【短い話】ドレミのかいだん②~ シーソーゲームの生きづらさを感じられたら ~
第9話 「逃げないで、戦いなさい!」そんなこと言われても、ムリだし!「いやなら、逃げちゃえ」そう言ってくれたら、生きやすくなるんだけどなあ。
第9話 「逃げないで、戦いなさい!」そんなこと言われても、ムリだし!「いやなら、逃げちゃえ」そう言ってくれたら、生きやすくなるんだけどなあ。
「最後は、子どもの考える力で、立ち向かっていこうじゃないか!失敗したって、良いよ!失敗して転んで、立ち上がれたところに、求めていたものが、見つけられるんだもの!」
そういって、見守ってくれるのなら、まだまし?
でも、こういうのは、いや。
「大人の力を、貸そうじゃないか!」
上から目線で、気持ち悪いし。
「私たち大人が、子どもの面倒を、見てやろうじゃないか!大人は、子どものことを、わかっているからね。安心、しなさい!」
ちょっと、待った!
ムリ。
激しく、ムリ。
安心、できません。
「いやなら、逃げてしまえば良い」
むしろ、そういうアドバイスをしてもらえたほうが、生きづらさをなくせるような気がします。
「逃げないで、戦いなさい」
そんなアドバイスは、古いんだ。
ただし…!
「逃げても、良いよ」
「はい?」
「戦わなくて、良いから」
「はい?」
それ言いすぎても、困るけれど。
逃げるのが、当たり前の生き方になっちゃうからね。
子どもたちを生きづらくしているのは、誰なんだ?
「誰かに、相談すれば良い」
…っていわれても、急に、誰かに相談されたら、困るか。
「あのね…」
「なあに?」
「わたし、どうしたらいいかな?」
「え?」
急に言われたほうは、困っちゃいます。
打ち明けられる関係がもてるのは、良いことだけれど。
悩みを打ち明けられることで、新しい責任を押し付けられたと感じてしまう子も、出ちゃいそうで。
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