないと。

 今まで一人ぼっちの退屈な人生だった。それが今は女子高生の菜枝と共に幸福を共有している。


 仮にも兄妹なんだ、もっと気楽にいこう。


 俺は腹を決め、風呂に入ることにした。着替えの準備を済ませ、脱衣所へ。


 今日は俺が先行した。その方が気持ち的には楽だと思ったからだ。事実、緊張は多少軽減される――わけなかった。


 余計に緊張が増しただけだ!!



「…………」



 脱衣所で菜枝が服を脱いでいる。服と言ってもエプロンと下着だろうけど。

 いよいよ気配がして俺は前を向く。


 扉が開いて――菜枝が入ってきた。



「お待たせしました」

「ふ、振り向ても?」

「大丈夫です。水着ですから」



 おそるおそる俺は振り向く。

 すると、そこには……。


 おぉ!


 シンプルな黒ビキニを身につける菜枝がいた。これなら絆創膏の前張りよりは、まだ健全だと思う。そりゃ、エロ度は前張りの方が圧倒的だったけど、まともに見れないからな。


「か、可愛い」

「……良かった。ビキニって初めてだったので」

「そうなのか? 友達と海水浴とか行くだろう」

「わたし、夏は海よりも山派なので泳ぎに行く機会は全くなかったんです。周りの友達もそういう人が多くて」


「へえ、それは意外だな。でも、この周囲は海も湖もあるから泳ぎ放題だよ」

「はい、アパートの直ぐ近くに海がありますよね。毎日、兄さんと泳げに行けます」


「体力がある時は遊びに行くか」

「楽しみです。……では、まずはお背中を」


 俺は再び背を向けた。

 水着とはいえ、近くで見れば刺激的なのには変わりない。特にあの胸は超弩級戦艦クラス。しかも、ただデカイだけじゃない。形も完璧。

 つい最近まで中学生だったとか信じられんな。


 そんな事実に震えていると、菜枝の細い指が俺の背中を撫でた。


「……ッッ」

「ボディソープをつけているところです。我慢してください」

「あ、ああ……」

「耐えたら、わたしのビキニのヒモ……解いてもいいですよ」


「な!?」


「そうです、兄さん。そういうゲームをしましょう。わたしの指に耐えられたら、ビキニを解いていいです。耐えられなかったら……あの時見せてくれた、えっちな本のように裸で抱き合いましょう」


 ――って、それでは俺にメリットしかない……!


 あぁ、忘れていた。

 菜枝は隙あらばえっちだということを!!



★★★

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