14 小梅崎さんと幼女達と途中報告
「かれんねー、えほんよんでー」
「いいよー、一緒に読もうねー」
「にーたまー、ぎゅってしてー」
「まなもー」
「よーし、この後絵本でも読むぞー」
「「あーい」」
絵本や遊具がある部屋で俺と小梅崎さんと一緒に、三つ子幼女と戯れている。
今日は由奈が彼女に絵本を読んで欲しいと頼んできたようだ。
もちろん子供が好きな小梅崎さんは笑顔で由奈のお願いを受け入れる。
一方で、俺の方にも陽愛や愛菜がギュっと抱き着いてきたので、優しくギュってしてあげているところだ。
もちろん、その後で絵本を一緒に読む予定だ。
「ホントにこの子たちは可愛いよね。 仕草が小動物みたいで癒されるよ」
「だろ? この子たちのおかげで新たな高校生活が楽しく過ごせそうだしな」
「ああ、失恋のタイミングがアレだったしねぇ」
暫く絵本を読んでいた小梅崎さんが由奈と戯れながらそう言った。
俺も素直な感想を口にした。
「かれんねーたま、つみきしよー」
「よーし、一緒にがんばろうね」
「由奈や愛菜も積み木するか?」
「「うん!」」
そして、今度は陽愛が小梅崎さんに積み木をしようと頼んできたようなので、彼女も張り切って積み木をするようだ。
俺も別の場所から積み木を持って来て、由奈や愛菜にもやるかと聞いたら、笑顔で返事をしてくれたので、早速遊ぶ。
午前中はこんな感じで三つ子の妹たちと沢山遊び、由佳里母さんが作った昼食を食べた後は、三つ子の妹たちはお昼寝をするのであった。
「なるほどね。 追放と絶縁かぁ」
「ああ、かなり前に中学生の友人から連絡が来てな。 それで知った」
「悪山の本性が危険なのは認めるけど、追放や絶縁までしなくてもねぇ」
「今回、どうも羽田の友人と悪山も同伴していたらしい。 しかも、その友人が俺と別れさせて悪山と付き合うように仕込んだらしい」
「うわぁ、それでかぁ。 余計な事をしたもんだねぇ」
「あの友人は見た目で付き合うべきと言うイケメン至上主義みたいな歪んだ考え方をしているからな。 羽田にも徹底的に仕込ませたらしいとは俺の友人の話」
「なんとまぁ……」
陽愛達がお昼寝をしている最中に、二階の空き部屋に俺と小梅崎さんは三太から教えられた情報と共に色々と話をしていた。
羽田の両親の行き過ぎた行為に表情を歪めながら、そうなった原因も聞いてため息をついていた。
「それで、彼女は今後どうなるんだろうね」
「そこまでは分からない。 ただ、状況次第で俺と寄りを戻そうとして俺の元に来る可能性が強い」
「受け入れるのかい?」
「いや、俺は一度振った相手を受け入れるような器の大きい男じゃないからな」
「そっか……」
幼馴染の羽田が寄りを戻そうとしてくるかもという話に小梅崎さんは受け入れるのかと聞かれたが、俺はそのつもりはない。
それを聞いた小梅崎さんはどこか安心したような様子だったが……。
「おっと、そろそろお昼寝が終わりそうだ」
「そうだね。 そろそろ陽愛ちゃん達の傍に居てあげないとね」
もうすぐ陽愛達が起きそうなので、急いで陽愛達のいる部屋に戻ることにした。
色々あるだろうけど、今はこの時間を大切にしないとな。
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