第45話 一途な想いを託されて
「どこに向かってるんかな……?」
「妖魔王の近くでございます」
聞こえていたのだろう、
「何故焦る? 理由を教えてくれ」
「それは……時が来たからでございます。ようやく、勝利への道が開かれた……救われる時が来たのです」
「へ? 時は来たって……どういう事なん、です?」
「
そこに触れると、
「これは……石碑……いえ、妖魔王の……
「呪いだと?」
「左様でございます、
「それをわざと違う出来事として残されたわけか。確かに、呪いだな」
石碑に肌を寄せると、
「透けて……!? どういう事?」
「落ち着け
「はい。この下には……私の遺体が。
その言葉を最後に、彼女は姿を消した。
「ここで、待っているって事なんだよね?」
「間違いなくな。後をおれ達に任せてくれたんだろう」
二人に自然と気合が入る。今まで失敗作と揶揄され、酷い扱いを受けて来た。それをトクタイに救われ……仲間が出来た。
だから、今度は自分達が救う番なのだと――。
頷き合うと、
「必ず、二人を再会させようね……」
「無論だ」
二人の身体はモヤの中へと消えて行った。向かうは、当世の妖魔王となり果てた……男のもとへ。
託された想いに応えるために。
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