3章61話 いや、十分反則!
怜に案内され廊下を歩いていると目の前から怜によく似た人が歩いてきた。
「怜!良かったまだ居てくれたのね!こんにちは、私は【銀嶺 巴】怜の母です。今回は娘二人を助けていただいてありがとうございました。」
「二人が自由になって欲しかっただけですから。そんなに気にしないでください。」
「そうですか、怜にもいい友達ができたのね。それで今からどこに向かうつもりだったの?」
「助けてもらったお礼にうちの訓練場を自由に使ってもらおうと思って案内するところ。」
「ならアレが必要になるわね。作っておくから後で私も向かうわ。」
「あ、そうだよね!ありがとうお母さん!」
「アレって?」
「すぐに分かるわ。ここよ。」
怜が入った部屋には転移陣が引いてあった。
「この中に入って。そうしたら訓練場に行けるから。」
転移すると学校の訓練場と同じかそれ以上の広さがあった。
「ここが私の訓練場。学校と同じ結界が貼ってあるから怪我しても問題ないの!」
「凄い・・・!こんな設備使っていいんですか?」
「ああ、問題ない。ところでその死神を倒した実力少し見せてくれないか?」
「え、うーん、どうしようかな。」
「雪ちゃん受けてみたら?秋さんと同じ隊長と戦えるなんてそうないよ!」
「確かに。お願いします!」
「おう!環境も選べるがどうする?」
「平地で問題ないです。あまり環境で左右される能力ではないので。」
「そうか、なら始めようか!怜合図を頼む!」
「分かったわ。」
すると怜と綾は少し下がって
「始め!」
合図がなる。
「胸を借りるつもりでいこう。【血刀 血桜】」
「ほう、血で武器を作るか。汎用性が高そうだが持久力はどうかな?」
凍也は魔力の塊を雪にめがけて放つ。
「なるほど魔力を切るか。ならば接近戦と行こうか!」
雪が簒奪刀に変え魔力を切ったのをみて身体強化をして接近する凍也。
「何も武器がないように見えるけど父さんと同じタイプかも、ならこのまま攻める!」
秋のように硬いのかと思い切り付ける雪だが
「ぬっこれも切られるのか、、厄介な能力だな。」
「意外と硬くない?」
「ならば能力を使うしかないな。」
「やっぱりまだ使ってなかったのか。ならもう一度切って確かめるしかないか。」
先ほどと同じように攻撃する雪であったが先ほどと違い弾かれた。
「うわっ!なんだ今の!?硬いんじゃない、何か触れる前に弾かれたような感覚だった。」
「よく分かったな、俺の能力は【反射】と【増幅】今のは触れる前に刀を反射しただけさ。」
「なるほどならこれはどうですか?【魔吸の雨】」
「ほう、先ほどと同じならば雨一つ一つが魔力を吸うのか、だが【反射】」
凍也に降り注いだ雨は逆に雪に向かって落ちていった。
「雨をひとつ残らず跳ね返された!?マジですか!これは遠距離攻撃はしないほうがよさそうですね。」
「お、来るか。秋譲りの能力が!」
「【鬼化】!それと【爪鬼化】」
「やはり、あいつの娘だな。変化した姿がそっくりだ。さて、どこまでやれる?」
「このままではまた弾かれるので少し、策を練らせてもらいますよ!【衣領樹】【侵血爪】」
雪の体に樹が溶け込み淡く光る。
「なんだ?あれは。何か特殊効果がありそうだが。」
「食らってみればわかります、よっと。」
「食らったら不味そうでなぁ、避けさせてもら、なんだと!?」
そこには凍也の体を拘束する血の鎖があった。
「最初の雨で上を向いてる間に仕込んだのか!秋と違って考えてるな!」
「父さんは頭いいけど能力が脳筋ですから、ね!」
ついに凍也に一撃与えることに成功した雪。
「【罪状選定】能力使用 行きますよ!」
「何やら自信があるようだな、だが【反射】・・・何!?魔力が一気に無くなっただと!」
「この能力は条件に沿った相手から魔力を奪います。このまま行きますよ!」
「なるほどな、だが、この辺で幕引きだな、【反射】、っ!かなり魔力を持っていかれるなこれは。」
「一体何を・・・!?私の体に紋が!?まさか!」
「おう、その紋が能力の起点ならそれを君に反射するまでだ。」
「反則だろ、、ぐっ!魔力が、、、」
「どうやらお互い魔力が限界みたいだな。よし、ここまで!」
「ふぅーー強かったぁ。父さんレベルになるとやっぱりまだ歯が立たないなぁ。」
「いや、正直かなりやばかったぞ。俺が反射出来たからいいが他のものならほぼ回避不可能だな。」
「ありがとうございます。」
「すごかったよ雪ちゃん!アレが秋さんとの特訓の成果?」
「うん、これで更に戦闘に幅が出たと思う。まぁ一年生の大会で使えるかわからないけど。」
そうして、話していると転移陣から巴さんが現れてこちらに向かってきた。
「どうやらお疲れみたいね。とりあえずこれ渡しておくわね。」
「これは?」
巴さんから受け取ったのはカードキーのようなものだった。
「それはここにつながる転移陣を使うためのカードキーです。ここにはそれを持った人とその連れしか入ることができません。」
「ありがとう、大事にします。」
「ああ、いつでも来ていいからね。さて、いい汗流したみたいだし、怜、雪さんたちとお風呂に入ってきたら?色々話したいこともあるだろうし。」
「うん、ありがとうお母さん!雪さん綾さん良かったらうちのお風呂に入っていってください。温泉もありますよ!」
「いいね!入らせてもらおう!雪ちゃん!」
「そうだね、かなり汗かいたし。お願いしようかな。」
「はい、それじゃこっちよ。」
そうして雪たちは風呂に向かうことになった。
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