3章62話 気もちぃぃ
怜に案内され風呂場まできた雪と綾だが普通の家庭にある風呂との違いに驚きの連続だった。
「ええ!?脱衣所広すぎない?ほぼ銭湯と変わらないくらい大きいんだけど、、、」
「一応家族以外に魔防隊の旧知の方などもたまに来ますからそのせいですね。中に入ったらもっと驚くと思いますよ?」
「雪ちゃんそれじゃあ、お着替え、しよっか?」
「待て、何故そんなゆっくり近づいてくる?おい、その手はなんだ?ワキワキするんじゃない!やめ、やめろー!あー!」
「ふふ、本当に仲がいいのね。私も着替えないと。」
「見てないで助けてー!待って下着だけは自分で脱ぐから!来るなァァァー!」
「うぇへへへ、雪ちゃんの肌が綺麗だから怜ちゃんにも見てもらおうねー?」
目にも止まらぬ速さでいや音すら置き去りにするレベルで雪を脱がす綾を微笑ましそうに見守っている怜。そんな光景が広がっていた。
◆
「・・・・・・・もうお嫁に行けない。」
「げ、元気出して?ごめんね。なんか楽しくなったちゃって。」
「そ、そうよ。綺麗な体だったわよ?それよりどう?うちのお風呂は?」
話題をずらさねばと怜が風呂に話を移す。
「・・・うん。ここ、お風呂だよね?温泉施設とかではなく?」
「ええ、少し立派だけどお風呂ね。」
「その割には露天風呂からジャグジー、サウナとか他にも普通の風呂にはないものたくさんあるけど!?」
「お母さんの趣味が温泉巡りだからどんどん増えていってね。でも確かにお湯は温泉のところもあるから温泉施設も間違いじゃないかも。」
「マジか、どんだけお金かければここに温泉引っ張って来れるんだ。取り敢えず身体洗ってそれからお風呂を回っていこう。」
「そうだね、あ、私たちシャンプーとか持ってきてないけど大丈夫?」
「ここにはいくつか常設されてるものがあるからそれを使えばいいわ。」
「本当に銭湯みたいだね・・・・」
◆
「やっぱり雪ちゃんの肌綺麗だよねー」
「私もそう思ってたの。前は呪いのことで精一杯でよく見てなかったけど張りもツヤもシミひとつないなんてどうやったらこんな風になれるの?」
「えっとちょっと二人とも近いというかその私にもわからなくて、、、あの怜さん?何故私の身体を弄っているんですか?」
「あ、ごめんなさい!ついすべすべだから気持ちよくて、、、もう少し触らせてくれない?」
「何言ってるの!?あのクールでカッコ良さそうな怜はどこに行ったの!」
「綾が友達の胸を揉めば大きくなるっていうから、それに私も触ってみたいな、気持ちよさそう!」
「ダメだ!もう自由になってはっちゃけてやがる!もういい!先にお湯に浸かってるからね!!」
雪は逃げるように温泉に浸かりに行った。
「あー、逃げちゃった。でも楽しかったでしょ?」
「うん!女の子とお風呂入るの妹以外初めてだから楽しいわ!」
(くくく、これで2対1雪ちゃんをあれやこれやしやすくなる。でも、なんか怜ちゃんが雪と絡んでると邪魔したくなるんだよねー?なんでだ?)
◆
「全く綾だけじゃなくて怜まであんなことするなんて・・・でもやっと自由になれた反動なら少しは良かったのかも。」
(流石に触られて少し気持ちよかったなんて言えないけど・・・!)
「雪ちゃーん。どこー?あ、いたいた。ごめんね?少しいじりすぎたよ。」
「私もごめんなさい、綾が全部悪いの。」
「怜ちゃん!?いつの間にそんな高度な擦り付けを!?まあ、たぶらかしたのは私だから間違ってないか!」
「まあ、いいよ。それよりここ以外の風呂にも行ってみよう。何があるの?」
「それなら定番のアレはどうかしら?」
「「アレ?」」
◆
「はぁーーーきもちぃぃ。この匂いがいいよねぇ檜風呂は。」
「うん、私が一番好きなお風呂もこれ。とても癒される気がするの。」
「確かになんかリラックス効果でもあるのかな、効能とかわかるの?怜ちゃん。」
「ごめんなさいそこまでは分からないわ。しばらく浸かったら今度は泡風呂に行きましょう!」
その後も五右衛門風呂やサウナ、真っ黒な風呂など色々なお風呂に入った。
「最後に雪さんにおすすめなお風呂があるの。その名も【血の湯】!鉄分が多くて貧血にいいんですって。能力的にも雪さん気にいるんじゃないかな。」
「確かに気になるなぁ、行ってみようか。」
怜に連れられて血の湯まで行くとそこには真っ赤な湯入っている風呂があった。
「凄いな、トマトジュースとかよりも赤い気がする。」
「さあ、入りましょう。鉄分が多いこと以外は普通のお風呂だから。」
「どんなお風呂なのかな。ひゃんッ!」
「大丈夫?雪ちゃん?熱かった?」
「う、ううん、大丈夫。気持ちいいよぉ?」
「そう、なら良かった。」
(これ長湯しちゃいけないぞ!なんか変な気分になりそう!)
「それにしてもやっぱり雪さんの胸は綺麗ね。張りもあって形もいいし。何かしているのかしら?」
「んッ!びっくりしたぁ。いきなり触らないでね?言ってくれれば少しなら触らせてあげるから。」
「うわぁ柔らかいのに張りがあって揉んでると気持ちいい。私なんか大きいだけだから羨ましいわ。」
「だよねぇ私も雪ちゃんの胸はとっても綺麗だと思う!ん、あれどうしたの?雪ちゃん。」
「はぁはぁはぁ、ねぇ私ばっかり触られるの不平等じゃない?怜、貴方触ったんだから私も触っていいよね?ふふ!」
「雪、さん?あのなんかすごく嫌な予感がするんですけど?ちょ、ひゃ!くすぐったいですよ!あははは!やぁん胸鷲掴みにしないでぇ!んん!」
「うわお、雪ちゃんが暴走してるぅ。でもなんでだろ?そんなにストレス溜まってるはずないんだけどなぁ?」
「綾ぁ怜を焚きつけた貴方も同罪よ?」
「へ?ひゃぁぁあん!ちょ雪ちゃん!そんなとこ触らないで!胸とかなら良いから!お尻は止めてぇ!」
「うるさい!悪い子にはお仕置きだぁ!」
◆
「あれ?いつの間に風呂でていたんだっけ?」
「あ、起きた。雪ちゃんお風呂でのこと覚えてる?」
近くにいた綾がそうきいてくる。
「確か血の湯に入る前までは覚えてるんだけど、、、もしかしてまた何かした?」
「・・・・雪ちゃんのエッチ。」
「本当に何したの!?私!」
「どうやら血の湯で酔ったみたいですよ?」
そこには浴衣姿の怜がいた。
「血のお湯って言う雰囲気に飲まれてお酒に酔った感じになってました。笑」
「えぇ、そんなことある?それにしても私何したの?」
そう質問すると二人とも顔を赤くして
「知らなくて良いです!!」」
と言ってきた。解せぬ。
「今日はもう遅いですからうちに泊まっていってください。」
「え、良いの?」
「はい、なので雪さんも浴衣に着替えさせましたし♪」
「え、本当だ!?ごめん着替えさせてもらうなんて、はずかしぃ!」
「いえ、大丈夫でしたよ?・・・・・・・・・・・眼福でした。」
「何か言った?」
「いえ、なんでも。」
「では夕食が出来ているので食べましょう。」
そう怜に言われ夕食の支度がされている部屋に通された。
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