第12話 決着
【オレォ、カァ? アハハハハハ!!】
不敵な笑い声を上げる『爆炎の妖魔』の思念に向かって、
「っつ……熱い……!」
(くっ……
「
『爆炎の妖魔』の思念の炎と相打ちさせる形で、
【マダマダマダマダ! オレハァ!」
炎の勢いを増し、
「……来い! ライ!!」
珍しく声を張りあげる
【お前を、
ライが大口を開け、思念を炎ごと飲み込んだ。声にならない思念の断末魔が周囲に響くとともに、周囲を包み込んでいた炎も消えて行く。その光景を見つめながら、
「……終わった……か」
****
「いやぁー二人とも大丈夫だった? ごめんね? ウチとしずなん、炎の威力が凄すぎて上まで登れなかったの! 本当に、ごめんなさい!」
炎が鎮火してすぐに駆けつけて来た
「気にするな。おれを屋上にお前はあげた。それだけで大助かりだし、今の治療も助かっている。問題はない」
彼女の言葉を聞いて、困惑した声を上げたのは
「……は?
「ん? ウチが思い切りぶん投げて、トッキーを屋上まであげたよ~? それがどうかしたの?」
まさかすぎる答えに、
「……
「ごめんなさいね!? でもさでもさ! わかっておくれよ! なぁ
そんな二人のやり取りを不思議そうな顔をして見合わせる
「……とんでもないことになったな……オレ」
****
同時刻。某所にて。
月明りだけを頼りに逃げる妖魔を
「はぁはぁ! わ、わしが何をしたというんじゃ! 下界でなにもしとらんぞ!?」
涙を浮かべて叫ぶ壮年の人型の妖魔に対し、彼女は容赦ない言葉を叩きつける。
「うるっさいわね。アンタ達が……妖魔が生きていること自体が罪なのよ? そんなこともわからないわけ? あぁ! うっかり答えちゃったじゃない! うっざ、気持ち悪っ! だから、死ね」
全く会話になっていないが、そんなことなど気にもせず彼女は怯える妖魔に容赦のない斬撃を喰らわせ、その命を奪った。
「……妖魔は
憎悪に満ちた声が夜の闇の中、響くのだった。
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