第185話 こっちから行く!

 食事が終わった後、店員にフルーツタルトの持ち帰りが出来るかどうかを確認したところ、1ホール分ならば持ち帰りが出来るとの事だったので、遠慮なく購入させてもらう事にした。明日以降も是非とも購入させてもらうとしよう。


 間違いなく新聞に載ってしまうだろうが、気にするものか。フルーツタルトがそれだけ美味いのだから仕方が無いのだ。

 家に帰ったら、あの果実を加えたうえで私もフルーツタルトを作ってみよう。

 本でレシピは知っているのだ。調理をするための器具も設備も自分の城にある。私ならば、作れない物ではないのだ。



 午後の散策では街にある様々な施設を案内してもらった。

 流石、果物の街というだけあって、陳列されている商品は果物にまつわるものが多かった。


 何と、フルルには楽器を専門に取り扱っている店もあったのだが、その楽器の一部には、果物に似せて作られていた楽器もあったのだ。

 器用な事をするものだ。音の方はどうなのだろうか?


 店員に訊ねてみれば、実際に鳴らしてみても良いと言うので、弦楽器を一つ手に取り弦を弾かせてもらった。


 なお、楽器の中には息を吹き込み、空気の塊を振動させる管楽器、もしくは気鳴楽器と呼ばれる類の楽器も多々あった。

 口をつける特性上、試用した場合、再びオリヴィエからきつく注意を受けそうだったので、試用は控える事にした。


 流石に作りがしっかりしているためか、サウゾースで購入した物よりも良く響き、ハッキリとした音色を奏でてくれた。


 なるほど!楽器の質の良し悪しでこうも音の質が異なって来るのか!

 これは、是非良い楽器を一つは持っていたくなるな。暇な時に楽器を鳴らしたら、良い気分転換になりそうだ。


 弦楽器の音に気分を良くしていると、店主らしき人物が近づいて来て、感心したように私に声を掛けてきた。


 「いやはや、流石は『黒龍の姫君』様・・・。楽器を持つお姿も実に様になっておりますなぁ。『姫君』様の演奏ともなれば、例えどのような曲だろうと、さぞ多くの者達を魅了する事でしょう。」


 褒めてくれているのは分かるが、はて、曲だの演奏だのというのは、一体何なのだろう?

 初めて聞く単語だ。私が読んだ本にも、そういった単語は見かけなかった筈だ。


 「リビア、曲とか演奏って何?」

 「曲とは楽器に限らず、音を鳴らして旋律と成した、音楽を指す言葉であり、演奏とは、その曲を奏でる行為です。」

 「音楽?その単語は本で目にした事はあるけど、どんなものなのかな?」


 本で見た限り、音楽というものは人を感動させる素晴らしいものだと認識しているのだが、それがどういったものなのかは、実際に耳にした事が無いので実感が湧かないのだ。


 オリヴィエにその事を尋ねたら、彼女は本来の形状をした弦楽器を一つ持ち出し、店主と思われる人物に手渡した。店主は演奏が出来るのか。


 「店主様、もし楽器の演奏に覚えがあるのでしたら、一曲お願い出来ますか?」

 「ややっ!?これはこれは、責任重大ですなぁ!ですが、私とて音楽に携わる者の端くれ!やって見せましょう!『黒龍の姫君』ノア様に、音楽の素晴らしさをお伝えさせていただきます!いざ!御傾聴あれっ!」


 そう言って楽器を受け取った店主は、姿勢を正して楽器を構える。

 雰囲気が先程までとはまるで変わり、その様はまるで熟練の兵士の様な気配すら感じさせる。


 店主が、弦楽器の演奏を始めた。



 初めての体験に、感動が収まらない。音楽というものは、こうまで心を動かす事が出来るのか。

 楽器から音が出るたびに心が弾み、自然と体が動いてリズムを取ってしまう。音に合わせて、つい、私も体を動かしたくなってしまった。


 目を閉じて音に集中し、その場で回転し、腕を振り、尻尾を揺らし、足で床を叩いて音を鳴らす。

 気が付けば、音に合わせて思うままに体を動かしていた。私も、この心地良い旋律の一部になりたかったのだ。



 店主の演奏が終わると、私はオリヴィエが拍手をする中、無意識に店主を優しく抱きしめていた。他に感謝の表し方が分からなかったのだ。


 「素晴らしい体験をありがとう。貴方のおかげで、また一つ。人間の素晴らしさを理解する事が出来たよ。」

 「ふぉっ!?!?おっ!?おぉおぉおおーーーっ!??!?」

 「ノア様っ!!?」


 オリヴィエも店主もこれ以上ないほど慌てているし、その理由もなんとなくわかるのだが、それでも私にはこうする事でしか感動を伝える事が出来なかったのだ。


 言いたい事はあるかもしれないが、今は勘弁して欲しい。



 そうして現在は喫茶店。私はオリヴィエから説教を受けている真っ最中である。


 遠慮はいらないと言った手前、彼女もかなり遠慮無しに、そして懇々と私に今回の私の行為がいかに軽率な行動であったのかのを述べている。


 「良いですかノア様。異性に対してああも軽々しく抱擁をするものでは無い事は、ノア様もご理解いただいていると存じています。」

 「そうだね。それでも私は彼に感謝の気持ちを伝えたかったんだ。」


 オリヴィエの言いたい事は分かっている。その辺りの人間の感覚は、これまでの経験で既に理解はしていたからな。


 ただ、私の感情表現が乏しかったのだ。

 オリヴィエのように拍手で称えるにしても、言葉で褒めるにしても、それでもなお、私の感動を伝えるには足りなかった、気持ちを抑えられなかったのだ。


 「それだけ音楽に関心を持っていただいた事は、大変喜ばしい事です!ですがっ!ノア様が周囲にどれほどの影響を与えるのかは既にご存じの筈ですっ!」

 「どうしても感情が抑えきれなくてね。ねぇリビア。ああいう時は、どういう反応をすればよかったのかな?」


 私にはまだその答えが見つからない。抱擁をした後の店主は興奮し過ぎてしまったのか、顔を真っ赤にさせて失神してしまったのだ。

 彼を介抱した後、私達はこうして喫茶店に来ているわけだな。


 彼を気絶させずに感謝を伝えるには、どうすれば良かったのか?その答えは、オリヴィエにも明確には分からないらしい。


 「うっ・・・。そ、それはぁ・・・。こ、心を込めて拍手をしたり、相手を褒めたりしてですね・・・。」

 「うん。きっとそうなのだろうけど、あの時の私の感動は、それだけでは足りなかったんだ。」

 「それほどまでに感動なさったのですね・・・。」


 なさったのさ。多分、人間と関わってから、一番感動したんじゃないだろうか?

 音楽という概念は、私にとって全くの未知の体験だったのだから。家の皆にも、是非聞かせてあげたいと思ったほどだ。


 今回も人間の国に訪れてよかった。心からそう言える体験だったのだ。


 答えに悩んでいると、オリヴィエが何か閃いたようだ。

 先程までの困り顔から、パァッと表情を明るくさせた。


 「そ、そうです!強い感動を覚えたのでしたら、賛辞の言葉と共に、何か褒賞をお与えになってはいかがでしょうか!?」

 「良い案だと思うけど、例えばどんなものが良いかな?」

 「それはもう!ノア様は非常に精巧な絵を描けたり彫刻を掘る事が出来るのですから、今回で言えば、店主が使用した楽器に、ノア様のサインと共に自画像などを描かれれば、この上なく喜ばれたかと思います!」


 私の自画像かぁ・・・。描けない事は無いけれど、気が進まないな・・・。

 いやまぁ、それが価値のある物だという事は新聞の売れ行きからも分かるけれど、自分の姿を描いてそれを配るという行為が、どうにも気乗りしない。


 それに、懸念もある。


 「リビア、確かにそれは喜ばれるとは思うけど、新聞でさえすぐに売り切れてしまうようなものを、その類の品で一点物の品があるとしたら、それはそれでとんでもない騒ぎになる気がするんだけど・・・。」

 「あぅっ!?・・・お、仰る通りですね・・・。」


 言われてオリヴィエも気付いたらしい。多分だけど、彼女が自分で欲しいと思った物を口にしたんだと思う。

 ううむ、そう言う事なら、後で私の絵でも描いて彼女に渡しておくか。


 あ、そうだ。ここ数日彼女が毎日私の髪に入れてくれている櫛に彫り込めばいいじゃないか。勿論、本人から了承を取った後で。


 「で、でしたら!ノア様のお姿ではなく、ノア様がその時感じたものを思うままに表現するというのはどうでしょうか!?」

 「その結果があの時の抱擁だったんだけど・・・。」


 話が振り出しに戻ってしまった。と思ったのだが、オリヴィエが言いたい事はそういう事ではないらしい。


 「そうではなく!思うままに創作をしてみては如何かと聞いているのです!その時の感動を彫刻や絵画で表現してはどうでしょうか!?」

 「彫刻や絵画かぁ・・・。上手く出来るかなぁ・・・?」


 提案をされて、少し戸惑う。

 私は模写や模倣は得意な方だと自負しているが、0から何かを創作するのはあまり試した事が無いから、上手く出来るとは限らないのだ。


 仮に拙い出来栄えのものが出来上がったとして、そんなものを渡されて相手は喜ぶのだろうか?


 「でしたら、今ここで、先程耳にした音楽に対してノア様が抱いた印象を、絵画や彫刻で表現してみてはいかがでしょうか?」

 「あの時の音楽かぁ・・・。ああ、そうだ。曲を聞いて私が思い浮かんだものを、紙に描いたり木や石に掘り込めば良いのか。」

 「そうです!出来そうですか!?」

 「うん。やってみるよ。」


 あの時、店主が奏でた曲を聞いた時、ふと頭の中にイメージが湧き立ったのだ。激しくも凛々しく、そして重厚かつ苛烈な旋律。

 その旋律は私の脳裏に、強大なドラゴンに立ち向かう勇敢な冒険者達の姿を思い浮かばせた。


 あの光景を、そのまま紙に描くとしよう。


 「こ、これは・・・!?ま、まさか!?」


 オリヴィエには、私が描いている絵の完成図が見えているのだろうか?まぁ、どの道もうすぐ出来上がる。その時に聞けばいいだろう。


 ・・・良し、出来た。

 私の尻尾カバーを作ったの時も、オリヴィエの時計カバーを作った時にも思った事だが、やはり絵であれ彫刻であれ、何か形ある物を生み出す行為というのは、気分が弾んで楽しいな。


 「ひとまず、こんな具合かな?どうかな?この絵をあの店主に渡したら、喜ばれるかな?」

 「ノア様、此方の絵画、まさか『ヘンドリックの挑戦』の一説では・・・?」

 「おや?リビアもあの小説を知っているんだね?」

 「ええ。有名ですから・・・。」


 この絵を見ただけでオリヴィエは、私が思い浮かべた物語、小説の題名を見事言い当てたのだ。出来栄えに関しては問題無いと思っている。

 だが、彼女は何かを躊躇っているようにも見える。


 「あの、これを、あの店主に渡すのですか?」

 「駄目なのかい?」

 「価値があり過ぎる気がしてしまって・・・。ノア様が描いた、と言う事実を抜きにしたとしても、間違いなく欲しがる方が大勢現れるかと・・・。」


 コレでも駄目なのか・・・。コレ自体に価値があるとオリヴィエは言っていたが、一体、どういう事だろう?


 まてよ?確か美術品に関する本に、人気小説を題材にした絵画が貴族間でとても人気があると読んだ事があるぞ?


 なんてこった!そのまんまじゃないか!コレがもし貴族の目に留まったりでもしたら、騒ぎになる事間違い無しじゃないか!


 「参ったね・・・。こういった物に価値がある事をすっかり失念していたよ。もしもこの絵があの店に飾られていたとして、それが貴族の目に入ったら・・・。」

 「まず間違いなく自分の物にしようとします。大金を出して購入しようとするのならまだしも、最悪の場合、強硬手段を取る可能性すらあり得ます・・・。」


 だよなぁ。私の知る貴族達ならば、そう言う事をしても何ら不思議ではない。


 まったく、ままならないものだな。私が何かをしたら、誰も彼もが大げさに反応してしまい、個人に対して碌に行動できなくなってしまう。


 ・・・ならもういっその事、とことんまで大事にしてやろうか?

 逆転の発想だ!私が行動すると、都度その内容が新聞に記載され、人々が一喜一憂するというのなら、此方から出向いてやろうじゃないか。


 今しがた絵を描いた紙に『不懐』の魔術を施して、ついでに座標記録も行おう。

 ああ、そうだ。ついでだからサインもいれるか。


 「オリヴィエはあの店主の事を知っているんだよね?彼の名前を教えてもらっても良いかな?」

 「あ、あの、それは構わないのですけど、ノア様?一体何を・・・?」

 「ん?この絵に私からあの店主へ送るという意味のサインを入れるんだよ。」

 「そんな事をしたら大事になりますよ!?」


 分かっているとも。何せそれが狙いなのだから。世界中の人々が私の事を知りたがっているというのなら、知らせてやろうじゃないか。


 知らせるのは私の正体などでは無く、私の方針だが。


 「してやろうじゃないか、大事に。リビア、店主にコレを渡したら、記者ギルドに案内してくれる?」

 「記者ギルドに!?取材を許可するのですか!?」


 驚いた表情で私に聞き返して来る。

 驚くのも当然だな。つい先日まで私は、事あるごとに自分の事が新聞のネタにされる事に辟易としていたのだから。


 だが、何時までも苦手意識をそのままにしておく私ではない。苦手なものは克服するに限るのだ。


 「取材と言うよりも、声明を出すんだよ。私がどういう行動をするのか先に知らせておけば、下手な事をしようとする者は減るんじゃないかな?例えば、この紙には耐久性を上昇させて、リビアの時計カバーの様な座標記録を施してある。意図的に破壊しようとしたり強奪しようとすれば、すぐに分かるようにしてあるんだ。」

 「なるほど・・・!内密にしてしまうよりも、ノア様が目を掛けている事を明け透けにして、庇護対象に近い存在として伝えるのですね!?そういった方々に何かあれば、ノア様が黙っていない、と先に人々に知らしめる訳ですか・・・!」


 やはりオリヴィエは優秀だ。私の考えを良く分かってくれている。いざとなればルグナツァリオを頼る事も出来るだろうし、これならば私が何かを渡した者に不埒な真似をしようとする者もそうそう現れないだろう。


 もし現れたなら、不埒な行為をしようとした事を後悔させてやる。

 まぁ、彼に頼り過ぎるのも私が納得できないので、褒賞を渡した者を見守れるような魔術を早急に開発しておこうとは思う。


 「分かりました。その方針で進める事に、私からは特に指摘する点は思い浮かびません。それと、店主の名はノア様が店主に直接訊ねた方がよろしいかと。」

 「うん?ああ、ガイドの貴女が知っていたら少しおかしいのか。」

 「です。それに、直接訊ねられて覚えてもらった方が喜ばれるかと。」

 「うん。そうだね。そうしよう。それじゃ、そろそろ行こうか。」

 「はい!」


 方針が決まり、来た時よりも明るい気持ちで喫茶店を後にする。

 ちなみに、この店で出された紅茶にはドライフルーツが使用されており、紅茶の香りと共に果物の香りも感じられてとても面白かった。今度、家であの果実でもやってみよう。



 その後、先程の楽器専門店にて私が描いた絵を、私から店主に送るという文字を書き足したうえで店主に譲った。

 ある程度畏まられるのは予測出来ていた事ではあるのだが、土下座までするのはどうかと思う。

 似たような態度はこれまでにも見ているから、今更たじろぐ事は無いのだが、少し呆れてしまうのは否めないな。



 さて、店主に絵を渡したら今度は記者ギルドだ。訪れてみれば、ちょうど今日の出来事を一つの記事にしてまとめているところだった。


 「まさか『黒龍の姫君』様がこの記者ギルドに顔を出していただけるとは、夢にも思っていませんでしたよ。ご用件を伺ってもよろしいですか?」

 「ああ。今回此処に訪れた理由は、明日の新聞記事に載せて欲しい内容があるからなんだ。」

 「ほほう!興味深いですなぁ!『姫君』様自ら乗せて欲しい内容があるとはっ!ああ、すみませんが、一枚、写真を撮影させていただいても?」


 流石は記者。ネタが自分から転がり込んで来た事にとても喜んでいる。

 それは良いのだが、写真とな?


 私がオリヴィエに訊ねる前に、彼女はすぐさま答えを教えてくれた。


 「視覚的に識別できる映像を、そのまま記録した画像の事です。撮影とは、写真として映像を記録する動作の事を指します。新聞に載っているノア様の姿絵も、写真なのですよ?」

 「なるほど。それなら構わないよ。やっぱりその写真と言うのは、魔術具で?」

 「はい!記者ギルドが知識と技術を集めて作り上げた、自慢の傑作ですっ!」


 キャメラと名付けられたその魔術具は、両腕で抱えるほど大きな魔術具だった。

 ティゼミアでの凱旋以降、街を歩いていると、たまに似たような巨大な魔術具を見かけていたが、写真を撮るための魔術具だったというわけだ。


 このキャメラ、なんと一瞬で映像を記録できるうえ、映像を記録した後は何時でも紙に映像を転写する機能が搭載されているらしい。

 しかも、複数の映像を記録できる上に、転写するサイズを指定する事すら可能としている。


 途轍もない技術だ。巨大であるという一点を除けば、非常に便利な魔術具である。記者が誇らしげにするのも頷けるな。


 折角なので、触れない範囲でキャメラを周囲から細かく見せてもらった。

 流石に記者ギルドの技術の結晶に対して解体、解析したいだとか、使ってみたいだとか、無茶を言うつもりは無い。


 それで万が一にもキャメラを壊してしまったら、彼等に対してあまりにも申し訳が無いからな。


 そして撮影も即座に終了し、気前の良い事に紙に映像を転写する様も見せてもらう事が出来た。

 絵筆を始めとした画材を全く使用せずに、一枚の絵が完成していく様は、とても斬新で面白かった。


 写真の撮影や映像の転写も終ったので、私の今後の方針やそれを伝えに来た経緯を説明すれば、彼等は私が楽器専門店の店主に絵を渡した事はまだ知らなかったらしく、非常に驚くとともに興味深そうな反応をしていた。


 店主に取材に行きたいらしく、私に許可を求めてきたのだ。

 私としては話すべき事は話し終わっているので別に取材に向かってもらっても構わないのだが、取材を受けるかどうかは店主次第だ。私に求める事じゃない。


 それと、私が伝えた内容は私もメモをして残してある。新聞の内容がこのメモと食い違っていた場合、再び記者ギルドに訪れて説明を要求する事を伝えたら、ひどく怯えられてしまった。

 特に魔力は開放していないのだが、私の実力が知れ渡ってしまっている以上、情報通の彼等にはあまり関係が無いのかもしれない。


 とにかく、記者達に伝えた内容が脚色される心配は無いだろう。されていた場合は、無いとは思うが少し悲惨な目に遭ってもらうという事で。



 さて、取材が終わり、現在時刻はちょうど夕食時である。


 宿に戻って夕食にしよう!

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