第15話 初めて聴く声
無事に持ち出し許可をもらった
まだ他の三人は戻ってきてないようで、その事に安堵した
(えぇと……知りたいのは……これじゃない……これでも、ない)
資料をめくりながら、
「……はぁ。ない、か……」
残念ながらめぼしいどころか、かすりすらしなかったことに落胆しながら、
【少し目を休めた方がいいのではないか?
ライに指摘され、
****
――夢。
事故で父さんが死んで……しばらくして、
大好きな父さんの代わりなんていない! そう言って逃げ出して……逃げた先でライと出会ったんだ。
……あれから、俺はずっと探している。自分の、
****
「たつま……さん?」
聞きなれないか細い声だったが、気配に
(
このEチームに配属されてからというもの、彼女の声を今まで聞いたことがなかったためについ驚いてしまったのだ。
「あの……だいじょうぶ、ですか?」
「えっ……?」
「ないていたから……きになったのです……」
ようやく、彼女が自分の身を案じてくれていることに気づいた
「……大丈夫です。ご心配おかけし、申し訳ありませんでした」
「なんで、あなたがあやまるのです? なにもわるいことはしていない、でしょう?」
言われてみればその通りなため、
【
「そう、なの? なら、わかったわ」
それだけ言うと、
「……これ、どうしよう……」
あと数十分もすれば、今回の任務についてのミーティングがある。資料室に返却へ行くのは次の機会にしようと決めた
外から聴こえてくる小鳥のさえずりが耳に心地よかった。
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