第35話 狭間の世界で
その頃。
狭間の世界で、刃を交える
「随分とその身体に馴染んでいるな? 付き合いが長いか?」
問われた
「あぁ、その通り。長い付き合いだから、な!」
そうして、再度ハルバードを振りかぶると
ギリギリで避けると、
この繰り返しが先程からずっと続いている。それにお互い気づきながら、なおも続けているのは……。
「時間稼ぎしてなにが目的だ、てめぇ」
睨みつけながら彼が尋ねれば、
「そうだな……強いて言えば、暇つぶし」
「へぇ……その相手にわざわざハンパ者を選んだわけかよ?」
「あぁ、そうだ。俺もハンパ者だからな」
言われて
「なるほど? お前、半妖か。それも人間と妖魔が為したってとこか?」
「正解だ、人造とはいえ使い魔になり損ねた者。だからこそ、俺が選ばれた。この世から……全ての妖魔を消し去るために」
静かに断言すると、
「遊びは終わりだ。お前の身体の主とその同胞共に伝えろ。今宵、妖魔は消える……とな」
そう告げると、彼は風のように去って行った。それを見送ると、
「あ、はぁはぁ……! くっ、うぁ……!」
思わずよろめき、手を地面に慌てておく。しばらくは休まなければ動けない。
「
(だから……嫌いなんだ。
そう恨みながら、
****
狭間の世界、別場所にて。
「ここは?」
「この場所は、私とあの方が約束を交わした場所を……再現されている所でございます。私達は
「そうなんね……。大事な約束だったんだよね?」
今度は
「えぇ、とても大切な……約束でございます」
「それでは……あの方を。当世の妖魔王となり果てた私の愛しい人をどうか――お救い下さい」
そうして二人に向かって頭を下げる彼女に、
必ず、助けると……。
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