応援コメント

Ⅶ. 飛翔」への応援コメント

  • 重ね重ね、ええと、なんでしょう。
    私は、表面を読めば執着のほぼほぼを占め二人を縛り付け蛇蝎のごとく絡みついた、ワルイヤツの若旦那にも憐憫を禁じ得ないです。

    支配に飽き足らず莫大な金を出しました。
    痛めつけました。
    服従させた筈ですね。しかし乾きが収まらぬのでしょう。そんな己に怒り、怒ってしまう自分に苛立つので、もう二人をなぶりになぶるのですが、ちっとも優越した気がせぬ。
    思いつく限り己の優位を絶対に示しているはずなのに、何故こやつら屈せぬと、彼の知性が彼自身に教えてしまうので、彼もまた生きながら焼かれている心地でないでしょうか。
    まあ勝手な思い入れなんですが。
    彼は彼で真に狂ってしまえれば幸福だった気がします。

    作者からの返信

    秋島さま。またもや素敵な応援コメントを残していただき、誠にありがとうございます。
    若旦那についてそのように仰っていただけて、本当に深くこの物語を読み込んでくださったことがひしひしと伝わりました。ありがとうございます。
    作者も、若旦那のことはただの悪役としてではなく、この物語の影の主人公、そして我が子のように思っております。
    彼は四人兄弟の長子なのですが、その中でも特別頭のいい子でした。そして幼いうちに、父親が自分以外の、しかも奴隷の子供へ歪な愛を向けていることを知り。すぐ下の妹であるシエルも、その容姿のために特別両親に愛されていました。そこから彼は、徐々に己の渇きにじわじわと侵食されていってしまったのでしょう。
    そして、主人公二人のアンフェールとシエルを愛し、彼らをいたぶることで渇きを埋めようとしたのかもしれません。そして、愛し方が間違っていることも聡い彼は当然わかっていました。けれど、そうやって愛さずにはいられないほど、あの二人のことを彼は深く愛していました。
    物語中の彼は、「自分は誰にも愛されていない」という認識のまま終わりを迎えます。ですが、彼もまた歪ながらも「愛」に生きた、誰よりも人間臭い人だったのではないかとも思っております。
    長々と失礼致しました。若旦那は、作者の中でも思い入れの強いキャラクターの一人でしたので、秋島さまの若旦那へのお言葉に、思いがげず感激してしまいました。
    改めまして、重ねて深く感謝申し上げます。本当に嬉しい限りのお言葉の数々、ありがとうございました!

    編集済