腱鞘炎

鞘炎になったその後に

「ねぇ、先生、私の腕治るのかな」

視た目には何ともないんだけど腕がものすごく痛いの。

痛いといっても白衣の男性は笑うだけで答えない。

「こんなに動くの遅いんだよ」

始めはただの違和感だったんだけどね。

今はとても痛くて、ペンも持てない位なんだ。

優しい20代の先生は「大丈夫だよ」と笑ってくれた。


「いつ治る?」

その場にいたお母さんが先生に質問するんだ

「この子、この冬に高校受験するんです。きっと筆記になると思うので治らないと困ります」


私は弱い

怖い夢を見てうなされたり

現実の冷たさに震えてみたり

まだまだ未熟だな

自分らしく成長するって本当に難しい。

優しさは放したくない

ナメられるのも違う。

卑屈になるのも違う。

先生はいつ直るには答えない。

きっと治るものではない。

「リハビリします」

使っていないから無理がたたるのか使いすぎてうまく動かないのかもわからない。

鎮静剤のようなものをうってその日も診察は終わり。

とても高い診察代。

これは治っているの?

よくなっているの?

休ませてあげつよりも使う時間のほうがはるかに長くて、ノートをとるだけので激痛が走るようになった。

野球肘とまでいかないし、名前を付けるなら腱鞘炎なのだ。

そう炎症。

休めば治る炎症。

身体を使うと痛むから目で覚えて休息をとる。休ませる。

これでいいのかわからない。

学校での成績だって落とせない。腕を使わないわけにはいかない。


誰に相談していいのわからない。

学校の保健室の先生ではわかるのは困難だった。

文房具を変えてみたけど痛いのは健在で困る。


だけど私は勉強する。

だってどうしても行きたい学校だから。


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