第7話 上司に恋をして?

僕は東京のど真ん中でサラリーマンをやっている、こないだ会社の飲み会でお酒を飲んで酔っ払っていると、上司からホテルへ来ないか?というお誘いがあった。上司はいわゆるキャリアウーマンで、女性社員からも慕われる存在だった。

僕は言うとどちらかというとポンコツ社員だと思っているが、そんな僕を上司が誘ってきたので行かない訳にもいかないという謎の義務感で、飲み会が終わって先輩のいるホテルに向かった。部屋番号を確認してチャイムを押すと、先輩が出てきて中にはもう一人男性がいた。僕が部屋に入ると「こいつか浮気相手は」ち言って頬を殴られ、腹パンをくらい地面に転がると今度は腹や頭をサッカーボール如く蹴り飛ばしてくる、状況がわからない僕はただただ殴られ蹴られるしか無かった。男性の方は満足したのか男性は「二度とするなよ」といって部屋を出ていった。


二度とするなよと言われても僕はなにもしていない、僕が立ち上がると上司が「大丈夫?」と言って唇からでている血を拭ってもらったが、全然状況が読めることはなかった。上司にコーヒーをいれてもらい、話を聞くと、僕と同い年くらいの男性と浮気をしていたらしい、それがさっきの男性、いわゆる旦那さんにばれて「本人と話させろ」と怒ったという、だが上司はその浮気相手と関係を切る気は無かったので、歳相応の僕を生贄にだされたというのが話の落ちだった。


上司に「浮気を辞める気はないんですか?」聞くと「辞める気なんてないわよ」と言いながらタバコを吸う「それなら旦那さんと別れたほうが良いんじゃないんですか?」というと「うるさいわね、あんたに言われる必要はないのよ」「これ持って帰って」といい封筒を渡されたので中身をちらっと見ると札束が入っていた。

身代わり代ってことだろうと思ってポケットにしまい部屋を後にすると。ホテルの入口に上司の旦那がいて声をかけられた。

「さっきは悪かった、お前さんは本当は浮気相手じゃないんだろ」

「ちょっと酒でも飲まないか?」と言われ断ることもできたが、巻き込まれた事に面白みを感じて、上司の旦那と飲み行くことにした。


「なんで僕じゃないってわかったんですか?」


「ツラを見ればわかる、あいつはお前さんみたいなのがすきなんじゃない」


付き合ってもないのに振られたような感情になり、なんとなく寂しくなった。確かに僕はイケメンではないが女性と付き合ったことだってなくもないのに、そんな言われようは寂しかった。

「まぁ、飲め」と言われ酒をつがれ一気飲みをした、上司の旦那には気に入られたみたいだ。酒をたらふく飲んでキャバクラへ行き、風俗までごちそうになった。多分旦那は悪い人ではないんだと思う。上司を愛するがためにやった行為だと思ったが後日、その旦那が捕まったとういう、ニュースがテレビから流れてきた。

罪名は暴行傷害で相手に一年以上の怪我をおわせたという、きっと旦那さんは本当の浮気相手を突き止めたんだろうなと僕は思った。さすがに一年以上の怪我はやりすぎだが本当に上司のことが好きだったということだろう。

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