第188話 魔法剣

 日が変わり、私達は新聞に目を通しながら朝食を摂っている。

 驚いた事に、ゴルゴラドの朝食はこれまで宿泊した宿とは異なり、夕食と同様のメニューがあり、好きなものを選んで注文する事が出来たのだ。


 朝から味の濃い肉料理を堪能する事が出来るのは、私にとっては嬉しい内容なのだが、どうやら人によっては胃の調子が整っておらず、ボリュームのある食事は控えるようにする者もいるようだ。


 私はともかく、オリヴィエもそう言った事は無いので、昨日注文しなかった料理を注文して、存分に肉料理を楽しませてもらった。

 まぁ、彼女は元がやや小食気味なのと、太ってしまう事を警戒して、あまり量は食べなかったが。


 今日の新聞にはやはりというか何と言うか、私の事だけでなくオリヴィエの事も大々的に取り上げられていた。

 見出しには[『姫君』様と聖女様]と記載されている。

 記者達にもオリヴィエが変装した姿だとは気付かれていないのは幸いだが、これによってあまり軽率な行動は出来なくなってしまったかもしれない。


 注目を浴びるという事は、仕草や言葉遣いにも注意を向けられる事になるだろうからな。ちょっとした事が原因で、彼等の良く知るオリヴィエと今の彼女が結びついてしまう可能性がある。


 「こ、こんなに目立ってしまうだなんて…。」

 「この街での坑夫達の言葉の影響は大きいだろうからね。彼等が皆してリビアのファンになったとなれば、大々的に取り上げないわけにはいかないさ。」

 「バレてしまったりはしないでしょうか…?」


 何とも言えないな。もしかたら、変装に精通してかつオリヴィエの事を良く知る人物ならば、この新聞に載っている彼女の写真を見て、彼女の素性に気が付いてしまうかもしれない。


 そう言えば、変装が得意なメイドがいるとオリヴィエは以前言っていたな。

 あの時の会話の内容から親しい間柄だったようだし、そのメイドならば気づいていてもおかしくないのか?

 だとするのならば、王族にオリヴィエの事を黙ってくれているとありがたいのだが、果たしてどうだろうか?


 「リビア、以前貴女が教えてくれた変装が得意なメイドがこの新聞記事を見て貴女だと気付いた場合、それを他の王族に伝えると思う?」


 訊ねられたオリヴィエは顔を俯かせ、右手を口元に当てて黙り込んでしまった。自身の知るメイドの行動を模索しているようだ。


 「おそらくですが…伝えないとは思います。彼女、カンナは私の専属と言うわけではありませんでしたが、察しの良い人ですから。もし私だと気付いても、私が変装をしていて、かつノア様と行動している事で、何か事情があると思ってくれていると思います。」

 「リビアから見て、そのカンナと言うメイドは信用できる?」

 「ええ。小さい頃からの付き合いですから。」


 なるほど。ならば、そのカンナと言うメイドからオリヴィエの情報が王族に伝わる事は無さそうだな。

 私から見ても信用できると判断できたら、事情を説明して協力を仰ぐのも良いかもしれない。協力者になってくれる事を期待しよう。


 そしてもう一つ。今日記載された新聞の内容は、明るい話だけでは無かった。

 王都・レオスの新聞の内容に、少々不穏な内容が記載されていて、それが私に懸念を抱かせたのだ。


 内容は王都・レオスにて、何故かアクレインで幽閉されている筈の人物が頻繁に目撃された、というものだ。

 しかも、その目撃情報は昨日に始まった事では無いと言う。


 件の人物の名はアークネイト=ハイネンス。元アクレインの侯爵令息であり、この国に恨みを持っていてもおかしくない人物だ。


 そう。彼はオリヴィエの兄、レオンハルトの婚約者だった人物の従兄弟であり、オリヴィエによって不正を暴かれ、それが原因で恋人に死なれ、厳重に幽閉されている筈の人物だ。


 そんな人物が何故レオスにいるのか?そしてそれが事実だった場合、ほぼ確実にアクレインでは大きな騒ぎになっている筈だ。


 記事を読んで私が抱いた懸念は一つ。

 ファングダムに恨みを持っている可能性が高いアークネイトが、新聞の目撃情報通り本当にレオスにいて、良からぬ事を企んでいるかもしれない、という事だ。


 「リビア。他国の新聞って読む事は出来ないのかな?」

 「アクレインの情報が知りたいのですね?王都であれば他国の記者ギルドもあるので閲読は可能ですが、残念ながら、そこ以外の都市では…。希望されるのであれば、例の超大規模魔術具を用いて数日遅れで閲読は可能です。ですが、私達の予定で考えた場合は、王都に到着する方が速いです。」


 なるほど。他国の都市すべてに自分達の国の記者を向かわせはしないのか。流石にコストがかかり過ぎるのか?


 ん?まてよ?新聞はオリヴィエの言う超大規模魔術具によって伝達し合っているのは良いとして、それはファングダムでの話では無いのか?

 他の国にもその超大規模魔術具があるというのだろうか?


 「もしかして、他の国の記者ギルドにも、例の超大規模魔術具って設置されていたりするの?」

 「です。流石に国によって技術力が異なるので、全く同じもの、と言うわけではありませんが。」

 「レオリオン2世はその超大規模魔術具を知ったから、情報伝達速度の重要性に気付いてこの国にも配備させた?」

 「です。すみません。説明が足りていませんでした。」

 「いや、それは構わないよ。」


 なるほど。世界中に私の情報が広まっているわけだ。いくら新聞があるとは言え、どうやってそれを世界中に伝達させているのか、少し疑問に思っていたのだ。


 少なくとも、ティゼミアにはティゼム王国の記者ギルドの他にファングダムの記者ギルドもあったようだな。

 それで私の情報が即日ファングダムの王族の元に届いたのだろう。


 それにしても、遠く離れた場所に情報を伝達する道具というのは、何とも突出した技術だな。作った人物に何となく心当たりがある。確認してみるか。


 「あの超大規模魔術具って、誰が作ったのか分かる?」

 「300年前に何処からともなく来た変わった格好をした青年が、その原型を作ったと言われています。志半ばで亡くなってしまい、その方の志に共感を得た同志達が世代を跨ぎながら230年の時を掛け、今の形にしたと伝わっています。」


 やはり"何処からともなく来た人"達が関わっていたか。マコトの事を考えるに、彼等の故郷の文明は余程発展しているのだろうな。


 この星で現在最も発展している軍事国家・ヴィシュテングリンと、どちらの文明が上回っているのか、少しだけ気になるところだ。

 とは言え、それは今気にするところじゃないな。意識をファングダムの問題へと戻すとしよう。


 ちなみに、私が就寝した時点で『幻実影』の幻は解除されてしまっている。結局のところ捜査しているのは私自身だからな。私が寝たら意識が途切れるわけで、幻も当然消失する。


 だが、昨日の時点でこの辺りの金脈から魔物の存在は感知できた。そして魔物の尾らしき先端が確認できたのだ。


 魔物の体がファングダムを囲いゴルゴラドからレオスに伸びていて、尾がこちら側にあるとするなら、当然、もう片方の先端であるレオス側が頭部という事になる。


 今のところ意識がある様には感じられないが、非常に微弱な魔力の波動が不定期に、そして不均一に放出されている事も感じられた。

 体調を崩したり作物に影響が出たりしたのは、この微弱な魔力の波動の影響を受けて汚染されてしまった可能性が極めて高い。


 金脈に勤める坑夫達にも影響が出そうだったので、無断で坑道に侵入している詫びも兼ねて、こっそり魔物の魔力汚染を除去しておいた。



 さて、話を戻してゴルゴラドの観光だ。

 悠長かもしれないが、観光の最中に新たな財源の可能性を見つけられるかもしれない以上、一通り街を見て回るべきだと判断した。

 この判断が原因で問題が起きない事を願うばかりである。


 ……だが、やはり気になるな。

 仕方が無い。昨日の幻をレオスに出現させて、情報収集しておこう。



 さて、今度こそ本当にゴルゴラド観光だ。今日は鍛冶師や彫金師達の作品を見て回ろうと思っている。


 彫金師はともかく、鍛冶師達は力仕事が多いため、やはり彼等もボリュームのある肉料理を好んで食べるようだ。その影響かどうかは分からないが、鍛冶師も彫金師も皆揃ってその体系は筋骨隆々である。


 中には女性の鍛冶師もいるわけだが、彼女達も軒並み筋肉質な体型だった。


 金属を溶かして鍛える鍛造を行う鍛冶師達の工房の気温は、当然周囲と比べて非常に高い。それに加えて力いっぱい高熱の金属をハンマーで叩く作業を行うため、非常に体が熱くなる。

 それ故、彼等は皆薄着である。それは女性も変わらない。


 肌の露出が多いためか、オリヴィエが女性の鍛冶師を見て顔を赤らめていた。

 衣服が汗で濡れた事で、本来ならば見えない、見せるべきではない胸部の一部が見えてしまっている事に、羞恥心を抱いたらしい。


 慌てた様子で『格納』からタオル取り出して鍛冶師に渡し、胸部を隠すように促していた。


 「アッハハハッ!ガイドさんは初心だねぇ!こんなん野郎共に見られる事なんてしょっちゅうだよっ!今更気にするもんかい!」

 「そ、そんなの駄目です…!襲われちゃったりしたらどうするんですかぁ…!?」


 ふむ。確かに一仕事終え、汗にまみれて達成感に満たされている彼女は何処か輝いているように見えて、生物として魅力的に思える。


 なるほど。今の彼女を見て異性が邪な感情を、と言うか情欲の念を抱くのもおかしくないな。


 そして、この鍛冶師にとって、その事は何も問題にもならないらしい。


 「そんな連中、拳骨の一発でも食らわせりゃ、一発で黙っちまうよ!それに、相手が良い男なら大歓迎さ!」

 「えええええっ!?」


 鍛冶師の女性は、人間の中では非常に豪気かつ開放的な性格なのだろう。

 自分に情欲を抱こうとも、彼女は何とも思わないらしい。それどころか、彼女が気に入った相手ならばむしろ歓迎するとすら言っているのだ。


 オリヴィエからしたら信じられない話なのかもしれないな。両手を口元にあてがい本気で驚愕している。


 「情欲の念を多くの異性から抱かれるという事は、それだけ魅力を感じられているというわけだし、誇らしいんじゃないかな?」

 「や、『姫君』サマ?流石にアタシも誰でも良いってわけじゃないからね?」


 それはそうだろう。開放的な事と誰でも良い事はまるで違う。獣だってその辺りは同じだとも。

 彼等も異性に魅力を感じてもらうために様々な方法で求愛行動をとっているわけだが、当然その行動の質にも優劣がある。

 求愛を受けた相手としても、優れた表現をする者を番に選ぶのだ。彼女の感性は至極当然のものと言える。


 「分かっているさ。番に選ぶ相手は、やはり魅力を感じる相手でなくてはね。」

 「そう言う事でもないんだけどなぁ・・・。」


 工房を案内してもらい、商品を見せてもらって悪いのだが、私は金物全般を必要としていない。必要だと感じたら『我地也ガジヤ』で生み出せてしまうからな。


 だが、彼女が打った剣の中でも、ひときわ目立つように壁に飾られている、抜き身の剣に興味を持った。


 出来栄えとしては特別優れているわけでは無い。むしろ、この工房に揃えられている剣は、私が興味を引かれた剣よりも優れた品質の剣が殆どである。


 だが、その剣には非常に強い意思が込められていたのだ。


 込められた意思は、感謝。

 誰に対しての感謝なのかはハッキリとは分からないが、彼女はそれまで打って来た剣とは比較にならないほど真剣に、そして思いを込めてあの剣を打ったのだと思う。


 率直に言って、感銘を受けた。


 「あの剣、凄いね。貴女の感謝の思いがとても伝わってくる。あの感情は、貴女に鍛冶を教えてくれた人に対して?」

 「『姫君』サマって、やっぱすんげぇ人だなぁ。ちっと照れるぜ・・・。」


 恥ずかしそうに頬を指で掻きながら、あの剣の経緯を語ってくれた。


 なんでも、あの剣は彼女が自分の工房を持つ事を認められた際の、一人前の鍛冶師となった事を認められた作品なのだとか。

 あの剣に込められた感謝の思いは、それまで自分に鍛冶のノウハウを教えてくれた、彼女の師匠に対する思いを込めてのものだった。


 込められた思いこそ『感謝』という感情ではあるが、いや、だからこそ、あの剣には人を惹き付ける魅力がある。

 ある意味で、あの剣は魔法を用いられていると言っていい。


 そして私は理解する。

 あの剣ほど強く、かつ動作や行動、現象を差す意思、例えば『燃える』や『切り裂く』などの意思を込められた剣があった場合、それは魔力を込めるだけで実際に込められた意思を発現させる事が出来ると。


 実際にそんな剣が打てるかどうかを検証するために、駄目元で女性の鍛冶師に剣を打ってみたいと聞けば、彼女は快く工房を使わせてくれただけでなく、細かい部分までアドバイスをしてくれた。


 午前中の時間を殆ど使う事になってしまったが、問題無く剣を打つ事が出来た。

 女性鍛冶師からも店売りが出来るぐらいの品質だと太鼓判を押された。


 尤も、私が知りたいのは剣の強度や切れ味ではない。私が知りたいのは、魔力を込めるだけで私が込めた意思の効果が発現されるかどうかだ。

 込めた意思は外見的な変化を避けるため、『加重』の意思を込めた。


 出来上がった剣に魔力をゆっくりと込めていけば、徐々に重量が増していく感覚が腕に伝わってきた。


 成功である。

 マクシミリアンやグリューナが所持していた魔術具の剣、あれを魔術剣とするならば、この剣は魔法剣と呼ぶべき代物になるだろうな。


 面白い事を知れた。

 それは良いのだが、この情報を安易に、個人の鍛冶師に教えても良いのだろうか?そしてそれを教えられた鍛冶師は、納得が出来るのだろうか?


 職人と言う役職を持つ者は、自分の作品に誇りを持っている。自力で得た知識や技術ならばともかく、他者からそれらを与えられ、それによって自分だけが称えられる事に納得できるとは思えない。


 今の私には旅の供がいるのだ。ここぞとばかりに相談させてもらおう。


 ちなみに、私が打った魔法剣はそのまま記念品として譲ってくれた。

 彼女の工房に置いてしまった場合、色々な意味で騒ぎになる事が予想できたので、正直安心した。



 鍛冶師達の工房を離れ、昼食を取りながらオリヴィエに魔法剣の情報提供について相談する。


 「―――と言うわけなんだけど、この情報って教えても大丈夫かな?」

 「……頼っていただいた事は、大変嬉しいのですが…。」


 オリヴィエは頭を抱えてしまっている。まさか、オリヴィエでも答えに詰まってしまうとは…。

 人間達にとって魔法は非常に希少な力だからな。その扱いも慎重にならざるを得ないのか。


 「ノア様。ノア様が知る私達の知らない知識を私達に提供する場合、それが国の規模で提供されたとしても、確実に他国から羨まれ、最悪非難の対象になってしまうかと思われます。」

 「世界中の人間が私に注目している以上、一つの国だけに知識を提供したら、それがあっという間に世界中に知れ渡ってしまう、か…。」

 「です…。その事に嫉妬する国も当然出て来るでしょうし、ノア様に来訪を望む者、そしてノア様の知識を渇望する事になるでしょう。」


 なんてこった…。これでは碌に私が人間達から得た知識を人間達に披露する事なんて出来ないぞ?


 確かに私は人間達の知らない知識を魔術言語の意味を始めとして、多数所有していると自負しているし、それを公開しない方が良いと思っている。

 が、それはあくまで人間達にとって危険なものであると判断したためだ。

 ちょっとした思い付き程度の事まで黙っているような事はしたくないのだ。


 現に、ピリカにはマギモデルを用いた劇をやってみてはどうかと提案した事もあるからな。


 出来る事なら、人間達と共通の話題で存分に語り合いたいのだ。

 しかし、それをするには私の影響力が強すぎるらしい。


 「ノア様。ノア様が将来ご自身についての詳細を世界中に公表するというのであれば、やはり今回の件も・・・。」

 「私の事を世界中に公開した後の方が良いのか・・・。」

 「です・・・。あまりにも衝撃が強すぎます・・・。」


 仕方が無いか。不用意に混乱を招くわけにはいかないだろうし、魔法剣の知識を伝えるのは、今は控えておこう。



 昼食に相変わらずボリュームたっぷりの肉料理を堪能したら、次は彫金師達の装飾を見て回る事にした。

 冒険者達の装備に施される装飾に、興味が沸いたのだ。


 ゴルゴラドの冒険者ギルドに寄せられる依頼には他の街同様、街周辺の魔物の討伐や素材回収、他の街への荷物の運搬や護衛依頼の他にも、金脈に発生する魔物の討伐も含まれる。


 この金脈に発生する魔物達は金の近くで発生するためか、体内に金を含んでいる場合が少なくない。そして金脈から得られた金ではないため、魔物から得られた金は冒険者が回収してしまっても良いらしい。

 尤も、武具の素材として見た金はそれほど優れた素材では無いので、買取と言う形で結局は国に回収される訳だが。


 だが、金は高く売れる。冒険者達にとって非常に良い稼ぎになるのだ。それ故に冒険者の集まりも非常に良い。


 しかし、誰でも簡単に金を稼げるかと言えばそうではない。

 例の地下の魔物の影響か、金脈に発生する魔物は街周辺の魔物よりも強い力を持った魔物が発生するのだ。


 強い魔物と言っても、流石に"楽園"の住民達ほどの力を持った魔物が出現するわけでは無い。だが、それでも軽い気持ちで挑めば、"星付きスター"級の冒険者ですら命の危険にさらされる可能性がある場所なのだ。


 それ故にゴルゴラドに集まる冒険者には腕利きが多い。例え腕利きでなくとも、金脈に関わらない依頼を経て実力を磨き、いずれは金脈の魔物に挑もうと夢見る若い冒険者達も数多くいる。


 ゴルゴラドは、ファングダムの中では最も冒険者達に夢を与えている街なのだ。


 そんな冒険者達の装備に装飾を施しているのがこの街の彫金師達だ。その作品を一部見せてもらった。

 冒険者らしく力や強さを象徴する存在をモチーフにした装飾が多かった。


 特に人気なのは、やはりというか何と言うか、ドラゴンをモチーフにしたものだったな。やはり冒険者というのは、世界共通でドラゴンに憧れを持つようだ。


 本当ならば全ての装飾を見てみたかったのだが、あまりにも数が多すぎるため、一日で紹介できるものではなかったのだ。


 少し残念に思うも、レオスの図書館にはこれまでの全ての装飾が記録された本が蔵書されているとの事。

 ファングダムの問題がすべて片付いたら、是非とも複製して拝見させてもらうとしよう。



 その後は夕食を取って風呂に入り、オリヴィエと今日の出来事について軽く話をした後、早めに就寝する事にした。

 私はともかく、オリヴィエには万全の状態でいてもらいたかったのだ。

 どうにもレオスに不穏な気配がある。もしかしたら、大きな騒動になる可能性があるのだ。


 近い内に、例の地下の魔物が、目覚めてしまうかもしれない。

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