第2話 僕は邪魔者
父が違う人を妻と呼んでいる姿はとてつもなく僕には気持ち悪く思えた。
それはきっと父に対して憎悪があるからだと思ったからだった。
僕の名前は山藤秋になった。昔は母の姓である藤木を名乗っていた。だから、今でも体操着の苗字は藤木のままだ。今更、マジックで2本線を引いて山藤に直すのもめんどくさい。
二代目の母は昔の母より忙しくはなさそうだ。
でも、彼女は父のようにタバコも吸うし、お酒も飲む。
僕が家にいると邪魔な目つきでこちらを睨むのだ。
だけど、父の前では一応母親ズラをする。
彼女が僕の前で言うことは1つだけ。
『どこか言ってくれない。もう少し遅く帰って来て』
きっと僕がとても邪魔なのだろう。
そんな僕は彼女の言う通りにして、公園で暇つぶしをしている。
そんな時に、僕のそばに来るのは藤堂優太だった。
彼は僕に居場所がないことを知っていた。
彼はいつも寂しそうな僕に話しかけてくる。
今日の話は噂話だった。
『なあ、この先の使われてない電話ボックスでお金入れて194って押すとあの世に繋がるんだってよ。会いたい人と会えるらしいんだ。それで、実際に会えた人がいるらしいよ。まあ、噂なんだけどな』
僕は嘘だろと言ったが、藤堂は本当だと言った。
僕は暇つぶしも兼ねてその電話ボックスに行ってみることにした。
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