第6話 不思議な気分
今日から自室となる部屋にて整理をしていた
「……そんなに荷物、多い方じゃないと思うんだけどな……」
ボソリと呟けば、魔本から出て
【荷物が多いというより、タツマは昔から片付けが苦手だからな。まぁ適当にワタシがやっておくから、少し庭にでも出ていたらどうだ?】
「……いや、それはさすがに……。俺もやるよ」
ライに任せると、自分が後でどこに何があるのかわからなくなることを経験で思い知っている
****
全員の荷物整理が終わる頃には、昼時を過ぎていた。
(……カレーか?)
匂いに釣られてキッチンに顔を出せば、そこには
「あっ、たっくんじゃーん! 荷物整理終わったん?」
朗らかに
「あ、はい……。終わりました」
「そかそかー! じゃあ休憩って感じ? ていうか、お昼もう食べた? 良かったらトッキーが作ってるカレー食べない? 美味しいんだよ~!」
彼女の誘いを断る理由が見つからなかった
(まぁ……腹減ってたのも、事実だしな……)
四人掛けのテーブルに腰掛けると、
「ふあ……。お腹空いたな~ってこの匂いはカレーか!? 僕、大好物なんだけど!?」
「じゃあラッキーだね、しずなん! みんなの分あるから食べよ食べよ~」
しばらくして
「……え?」
「おいおい! いくらなんでも多くないか!?」
二人の言葉にも、
「おれがよく食べるんだ、文句があるのか? それに、カレーは日持ちもするんだ。多くて困ることはないだろう?」
作り手にそう言われてしまえば、何も言い返せなくなる。
「あ! そういえばたっくん、ライライの分はいらないの?」
「あ……はい。ライはその、俺達人間の食事はいらないタイプの
(……なんだろう。不思議な気分だ……)
まだ出会って間もない、そんな間柄の四人が揃って食事を摂ることに困惑しつつも
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