2話:幼馴染の海

ピピピピピピピピピッッッ!!


「ん、んんぅ…もう朝かぁ」


カチッ… うるさいので目覚まし時計を止める。そういえば昨日はいつ寝たんだっけ…?あっ…そうだ!エターナルの2期生募集に合格したんだ!

それで… あぁ…女性VTuberになるんだった。

昨日は勢いよくやりますとマネージャーさんに言ったけど、やっぱり不安だなぁ…


「いや、こんな事思っててもしょうがないから顔を洗いに行こう!」


――――――――――


洗面所で顔を洗ったので、リビングの扉を開けた。


「あっ、るいちゃんおはよう。朝ご飯もう出来てるわよ」


「お母さんおはよう」


リビングのテーブルには朝ご飯が並べられてあった。やっぱりお母さんの料理は美味しそうだなぁ。


「「頂きます」」


2人で朝ご飯を食べ始める。この家族は3人家族だが、お父さんは朝早くから仕事に行くので、朝ご飯はいつも2人で食べているんだ。


「そうだ!お母さん、僕エターナルの2期生募集に合格したよ!」


「あら、そうなの?るいちゃんおめでとう!」


「だけど…僕女性VTuberになるんだよね…男なのに…」


「まぁるいちゃんは可愛いからねぇ」


「お母さんまで… これからやっていけるか心配だよ…」


「るいちゃんなら大丈夫よ。るいちゃんの長所は何事も最後まで頑張るところだからね!」


「お母さん… ありがと!頑張るよ」


「「ごちそう様でした」」


朝ご飯を食べ終えたので、歯を磨いた。その後制服に着替えて家を出る準備が整ったので、玄関のドアを開けて家を出ていった。


「行ってきます!」


僕は今高校2年生で、西隣高校に通っている。西隣高校は徒歩20分の距離にあって近いので選んだんだ。


――――――――――


学校に到着したので、玄関で靴を上履きに履き替える。僕のクラスは2-3で教室は2階にあるため、階段を登り教室の扉を開けた。


「おはよう!」


「「「あっ!おはようるいちゃん!」」」


クラスメイトが挨拶を返してくれたが…やはりちゃん付け…


「おはよう、るい」


「!! おはよう、海!」


今挨拶してくれたのは、僕の幼馴染の小林海。

爽やか系のイケメンで高身長、僕の事を唯一男扱いしてくれる、優しい奴なんだ。


「海、あのさぁ…」


――――――――――


「へぇ〜、それで女性VTuberってのになるんだな」


「うん、そうなんだよ…」


海はVTuberに興味がなく、それに口が堅くて信頼出来るので、僕がVTuberになるのを話した。


「まぁ女性演じるのは、精神的にきついとこあるだろうから、辛かったら俺に言えよ。気分転換に遊びに連れて行ってやるよ!」


「それ、海が遊びに行きたいだけでしょ… でもありがとね」


「おう、幼馴染だからな!いつでも頼ってくれ!」


「うん…」


――――――――――


午前の授業を受け終わり昼休みの時間になった。僕はいつも海と中庭でご飯を食べているんだ。


「お、おはようですわよ!」


「いや、それはお嬢様の口調だろw」


今、僕は海とご飯を食べながら女性の口調と女性声の練習をしている。


「うーん、もっと上目遣いで「お、おはよう…」て言ってくれ」


「う、うん分かったよ!」


「お、おはよう…」


僕は海が言ったとおりに上目遣いで言った。…けど、上目遣いをする必要あるのかな…?これ


「ッ!! あ、あぁ…良かったぜ…!!」


「か、海どうしたの?顔赤いけど…」


「い、いや何でもないなら! …っあ!もうすぐ昼休み終わるぞ!教室に戻ろう」


「も、もうそんな時間かぁ…」


僕と海は教室に戻った。


――――――――――

〈海視点〉


はぁ…危なかった…

るいに顔赤くなった理由がバレなくて良かった

にしても、あいつの上目遣い威力有りすぎるだろ… 男なのに照れてしまった…


てかあいつVTuberってのになるんだよなぁ

俺今まで興味なくて観てなかったけど、るいに頼れよって言ったからには、少しくらいは観といた方がいいのかな…


それにしても…本当にあいつの上目遣いは………

「…い……かい………おい、海!!」


「…ッ!?は、はい!」


「なにボーッとしてるんだお前、ちゃんと私の授業を聞きなさい。」


「す、すみませんでした!」


ヤッベ、考え事してたら怒られたな…


まぁ家に帰ったら、早速VTuber観てみるか








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