第21話 壊す者
「は、はぁぁぁぁぁぁ!?」
「だからさ! しずなんが
あっけらかんと、とんでもない案を出す彼女に
「……あの。
「あっ、そっかぁ! 確かにそうだねぇ~。でもでも! 壊したら弱体化はするんじゃないかな?」
(……どこまでも、壊す前提なのか……?)
困惑を極める
「あの~差し出がましいようですが~。時間はもう
確かに彼の言う通りで、こうしている間にも雨量はどんどん増しており猶予はなさそうだった。今まで黙っていた
「決断の時だな。リーダーもこう言っていることだし、
「君達ってさ、
こうして、作戦が決まった一行は動き出した。
****
「はははは! 全部! 全部壊しちまえ! そして……消え去れ
荒ぶる水神を安全なところから、
ただ、女性の方は静かに肩を揺らしている。その様子を見て、若い男性の方がため息を漏らした音だけが響く。
その空気が一変したのは、
「なっ!?」
驚く壮年の男性とは正反対の反応を、女性が見せた。
「来たか……トクタイ! ぬるま湯に浸かりきったイイ子ちゃん達! 妖魔もろとも……終わらせてあげるわ!」
突如高笑いを上げると、女性は若い男性を連れてその場を立ち去る。壮年の男性は二人を気にすることなく、荒ぶる水神に視線を戻していた。悪意に満ちた笑みを浮かべながら。
****
「よし……。これ、で……はぁ。あと少し……だよ。うぅ……もうヤダぁぁぁぁ!!」
『
「次はどこだ? 早くしろ」
「ねぎらいの言葉の一つもないわけぇ!? ねぇ! 僕凄い仕事してると思うんですけどぉ!?」
不満を言いつつも、解析の手を止めることはない。そんな彼の様子を感心しきった様子で
(……
失礼なことを思いながら、
「へぇ~。坊や達がトクタイなわけ? ははっ……よっわそ~!!」
響く声に警戒していると、現れたのは……黒いベールに喪服のような洋服を身に
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