最も守りの強かったエリアを突破し、ついに宝箱の前に辿り着いた。


 そこでアスランが急にがくりと膝をつく。


「……ど、どうしたの?」

「知ってるか? こいつら、この街で一番食料を蓄えてるって言われてたんだぜ」


 見ると、箱の中には携行食と缶詰が申し訳程度に入っていた。


 その代わり、酒とドラッグらしきものは大量にあった。


「終わりだな。酒で腹が膨れるかっての」


 さらに深く項垂れるアスラン。


「……いや。これがあれば、また1月ひとつきは生きられるよな……?」


 無理やり元気を絞り出しているみたいだった。


「……よし! 帰るか」


 気を取り戻したアスランと僕は持てる荷物を背負い袋に詰め込んだ。


 アスランの指示で、一旦戦利品を他の場所に隠してから彼の妹が待つ家に向かった。

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