第49話 約束は果たされ、再会は叶い……
機構が動き出し、
それは、
来た道を戻ろうとするが、歪んだ空間内の中では道がわからない。
(こういう時こそ、ライからもらった札で!)
ライと別れる前、手渡された木札を取り出す。彼曰く、この木札が
(お前の想いに、俺は報いるんだ!)
****
同時刻。
ようやく二人に視線を向けた妖魔王は、静かに尋ねて来た。
〔小娘二匹が、何故ここに居る?〕
威圧感のある野太い声と、興味が無いと言わんばかりの冷たい視線。だが、
「あなたに会いたがっている人がいるから、ウチらは伝えに来たの」
〔興味等無い。失せよ〕
「
「約束の場所で待っていると、言っていたの。あなたは会いたくないん? 好きだったんでしょ?」
〔異形と成り果てたこんな男が、今更会わせる顔等どこにあるという?〕
「どんな姿でも、好きな人は好きやと思うよ? だって、ウチがそうだから! 答えてあげてよ! 想い合っていたのだから!!」
妖魔王と名乗って来た男の姿が揺らいでいく。二人が驚いていると、背後から空間が開き、女性の姿が現れた。
彼女は、彼を包容し、涙を流して言葉を紡ぐ。今までの想いを込めて。
「ようやく、繋がりましたね、縁が。お二人のおかげです」
〔は……な?
「左様でございます、
彼女の涙が、彼の首元に落ちたと同時に、姿が変わって行く。異形であったはずの姿は、青年の人の形へ戻って行った。
「楔が……役目から解かれた、のか?」
戸惑う
「そうか。解放されたから、あなた方はこれから本当の意味で眠りにつくのだな」
それを見届けると、
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