第二章 それぞれの傷
第26話 億劫な日
トクタイには特殊なルールがある。それは入隊時に振り分けられるA~Eまでのチームは通常通りなら二年で解散し、メンバーはそのまま、または追加や配置換えなどでそれぞれ正式な部隊へと編成されなおすというものだ。
それを知ったのは入隊後だった。二年とは短いな……というのが
幸いにも、水神・
それは――。
【今日は、お前の父親の命日だな。そして……
そう。今日は
(父さんが死んでたったの二年で再婚されて、新しい父親なんて言われても……受け入れられるわけないじゃないか……)
そう。
だからこそ、気が重い。重いのだが……。
「……そろそろ、行くよ」
【あぁ、共にな】
待ち合わせにはギリギリになるだろう。それでいいかと思い直し、
****
その頃。
別に自室でもよかったのだが、今は広い空間にいたい気分だった。
(最悪だよ……またアイツが出たなんてさ……)
彼の発現要因は理解している。だからこそ――
そんな自分の現状が心底嫌なのだが、尊敬する祖父に「お前は人を救える!」と力説されてしまったからには、入隊試験を受けるしかなかったし、なんとか
しかし、今回の件で自分にもう一人の人格が存在することはバレてしまった。この状況だからこそ追求されていないだけで、おそらく今後なにかしら説明しなければならないだろう。
それが
「……はぁ~……」
こんなにも明日を迎えるのが嫌なのは久しぶりで、
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