第20話 暴走の要因
雨がどんどん強くなっていく。それも、水神の近くに向かえば向かうほどに。
向かう先は山だ。なんでも山から流れ出る川の名前が
だが、いくら登山道があるとはいえ、山は山。登るにつれて足場はどんどん悪くなっていく。
ぬかるんだ地面に足を何度も取られそうになりながら、進むこと
ようやく、近くまでやって来れた。
「ここの先に~今回の水害を生み出している水神・
【ふむ、比較的神格の高い神のようだな。
ライが魔本の中からそう告げれば、反応したのは
「そんなに!? その神をあまつさえ保護なんて! 無理も無理じゃない!?」
安定の弱気な彼の発言をしり目に、
「うーん、その『
「……確かに、気になりますね……。どのような手段を使ったのでしょうか?」
(……そもそも、人間が神をどうこうできるものなのか? いや、相手は
その時だった。
「そうか! 土地の不浄を水神とわざと相性の悪い
「えぇ~っとぉ……しずなん? もしかして、わかった感じ……なのかな?」
「え!? 逆に君ら、ここまで来といてなにも感じなかったの!? なんでよ! こんなに
彼の言葉に動揺が走る。つまり、この場所はもはや敵のテリトリーということ。その事実に全員の警戒心が跳ね上がる。
「……
「詳しいっていうか、
「いや、おれの能力には制約が色々あってな。その一つにおれが理解できていないものには使用できないというものがある。
そんな二人のやり取りを横目で見つつ、
「……ライ。
【……どうだろうな。ワタシが頭脳戦において
二人の会話を聞いていたらしい
「う~ん、それじゃあ……。その
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