第240話 すっかり嵌った!

 聖域…。この場所の事を言っているようだが、広場の外に住む者達にとって、この場所は"最奥"とも違う場所だという事だろうか?


 「ねぇ、ラフマンデー。君以外の者達もこの場所を聖域って呼んでるの?」

 〈勿論で御座います!我等が偉大なる主様が住まう神聖なる場所なのです!ご覧ください!この地に植えられた花達や"死者の実"の樹木を!皆歓喜に打ち震え活力に満ち溢れております!〉


 あー…そういえばオーカムヅミの名前の事、皆にはまだ話していなかったな。ちょうどいい機会だから説明しておこうか。


 「ラフマンデー。それから皆も聞いてもらえる?皆が"死者の実"と呼んでいる果実に、新しく名前を付けたんだ。これからはその名前で呼んで欲しい。」


 そうだ。ラフマンデーもここの住民となったのなら、おすそ分けしないと。

 しかしゴドファンスから今日は何かを振る舞う事を止められている。ラフマンデーだけでも渡してあげられないだろうか?


 〈ううむ。確かに、この地の一員であるならばあの果実は口にすべき…。おひいさまが我等を対等に扱うと言うのであれば、あ奴も口にするのは至極当然の事…。分かりました。ですが、あ奴にだけですぞ?〉


 良し。許可は下りた。早速『収納』からオーカムヅミを一つ取り出して鰭剣で皮を剥いていく。

 少し果肉が姿を見せた時点で、辺り一面い甘く濃厚な香りが漂ってきた。皆の視線が私に集まる。


 現状、"楽園"でオーカムヅミの外果皮を破壊できるのはまだ私だけだ。私が旅行に行っている間、この子達はオーカムヅミを食べられないのだ。

 ただ、糸口は掴んでいるようで、自力でオーカムヅミを食べるために皆日々修練に励んでいる。ラビックやホーディは、近い将来自力で食べられるようになるんじゃないだろうか?


 そうだ。ついでだから、今は尻尾カバーを仕舞っておこう。謁見をするわけでもないし、今はつけておく必要が無いのだ。


 果実の名前が気になったのか、ホーディが私に訊ねて来た。


 〈それにしても、"死者の実"に新たな名前か…。主よ、あの果実にどのような名を付けたのだ?〉

 「この果実の新しい名前はオーカムヅミ。ヴィルガレッドとルイーゼに付けてもらったんだ。」

 〈なんと、あの御二方からですか!それは大変名誉な事ですなぁ!では、儂等も今後はオーカムヅミと呼ぶ事に致しましょう。〉


 この果実をオーカムヅミと呼ぶ事に、皆異議は無いらしい。

 ただ、ラフマンデーはヴィルガレッドやルイーゼの事を知らないのだ。ゴドファンスが敬っている以上、自分よりも上位の存在だという事は理解しているようだが、他のみんなと比べて話についてこれないでいる。


 〈主様。そのヴィルガレッド様とルイーゼ様と言うのは、どのような方々なのでしょうか?〉

 「ヴィルガレッドは多くのドラゴン達が住まう"ドラゴンズホール"の主で、竜帝カイザードラゴンと呼ばれている巨大なドラゴンだよ。ルイーゼは、あの崖のずっと向こうにある魔族の国の主で、私の友達なんだ。」


 ラフマンデーもドラゴンや魔族の存在は理解しているようだ。彼等の主がどれだけの存在か、漠然と理解できたらしい。

 オーカムヅミがそんな超常の存在に名付けられたと理解してゴドファンス同様感激している。


 とりあえず、皮を剥いたオーカムヅミの実をラフマンデーに渡してしまおう。


 〈おお…!それほどの方々が名付けられるとは…!あ、主様!?〉

 「はい、どうぞ。コレは君の物だよ。存分に堪能すると良い。」

 〈おおお…っ!?何と…何と光栄な事でしょう…!?主様に仕えて早々に至高の果実を賜る事が出来るとは…!〉


 皮を剥き終わったオーカムヅミの実をラフマンデーに渡すと、彼女は非常に驚いている。私の身内なのだから、彼女にもしっかりと味わってもらわないと。

 それはそうと、果実の方が彼女よりも大きいのだが、彼女は問題無く抱えて宙に浮かぶ事が出来ているな。彼女には紺の魔力があるから、果実の重量を無意識の内に減少させているのかもしれない。


 ううむ。それにしても、やはりラフマンデーの反応はシセラやジョッシュのような巫覡ふげきの反応によく似ている。受け取ってはくれたが、そのまま自分の住処に飾ってしまいそうな勢いだ。


 〈主様。わらわは早速オーカムヅミの樹に巣を作り眷属を生み出そうと思います。そして妾が住まう最も大きな巣にこの至高の果実を祭り立てさせていただきます…!〉

 「いや、それ、いくらでも用意出来るから、食べて欲しいんだけど…。」


 やはり飾ろうとしてたのか。保存の魔術でも使えるのかもしれないが、飾るために渡したのではないのだ。私の意図を伝えておこう。


 オーカムヅミを食べて欲しいと伝えれば、ラフマンデーは奇声を上げながら果実ごと激しい動きで辺りを飛び回り、喜びを体現しだした。


 〈ほあああああ!!ひょおおおおお!!きぇえええええ!!〉

 「あの子、どうしよう…。」

 〈そっとしておいてやればよろしいでしょう。あ奴にとっては、これ以上ないほどの品を下賜されたも同然なのですからな。そのうち平静を取り戻すでしょう。そうでなければ困ります。〉


 なかなかに淡白な反応である。だが、彼女が作り出すハチミツに関してはゴドファンスもとても楽しみにしているようだ。あちこち飛び回るラフマンデーに、期待の眼差しを向けている。


 結構な時間が経っている筈なのだが、尚も喜びを抑えきれずに奇声を上げながら高速で周囲を飛び回るラフマンデーは、しばらく好きにさせるとしよう。

 今後の事を皆に話しておかなければ。



 三日ほどしたら再び別の国へと旅行に行く事を伝えると、もう少しゆっくりしてみたらどうかと勧められたが、今回はそうはいかない理由がある。


 「どうやら、この世界を亡ばそうとしている人間達の組織が、複数存在しているみたいなんだ。あの連中の手がかりが無いわけでは無いから、早いところ調査してしまおうと思うんだ。」

 〈この世界を、か。だとすれば、主の明確な敵、と考えてよさそうだな。〉

 「うん。拠点を見つけ次第、一気に滅ぼすつもりだよ。」


 私の言葉に一切の躊躇いが無い事を把握し、ラビックが確認を取ってきた。私が以前皆に話した内容を、この子はしっかりと覚えているらしい。


 〈姫様、よろしいのですか?確か、徒に命を奪わない事をルグナツァリオ様と約束した筈では?〉

 「そのルグナツァリオが了承してくれた事だからね。それと、あの連中が何故世界を滅ぼそうとしているのかも調べるつもりだよ。」


 この世界を滅ぼすという事は、私の快適な生活を脅かすのと同意議である。また、連中の好きにさせてしまえば多くの命が失われる事にもなるので、五大神達にとってもあの連中は排除対象に該当するのだろう。


 古代遺物アーティファクトによって拠点の位置を上手く隠蔽しているためか、神ですら把握しきれていないようだが。

 ひょっとして、"蛇"が常に自分の周囲の空間を歪ませていたのは、ルグナツァリオの監視を潜り抜けるためだったのだろうか?


 まぁ、今の私には通用しないのだ。深く考える必要は無いだろう。


 〈海ってどんな感じなのかしら!?〉〈空から見ても水しかないってどんな感じなのかしら!?〉

 〈魚も川の魚と海の魚で違うらしいんだよね。どんな味なのかな?〉

 〈ご主人!魚を此処で育てる事って出来るかな!?〉


 アクレイン王国について話をすると、やはり皆の興味は海に向かった。"楽園"にもいくつか湖はあるが、辺り一面全て水という環境を想像出来ないのだろう。

 私にも出来ない。残念ながら海を撮影した写真を、ティゼム王国でもファングダムでも見つける事が出来なかったからだ。海の景色を見るのも今回の旅行の楽しみでもある。


 散々お説教を受けた事で今日一日気落ちしているかと思ったウルミラが、魚をこの場所で育てられないかどうかを提案してきた。

 適切な環境をこちらで整えて魚を育て、数を増やして食べるつもりでいるようだ。本に載っていた養殖というやつだな。


 「出来ない事は無いだろうけど、難しいんじゃないかな?育てるのには専門的な知識が必要になりそうだし、遊ぶ時間も少なくなるだろうしね。」

 〈きゅぅう~ん。〉


 とても残念そうにしてうなだれている。

 仕方が無いのだ。今の状況で魚の養殖を始めようとした場合、管理する者が必要になるからな。私達で魚の面倒を見る事になる。


 そうなれば、自分の時間が減ってしまうのは当然の帰結である。魚の養殖をする場合、専門的な知識を私が得た後になるか、ラフマンデーのように知識や経験を持つ者にここに生活してもらう必要がある。


 魚が食べたいのだろうか?後で川まで行って捕ってこようか?いや、これも振る舞う事に入るのか?

 などと悩んでいたのだが、ウルミラの提案は今魚が食べたいとか、そういう事ではないらしい。


 〈海の魚が川の魚と違うなら、食べたくなったらその度に海に行かなきゃいけないでしょ?ここで育てられれば、その手間も省けるからいいかなぁ…って思ったの。〉


 なるほど。確かにその通りだ。きっとアクレインで食べる魚料理は絶品だろうからな。また食べたいと思うのは確実だ。

 私ならば時間を掛けずに移動出来るが、手間である事に変わりは無い。ここで養殖が出来れば、生活が更に快適になる事だろう。


 良いかもな、養殖。アクレインにその知識があるかどうかは分からないが、向こうに行ったら養殖の知識を…。


 いや、待てよ?サウズ・ビーフを始め、人間達は非常に美味い動物を自分達の手で飼育しているのだ。そういった食用の動物をここで飼育するのも良いな!畜産業だ!目指すはサウズ・ビーフを越える味の牛肉だ!


 …と意気込んでみたのはいいが、どう考えても今の私達では知識も手数も足りていない。

 いや、手数に関しては『幻実影ファンタマイマス』である程度は解決できるかもだが、それは何か違う気がする。


 家畜の面倒を見るのは楽しいかもしれないが、私は快適な生活を送りたいのだ。

 畜産をする場合も、やはり知識と技術を身に付けた管理者が必要だ。


 魚の養殖でも畜産でも、最適なのはやはり人間なのだろうが、彼等ではここで生活できないだろうからなぁ…。しばらくはどちらもお預けになりそうだ。


 と言うか、だ。畜産を行う場合、何を育てるか、だ。間違っても"楽園"の住民を食べるつもりは無い。例え彼等がその身を差し出してきたとしても、だ。

 だからここで家畜を育てる場合、"楽園"の外から連れてくることになるのだが、果たして連れて来た家畜はこの環境に耐えられるのだろうか?


 …"楽園"と同じような環境の魔境に生息している魔物なら行けるか?

 試してみる価値はありそうだな。魔境の近くの国へ旅行に行く事になったら、足を踏み入れてみよう。

 残念ながらアクレイン王国の近くには魔境は存在していないので、今回は見送りである。


 いつの間にやらラフマンデーも会話に加わっていた。オーカムヅミの実は所持していない。どうやら既に巣を一つ作り上げ、そこに果実を保管しているようだ。

 彼女は少しだけ果実を口にしたのか、非常に恍惚としている。


 〈凄く美味しいでしょ?何時かはコレでお酒も造れたらなぁって思ってるの。〉

 〈ハチミツも期待してるのよ!〉〈果実とハチミツでお菓子を作るのよ!〉

 〈至福っ!至福ぅうううううっ!!これほどの甘露を味わえるとはあああ!!〉

 〈ソイツ、大丈夫なの?〉

 〈放っておいて良いでしょう。時期に慣れるでしょうし、おそらくは何かあるたびに彼女は今のような反応をすると思いますよ?〉


 私達の元に来ただけで理性を取り戻したわけでは無かったようだ。

 まぁ、言葉を発する事が出来ているだけ、奇声を上げていた時よりはマシになっているだろう。ラビックの言う通り、放っておこう。



 今後の予定は説明した。今日一日は自分達に何も振る舞うなと言うのであれば、この子達に絵画を見てもらうとしよう。


 見せるのは勿論、ネフィアスナが描いてくれた私の絵画だ。この子達はどんな反応をするだろうか?

 絵を描く事に優れた人間に、私の絵を描いてもらったと伝えてから、『収納』から受け取った絵画を取り出して皆に見せる。



 全員黙ってしまった。先程までオーカムヅミの味を絶賛して恍惚としていたラフマンデーさえもだ。

 しかも全員ピクリとも動く気配が無い。先月お土産の装飾品を渡した直後に固まってしまったレイブランとヤタールと全くと言っていいほど同じ状態である。


 〈これが…人間の技術というものか…実に見事だ…。〉

 〈儂はどうやら、人間を過小評価していたようですな…。コレは我等では作り出せませぬ…。〉

 〈うん。私もコレはちょっと表現できない。精々似せることぐらいかな?人間って凄いんだね。〉


 絶賛してるな。仲良くなった人間をこの子達が評価してくれると、何だか私も嬉しくなってくる。


 ―んー?何か静かになったねー。どうかしたの~?―


 おや、周囲の環境の変化にヨームズオームが気付いて目を覚ましたな。この子にも絵画の感想を聞いてみよう。


 「人間に貰った絵画を見てもらったんだよ。ヨームズオームから見て、この絵はどうかな?感想を聞かせてくれる?」

 ―ふぉおおお~…すっごくキレー…。―


 ヨームズオームも感動してくれているようだ。つまりこの絵画にはこの場にいる全員を黙らせてしまうほどの魅力がある、という事だ。流石だな、ネフィアスナ。


 そうだ。彼女が実際にこの絵画を制作するところを、皆にも見せてあげよう。以前カンナにもやった事なので容易に出来る事だ。きっと驚くぞ?



 ネフィアスナが絵画を制作する光景を皆に見せてあげたところ、かなりの好評を得る事が出来た。

 と言うか、中には彼女をここまで連れて来て絵を描いてもらいたいと言う、やや過激な意見まで出てきてしまった。


 流石にそれは無理だ。ネフィアスナはあくまで一般的な人間だ。この場所はおろか普通の魔境ですら足を踏み入れるのは危険である。

 まして彼女は子を宿した体である。そして以前に側室とは言え、王族なのだ。安易に城から連れ出す事など出来るわけが無い。


 幸い、彼女の魔法、『色彩の魔弾』は原理を理解したので再現すること自体は可能である。尤も、彼女のように舞を踊りながら絵画を作製するのは今の私には出来そうにないが。

 情報の処理能力などの問題ではなく、センスを問われる技術のためだ。舞の動きや魔法を再現できたところで、センスが無ければあの芸当は実現しないのだ。


 さて、絵画の次は音楽だ。一応ラフマンデーとヨームズオームを除き、皆絵と言う概念は理解していたが、音楽と言う概念はどうだろうか?

 少なくとも、私はフルルで耳にするまで経験した事が無かった。


 楽譜の内容は頭に入っている。まずは一つの楽器を用いて演奏しよう。好評だったら『幻実影』を用いて複数の楽器で演奏してみよう。

 実を言うとまともに楽器を奏でるのはこれが初めてだ。上手く奏でられるかどうか、少しだけ緊張する。


 使用する楽器は弓と呼ばれる道具で楽器に張り詰めた弦をこする事で音を出すビオラと呼ばれる楽器だ。


 演奏する曲は、静かな旋律のものにしよう。今のこの子達の雰囲気を壊したくは無いからな。


 演奏を始めてから十数秒で絵画に集中していた皆が私の傍まで集まってきた。

 近づいても近づかなくても音が聞こえる筈なのだが、より近くで演奏を聞きたいらしい。


 それだけ気に入ってくれたという事だろう。とても嬉しい。私の演奏を気に入ってくれたのももちろん嬉しいが、この子達が音楽に感動を覚えてくれた事がとても嬉しいのだ。


 音を出して旋律を奏でれば、それはもう立派な音楽なのだ。その気になれば楽器はいらない。皆にも音楽を奏でる事が出来るのだ。


 いずれは皆で音楽を演奏し合うのも良いかもしれないな。

 だが、今は楽器を奏でてこの子達に音楽を伝え続けよう。私自身、演奏と言う行為が楽しくて仕方が無いのだ。


 皆は途中で飽きてしまうかもしれないが、私が満足するまで付き合ってもらうとしよう。



 十分に演奏を楽しみ、気付けば日はとっくに沈み、周囲は真っ暗である。夢中になり過ぎていたようだ。

 各々適当に食事を取ったら、風呂に入って今日は寝るとしよう。



 皆は相当に昨日の音楽を楽しんでくれたようだ。珍しくどこにもいかずに私の傍にいてくれた。

 皆言葉には出していないが、私に音楽を演奏して欲しいようだ。


 そんなわけでアクレイン王国に向かうまでの間、私はひたすらに音楽を演奏し続けていた。単独で演奏する事もあれば『幻実影』の幻を利用した、複数の楽器を用いた演奏も行ったりもした。


 ついでだから、自分の演奏に合わせて楽器を持たせていない幻に音楽に合わせて舞を躍らせてみた。

 意外な事にコレも皆には好評だった。音楽に合わせて体を動かす事もまた非常に楽しく、あっという間に時間が過ぎ去ってしまった。


 危うくウルミラにご褒美のフルーツタルトを渡しそびれるところだった。勿論、渡したフルーツタルトは大好評だったとも。後で皆にも同じ物を振る舞い、とても喜ばれた。

 夢中になって食べる姿が皆とても可愛らしく、非常に眼福だった。



 音楽の演奏や踊りに夢中になっていたらあっという間に三日間が経過してしまったのである。


 まだまだ音楽を奏でたり舞を踊ったりしていたいのだが、アクレイン王国や"魔獣の牙"を放っておくことは出来ない。

 音楽の演奏も旅先で行えるのだ。そろそろ次の旅行を始めよう!

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