第19話 離婚届

とある日の日曜日旦那から「離婚してくれないか」と言われ私は何を言っているのか分からなかった。「どういうこと?」「だから、離婚してほしいんです」「なんで?」

「もうこの生活にも飽きたし、離婚届もらってきてあるから名前を書いておいて」と言って旦那は寝室に行ってしまった。この生活が飽きたのは本当かもしれないが旦那には他に女がいることを私は知っていた。一年前から旦那は浮気をしていた。

私はそれを知っていたが知らないふりをした、探偵の情報によると浮気相手の女性が妊娠したらしく離婚と言い出したらしい。私は離婚届をゴミ箱に捨て買い物にいって自宅に戻ると「なんでっ離婚届書いてくれないんだよ!」と旦那が怒る。

離婚をしようと思ってないから離婚届を書いてないだけなのに 旦那は早く離婚することを望んでいる。

「不倫相手に子供でも出来たの?」


「はぁ?何言ってるんだよ、不倫なんかしてねーよ」


私はそういうと思って探偵から預かった資料をタンスからだし、これでも不倫してないって言えるの??」といって探偵から預かった資料をテーブルに全部出すと旦那は「なんだ、これは、お前はこんな事してのか?」と逆ギレをする。

「離婚するのは構わないわよ、だけど慰謝料はたっぷり頂きますからね」と言って私は実家に戻った。「離婚届は実家に送っておいて」と言ったのに一向に離婚届を送ってくる様子がない、私から離婚届を自宅に送っても離婚届を出した様子が伺えない、

私の旦那は何をやっているのだろう、離婚してくれって言ったのは旦那側なのにと思いだ、旦那の様子を見にくのに自宅に戻ると旦那は呑気にテレビゲームをしていた。

「おっ 帰ってきたのか?」というので「離婚届出してくれないの?」と聞くと「離婚は辞めにしようぜ」と訳のわからないことを言い始めた。

旦那が言うには不倫相手の子供は自分の子供ではなく、旦那以外にも男性がいてその男性との子供だから別れてほしいと言われたという、なので離婚届も出すことは無かった。私の堪忍袋の緒が切れて「早く離婚届け書いて」「もうあんたとなんて暮らせないわよ」と言うと「そんな事言うなよ」と半べそをかくが私は旦那の身勝手さに頭が来たので離婚届を目の前で書いてもらうことにした。

「本当に離婚するのかよ」


「当たり前じゃない、浮気相手から捨てられたからって私の所へ戻って来るのはお門違いもあったもんじゃないわよ」


「本当に悪かったから離婚だけはやめにしてくれないか?


「しません、早く名前と印鑑お願いします」

旦那の名前を書かれた離婚届をもって私は役所へ行った。私の気持ちはスッキリしていてこのまま旅行でも行きたい気分だった。私の春はここから始まる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る