第3話 「どうして、学校に、楽しくいかなくちゃいけないの?」そういわれれば、そうかも。生きづらさは、ヤングケアラーの子も、感じているんです 。

 「どうして、たのしく、がっこうにいかないの?」

 大人は、小学生に、フツーに言う。

 大人は、ちゃんと、わかってあげているんだろうか?楽しく学校にいけないのは、今の世代の子たちが、学校にいっても、希望がもてないからなんじゃないの?

 気付いて、あげてよ。

 本当に悩んでいる子たちに気持ちは、今の社会と、二人三脚だ。

 「そうだ、ソノミちゃん?」

 「何?」

 「あの子」

 「あの子?」

 クラスの中には、ヤングケアラーとよばれる男子がいた。小学生低学年にして、家族の世話をしなければならなかった子。そういう子の生きにくさも、半端ないんだろうな。

 彼には、兄弟が、いなかった。

 母親は、シングルマザー。

 そんな彼には、授業中でも、携帯電話で、連絡がきたようだ。

 母親からの電話、かな?

 ヤングケアラーの子には、休まる時間が、ない。

 これでも、学校に、希望がもてるのかな?

 生きづらさが、たまって。

 彼は、教室の中で、叫んだ。

 「おとなは、かってすぎる!」

 この叫びは、すべての子の気持ちに通じる。

 彼は、学校の3者面談のときにも、叫んだらしい。

 3者面談とは、子ども本人と保護者、クラス担任などの3人が向かって、話をするイベント。多くは、子どもの普段の生活や進路のことを、話し合う。

 そこで、つい、ヤングケアラーの彼の母親は、クラス担任に、あることを言ってしまった。子ども心を、無視して!

 この言葉は、きついな。



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