2章31話 暗躍と日常
「あれー?呪いが解除された?ちょっとおかしいな。解呪されたわけじゃなさそうだ。欲しかったんだけどなー予知と未来予測!まあ、いいや!また今度他のも見るついでに貰いに行こう!その前にアイツから頼まれた事をしてしまおう!いやー実験と仕事を両立するなんて僕って天才ー!」
黒ローブの視線の先には魔物と魔防隊の姿があった。
◇
ずっと立ち尽くしているわけにもいかない。意を決して怜は話しかける。
「雪さんは大丈夫ですか?後遺症があると聞きましたが。その、血を吸っていることと関係が?」
話しかけると雪に一瞬恍惚として色気のある眼差しで見つめられるとドキッとする。
すぐにまた吸い始めたが。
代わりに雪に血を吸われている綾が答えてくれた。
「なんか能力を無理に使いすぎたりするとこうなるみたい。紅さんが言うには今までも何回かあったらしいんだけど誰かに直接飲ませてもらう事は初めてらしいから何か心境の変化でもあったのかも。」
答えてくれた綾の顔を見ると貧血気味なのか、顔色が青を通り越して白くなっていた。
「流石に血を吸いすぎているようです。顔が疲れて来てますよ。代わります、元は私のせいですから。」
「そう?私はまだ大丈夫だけどそう見えるなら代わってもらおうかな。私が体調崩しても雪ちゃん気にするだろうし。」
優しく綾が雪を引き剥がして怜が代わりにベットにいる雪の前に行く。雪は口が綾から離れると「あ……」と悲しそうな声を漏らす。
「あや?もうくれないの?」
呼び止められて少し戻りたくなる綾を止めながら
「雪さん、私の血を飲んでください。気の済むまで。私と妹を助けてくれてありがとう。」
そう言うと雪を抱きしめながら顔の前に腕を出す。
「いいの!ありがとう!カプッ!おいしぃーコクコクぷはぁ」
「ゆっくり飲んでね、まだまだあげますから。」
若干幼児退行している雪を見て母性本能がくすぐられた怜は綾同様少し、興奮した。
(どうしましょう、綾さんが顔色が悪くなるまで吸わせていた理由がわかります!ぼ、母性本能が刺激されるッ)
◇
「ほんっとうに申し訳ない!2人の血を吸っちゃって。これからは気をつけるから!」
理性を取り戻した俺は朧げにある記憶から綾と怜の血をかなり吸った事を謝った。
まさかあんなに理性のタガが外れるなんて……しばらく鬼の力は使いすぎないようにしよう。綾たちに申し訳ないし、恥ずかしくて死にたくなる。
「いいのいいの。それに頑張ったんだからゆっくり休まないと。今度また吸ってもいいよ?」
「私もお礼したいし吸いたくなったら吸っていいですよ。今度妹を連れてまた会いに来ます。その時までに私にしてほしい事を考えておいてください。」
そんなに吸わないよ!?そういえば吸ってる時の俺どんな感じなんだろう。なんだか高熱にうなされているときみたいな気分で覚えてないんだよな。
「そう言えばあまり覚えてないんだけど血を吸ってる時の私変じゃなかった?かなり欲望に忠実になってた気がするんだけど。」
2人に聞くと2人は顔を真っ赤にして顔を逸らした。えっ本当に変だったのか!?何した俺!
「ねぇ!暴走してる時私どんなだったの!?何で顔逸らすの!?私何言ったの!?」
「それではまた明日、サヨナラ!」
怜は恥ずかしくなって逃げるように帰っていった。
後書き
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