第29話 誘い
夜になって。
赤い月を病室から静かに見つめる青年、
『爆炎の妖魔』から解放されたのは良かったが、その後遺症は大きかった。……
そのせいで、トクタイの監視下に置かれたままだ。
(……迷惑なことだよ、まったく……)
あの日。
死にたさが
大騒動に巻き込まれた挙句、死にたくても死ねない状態に陥ってしまってたことで、彼の心は更に闇に染まる。
「あぁ……死にたいなぁ……」
一人ぼやいたつもりのはずだった――。
【そんなに死にたいのなら、死なせてやろうぞ?】
「な!? だ、誰だ……!!」
声を荒げる
【どうした? 死にたいのであろう? この
その言葉は、
「……本当に、死ねるのか……?」
【あぁ、この
そう言われたのと”門”が
今まで触れたことのない感触が、なぜだか心地よくて
****
「はぁぁぁぁぁぁ!?
夜も深まって来た頃、突如来訪してきた
「そう。トクタイが
こんな状況だと言うのに、いつもの調子で告げる
「あの、教官。俺達……今はライと
その言葉に答えたのは――聞きなれない男性の声だった。
「そこについては安心しておくれよ。
リビングの入り口付近を陣取っていた
「さ、そういうわけで行こうか?
「ちょっ!? ルッツ……さぁんん!?
またしても大声を上げる
「大丈夫! 仲良くやれるさ!」
「ぜんっぜん大丈夫じゃあないいいいい!!」
嫌がる
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