第15話 やったね、夏休み。学校の先生の、あるある言葉。「夏は、命と触れあえる機会にしましょう!」…ダメ!それも、勘違いです!

こういうことを言う大人も、いて。

 「たった1人の、孫!1つの、輝き!高齢者の金を、あげようではないか!就職氷河期世代は、死んでも、かまわん。じゃが、孫だけは、助けよう」

 たくさんの金が、孫1人に集中して、プレゼントされ…。こうして、金のある孫たちが、ネット上で、珍しくて貴重な生き物を、買いあさってしまう。

 もちろん、ネットオークションの運営会社には、批判が集められる。

 「生き物だよ?物じゃあ、ないんだよ?」

 「命を、取り引きするの?」

 「信じられないな」

ああ、生きづらい。

せっかくのルールが、無視されようとしているだなんて。何のための、ルールだったんだ?

 「ねえ、ドレミちゃん?」

 「なあに?」

 「どうぶつあいごかんりほうっていうのが、あってね?」

 「うわ、すご」

 「ほうりつで、ねっとでやりとりすることが、きんしされているんだよ?」

 ソノミちゃんの知識は、頼もしいよ。

 他にも、絶滅のおそれのある生き物は、種の保存法とかっていうので、ネットからでなくとも、受け渡し、売買のすべてが、原則、禁止されているんだそうな。

 「児童の、皆さん?長い夏休みは、命と触れあえる機会にしましょう!」

 待て、待て。

大人たち?

そういう言い方、気をつけたほうが良いよ?

「じゃあ、先生?ネットで取り引きするのも、ありだよね?」

 ダメじゃん。

子どもたちが、勘違いしちゃうでしょ!

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