第14話 探し物を求めて
無事に報告書を書き終えた四人は、それぞれ自由時間を過ごすことにした。
一人残された
「……ライ」
【どうした、タツマ?】
少し言いにくそうにしながら、
「その……資料室に、さ。行ってみようと思うんだけど……どうかな?」
【お前の望むようにしたらいいさ】
その言葉に安堵した
****
「……ここか」
少し迷ったものの、無事資料室に辿り着いた
「なんっで! こんな地味なことやらなきゃなんねーんだよ! クソが!」
桃色の髪のスタイルの良い若い女性が、見た目とは裏腹な乱暴な口調で愚痴っている。それをそばにいた茶髪の若い男性が苦笑いをしながらなだめていた。
「まぁ、仕方ないよ。……これが終わったら俺達も自由時間だし、早く終わらせちゃおう?」
「……ちっ!」
その様子を横目で見ながら、
(……それに、あの怖そうな女の人の近くに、寄りたく……ないしな)
雰囲気もだが、
それに興味を持つことなく、
(……
正直、入りたての新人が仕入れられる情報は少ないだろう。それでも
(……俺の……
夢中で資料を漁ること数時間。ようやく、それらしき本を見つけた
拾おうとかがんだ時、声をかけられた。
「君、大丈夫?」
視線を上げれば、そこにいたのは入り口付近で女性とやりとりしていた、茶髪の若い男性だった。男性は穏やかに微笑む。
「……あ、の。大丈夫……です」
本を拾い上げると、
「その資料、結構重たいだろう? いくら男子とはいえ、その体重のかけ方は
指摘され、
「君は見ない顔だけど、新入りさんかな?」
「あ、はい。九十六期、Eチーム所属……です」
「……そっか、Eチームか。うん! 頑張ろう! よくEチームはおちこぼれなんて
若い男性の勢いに
「おい! どこ行った! 終わったんだから、さっさともどっぞ!」
「はいはい。今行くから! それじゃ、また!」
男性は
「……部屋、戻ろうかな……」
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