第183話 犯人確保!

 ギルドマスターとの話を終え、帰路に着きながら思いにふける。


 何と、ギルドにワイバーン討伐の依頼が来た際に即座にギルドの職員がサウレッジに調査へと向かっていたというのだ。それだけサウレッジ近辺にワイバーンが出現する事が異常事態という事なのだろう。


 私がその調査員と出会わなかったのは、サウレッジまで続いている道を利用せずに直線でサウゾースからサウレッジまで向かったからだ。

 道中、小規模な森や谷がありはしたが、その程度の障害では私の進行の妨げにはならないのだ。


 そして村に到達してから割と直ぐにワイバーンが村に向かってきたので、即座に対応して討伐。

 村長から礼としてヨーグルトを振る舞ってもらったり、村の外でワイバーンを解体したりもしたが、『血液除去ブラヅェムバル』を開発した私にとって、解体は最早、時間の掛かる作業ではなくなっていた。


 更にはサウレッジからサウゾースまで帰還する際に、行きよりも速度を上げて帰還したのだ。

 その結果、ギルドの調査員がサウレッジに到着する前に、私はサウゾースへと到着していた、というわけだ。


 急いでサウレッジに到着した調査員達は、既に事が終わっていたために困惑させてしまったかもしれない。

 ただ、彼等はギルドマスターと連絡するための魔術具を持ち込んできていたため、村での調査報告がすぐに行う事が出来た。


 その結果が看過できるものでは無かったからこそ、ギルドマスターは私と話がしたかったのだ。


 調査結果によると、村から少し離れた場所に魔物を誘引する道具が見つかり、更に調査を進めたところ、件の道具が断続的にワイバーンが向かってきた方角へと設置され続けていたとの事。


 つまり、今回のワイバーンの騒動は、明らかに人の手によって引き起こされた悪意ある行動だった、という事だ。


 流石に犯人の特定はまだできていないが、真っ当な人間の手によるものでは無い事だけは間違いない。

 おそらくは街の外で生活をしている野盗の一味による犯行だと、ギルドマスターは予測していた。


 野盗。

 街に税金を払うでもなく、これと言ったギルドに所属するでも無く、街に住む事が出来ない者達が街から離れ、自らの命を繋ぐために一般的な旅人や商人を襲い、彼等の物品を強奪する者達の総称だ。


 ティゼム王国ではまるでその存在を確認できなかったが、それは偏にかの国が多くの騎士を保有していて、日々治安維持のために国中を警邏けいらしているからとの事。

 ティゼム王国は悪徳貴族が蔓延る国ではあったが、それでも世界有数の治安が良い国だったようだ。


 野盗達は街から離れて暮らしているというのに、何故周囲の自然から生きる糧を得ようとせずに人を襲うのか甚だ疑問だったのだが、単純に野生の獣や魔物を相手取るよりも、警戒心が緩んでいる人間を襲う方が実りが良いからだと、ギルドマスターが教えてくれた。


 要するに、禄でも無い連中、という事だな。

 ギルドマスターからも、治安維持のためにも見かけたら積極的に排除して欲しいと頼まれてしまった。無論、報酬も出してくれるとの事。


 まぁ、野党が原因でサウズ・ビーフを始めとした、多くの資源が他の街に行き届かないのは面白く無い。見かけたら迅速に捕えてしまおう。



 部屋へ戻れば、丁度オリヴィエが風呂から上がっていたところだった。

 幻を通して、彼女に先に風呂に入っているように伝えておいたのである。

 勿論、ギルドマスターとの会話の内容も、私が野盗に対してどう行動するかも彼女には通達済みだ。


 正直なところ、ルグナツァリオとの約束が無ければ、街で平和に生きている人間達にとって害悪なだけなので、見つけ次第始末していたところである。

 だが、人間が犯した罪と言うのは人間達の方によって裁かれるべき、というオリヴィエの意見もあり、可能な限り捕らえて街に引き渡す事にした。

 運搬に関しても、私には『我地也』によって車両を制作した経験がある。気を遣う必要も無い相手だろうから、適当に詰め込んで運べばいいだろう。



 私が風呂から出た後、オリヴィエの尻尾をブラッシングしながらそんな内容の話をしていた。

 やはり彼女の尻尾の毛並みは素晴らしい。この毛並みを保つためにも、今後も丁寧に丁寧にブラッシングを行っていこう。

 オリヴィエも心地よさそうにしているし、今回の旅における至福の時間である。


 「んぅ・・・。」


 どうやら心地良過ぎて眠ってしまったようだ。

 再び腰を痛めないように尻尾で彼女の体を支え、楽な体勢にさせておこう。

 ブラッシングが終わったら、そのまま彼女をベッドに寝かせようと思ったのだが、その途中でオリヴィエが目を覚ましてしまった。

 慌てて横抱きにしていた私の腕から離れて、私に対して謝罪する。


 「す、すみません・・・!あまりにも心地良くて・・・。」

 「私としては、そのまま眠ったままでも良かったんだけどね?」

 「いいえ!ノア様が私の尻尾を手入れして下さっているのです!私もノア様の御髪に櫛を入れなければ!私だけが心地良い思いをするのは良くないのです!」


 私がオリヴィエの尻尾をブラッシングするのは、モフモフに触れたいという下心満載な邪な感情からなのだが、彼女からは善意の行為として見られているようだ。

 そして、オリヴィエも私の髪に櫛を入れたいという多少の我欲があるものの、善意から来ているものだ。


 そうまで言われて拒否する事など出来はしない。それに、髪を梳かされるのはなかなかに心地良い。


 「無理はしないで、眠くなったらちゃんと寝るんだよ?」

 「分かっています。ふふっ、ノア様って、本当にお母様みたいです。」


 寝落ちしてしまったり、明日の行動に支障が出ないようにと注意したのだが、またしても母親のようだと言われてしまった。

 随分と慕われたものである。素直に嬉しい事だ。



 さて、髪も梳かし終わり就寝したわけだが、この順風満帆な旅行にも一点だけ欠点がある。

 それは、2人部屋に宿泊する事で、常に傍にオリヴィエがいる事で出来ない事があるためだ。


 ティゼム王国では毎日就寝前に必ず一つ口にしていた、家の周囲に実っているあの果実。アレを今回の旅行ではまだ一口も口にしていないのだ。

 多分だが、仮にオリヴィエが就寝した後に口にして就寝したとしても、彼女の嗅覚ならば果実の存在に気づいてしまいそうなのだ。


 正直、オリヴィエにも味わってもらいたい味ではあるのだが、アレは家の皆が言うには"楽園最奥"にしか存在しない果実なのだ。

 人間達に"楽園最奥"の品を見せたら、混乱が生じる事は間違いないと考えている。何せ内包している魔力量が桁違いなのだ。


 気に入った相手にあの果実を振る舞うのは、私の正体を公表してからになるな。

 まぁ、私の正体を知っているであろう魔王には振る舞っても良いか。ホーディの時は失敗してしまったが、彼女を捕まえた時にでも提供するとしよう。

 こういう時のためにティゼム中央図書館に訪れ、初日にあらゆる国の言語を習得したのだ。

 会話が出来るのだから、きっと大丈夫。魔王とも仲良くなれるさ。


 ちなみに、果実を食べた後に『清浄ピュアリッシング』によって私や部屋に漂う果実の匂いを消す方法もあるにはあるが、それはやりたくない。『清浄』はいつも果実を食べる前に行っているのだ。


 『清浄』で匂いを消してしまうと、口の中に残る果実の香りや味までもが消えてしまうのだ。つまり、食べた気がしなくなってしまうのである。

 私はあの果実の芳醇な香りや、舌に残る濃厚な味わいを堪能しながら眠りに就きたいのだ。


 早朝に『清浄』を掛けようにも、オリヴィエは私よりも早起きである。

 彼女はレイブランとヤタール以上に早起きなのかもしれない。私が果実を食べて寝たら、私が目覚めた後に部屋に漂う香りに言及されてしまう可能性が高い。


 そんなわけで、現在果実を食べるのは我慢しているわけである。

 幸いにしてこの街にもちゃんと甘味は存在しているし、何よりティゼム王国で購入した焼菓子はまだ残っているのだ。

 いざという時は、それを食べて気持ちを紛らわそう。



 日が変わり、宿の朝食を堪能したらサウゾースを出発だ。

 冒険者ギルドの依頼も昨日こなしたから、極端な話、向こう3ヶ月は依頼を受けなくても良い。気ままな旅行を楽しませてもらおう。


 次に私達が向かうのはサウゾースから北西、ファングダムの西側だ。

 私があの果実の未練から、甘い果物を食べたいとオリヴィエに聞いた際に、広大な果樹園を所有している領地がある、フルルと言う街を薦められたのだ。


 何でもファングダムの中で最も果物の生産、出荷量が多い都市なのだとか。勿論、品質もファングダム一らしい。

 しかも、果物の種類も豊富なだけでなく、一つの果物だけでも庶民用から富豪用、果ては貴族用と品種が分別されているというのだ。

 簡単に貴族用の果物を口にできるとは思わないが、庶民用と富豪用の果物の食べ比べぐらいはしてみたいものだな。


 新たな甘味という事で胸に期待を膨らませ、サウゾースを発ってから5㎞ほど進んだところで、私の弾んだ気持ちを台無しにする気配を感じ取った。


 「オリヴィエ。悪いけど、ちょっと野暮用が出来た。」

 「分かっています。不愉快な臭いが私にも伝わってきますから・・・。」


 流石獣人ビースター。優れた嗅覚を持っている。私も嗅ぎ取ったが移動の最中、不愉快な臭いが漂ってきたのだ。

 臭いの原因は碌に洗っていない衣服や体に溜まった老廃物の臭いに加え、固まった血液の臭いもする。


 十中八九野盗だろう。獣人は嗅覚が優れている者が殆どであり、悪臭を嫌う。

 それ故か、自分の体臭も常に気に掛け清潔にしている者が非常に多い。人間達の中でも、特に綺麗好きな種族じゃないだろうか。


 そんなわけで、例え野盗であろうとも獣人達には、今私達が嗅ぎ取った悪臭を漂わせるような者達は、まずいない。


 つまり、推定野盗の者達は獣人ではない。そして、嗅覚が優れた獣人が多いこの国で悪臭を漂わせるような野盗は、この国の事情に明るくないのだろう。


 他国から来た者達、それもこの国に来て日が浅い者達だと考えられる。


 とりあえず、野盗という時点で捕縛対象だ。

 オリヴィエにこれ以上悪臭を嗅がせるのも忍びないので、私の周囲に臭いを遮断する結界を張り、早急に野盗達を捕らえてしまおう。


 『広域探知ウィディアサーチェクション』を発動して、周囲の状況を確認する。

 どうやら野盗達はサウゾースへと向かっている途中らしい。別に声を抑えてもいない彼等の会話が聞こえてくる。


 「しっかし、あんな辺鄙な村に"災禍の魔危餌さいかのまきえ"をあんなに使っちまうたぁ、奮発しましたねぇ!旦那ぁ!旦那の今回の計画の本気っぷりが伝わってきやすよ!」

 「フン!少しは世俗を知れ。あの村で飼育されている家畜は、この国だけでなく世界有数の美味として知れ渡っているのだ。」

 「そんなところをワイバーンに襲わせて良かったんすか?」


 おっと?どうやら早速例の魔物を誘引する道具を用いてワイバーンを呼び寄せた集団と出くわしてしまったようだぞ?

 その時点で個人的にもこの連中の容赦をする理由が無くなったわけで、事情を説明して早速捕らえようと思ったのだが、オリヴィエから待ったが入ってしまった。


 「折角無用心にも自分達の計画を喋ってくれているのでしたら、一通り連中の計画とやらを聞いてみてはどうでしょうか?」

 「んー・・・。ゴメン、無理だ。さっさと捕らえてしまおう。」


 オリヴィエの言う事も尤もかもしれないが、どうせ考えている事は禄でも無い事なのだ。万一こちらに感づかれて自棄を起こされても面白く無い。

 あの連中の目的なら街に届けた後に確認すれば良いし、仮に強情で口を割らないのであれば私が直接聞きだす。その際、魔法の使用も辞さないつもりだ。


 「容赦ありませんね・・・。分かりました。そもそも、私がノア様の行動を止めるなど、烏滸おこがましい事でした。申し訳ありません。」

 「提案して来てくれた事自体は嬉しいよ。指摘したい事や思った事があったら、今回に限らず色々と言ってきて欲しい。結局、自分の考えを採用してしまうかもしれないけどね。」

 「ふふっ、ノア様ったら、我儘ですね。そう言う事なら、今後も遠慮なく言わせてもらいますね?」


 というわけで私達と野盗連中との距離は1㎞ほど離れているが、その程度の距離は私にとっては離れているとは言わない。

 『我地也ガジヤ』で野盗達全員の足場を泥状にして、連中の足を膝下辺りまで沈めて固定した後、連中を囲う鋼鉄の檻を生み出して早急に全員捕らえた。


 「な、何だこりゃあっ!?あ、足が、足が動かせねぇっ!?」

 「クソッ!何なのだコレは!?この俺が!このテュータス様がまるで感知出来ないだとぉ!?どうなっているのだ!?」

 「だ、旦那ぁ!?」

 「喚くな!今脱出方法を考え・・・なぁっ!?」

 「「「「「何じゃこりゃあああっ!?」」」」」


 足を沈み、さらに固定された事によって、自分の足元にしか意識が向けられなかったのだろう。彼等が周囲に視線を向けた時には既に、彼等は全員檻の中だったのだ。


 一々此方の情報を与える必要も無い。檻を鋼鉄の板で完全い覆ってしまい、外の様子を見れなくしてやろう。


 「こ、今度は何だぁ!?」「何も見えねぇ!?」「何がどうなってんだよぉ!?」「こ、怖ェよぉお~!?」「俺達が何したって言うんだよぉっ!?」

 「ええい!貴様等ぁ!少しは黙れっ!思考がまとまらんだろうがぁっ!」


 さて、お仕置きの時間である。

 連中を捕らえた檻、と言うか箱に『成形モーディング』による魔力ロープを尻尾から伸ばして、私と連結させる。

 今回はいつぞやの"中級インター"冒険者、ベアー達に行ったような、ベルトや綿などによる保護は無い。快適な旅ならぬ、不快な旅を存分に味わうがいい。


 本にも書いてあった。[食べ物の恨みは恐ろしい]、とな。激しく同意する。


 「じゃ、行こうか。」

 「えっ?あの、ノア様?野盗達は・・・?」

 「ん?もう捕まえてあるよ?『成形』の魔力ロープが尻尾から伸びているだろう?このロープの先に連中を捕らえた鋼鉄の箱があって、このロープはその箱と繋がっているんだ。」

 「えっと、このままいつも通りに走るんですよね?」

 「うん。」

 「うん、って・・・はぁ・・・少しだけ彼等に同情します。」


 オリヴィエは若干呆れ気味ではあるが、同情の必要は無いと思うよ?何せ、今後サウズ・ビーフが食べられなくなるところだったのだから。

 リーダー格以外の足元をこの時点で元に戻す。これで私が走り出したら、箱の中はさぞ大惨事となるだろう。


 というわけで、いつも通りの感覚で走り出す。勿論、オリヴィエは横抱きにしたままだ。そして私に抵抗は一切感じない。


 「がぁあああああっ!?」「のぉおおおおおっ!!」「ぎゃあああああっ!?」

 「何なんだよぉっ!?何が起こってんだよぉっ!?勘弁してくれぇっ!」

 「ぐぅっ!ええい貴様等っ!俺様にぶつかってくるんじゃないっ!クッソォッ!!何故だっ!?何故俺様だけ足が固められたままなのだぁっ!?」


 何故って、お前の足まで自由にしてしまったら、ぶつかって来る連中を回避してしまい、大して苦痛にならないと思ったからだよ。


 捕らえた野盗のリーダー格である尊大な態度を取っていた男は、自分でも名乗っていたが、以前私に絡んできてティゼム王国から逃げ出した、現在賞金首となっているテュータスだった。


 あの男の能力は大体把握しているので、激しく揺れる檻の中でも、万全の状態ならばある程度自由に動けると思ったのだ。

 今回のワイバーン騒動の首謀者のようだし、存分に苦痛を味わわせてやる。

 あの男だけはそれなりに身綺麗にしていたところを鑑みるに、あの男も不衛生な状況は避けたかったのだろう。


 そんな男に、不衛生な男達が容赦無くあちこちからぶつかって来るのだ。堪ったものでは無いだろう。


 そういえば、これも本で読んだ事なのだが、基本的に男性は同性と密着する行為を嫌うらしい。

 特に、男性同士で口付けを交わす行為は、男性としては一般的に嫌悪感を覚える行為なのだとか。


 しかし解せない事もある。何故かそういうシチュエーションは、一部の層からは非常に歓迎されているらしいのだ。


 人間には多種多様な性的興奮要素があると言う事は知っていたが、何とも複雑怪奇な話である。


 まぁ、他者の趣味趣向をとやかく言うものでは無いな。

 テュータスは一般的な感性だったらしく、不衛生な男と密着したり口が触れる事を極度に嫌がっているようだ。

 精々、自分がしでかした事を悔いる事だ。


 野盗を捕らえた場所はサウゾースの方が遥かに近いが、当然私はフルルへと向かっている。

 非道いかもしれないが、連中にはなるべく苦しんでもらいたいからな。食べ物の恨みは恐ろしいのだ。



 時間にして20分。激しく箱を揺らしながらフルル近辺まで到着し、最後には箱を高く放り投げて激しい衝撃を与えるようにして手元まで手繰り寄せた。

 流石に門番の目の前に十数人の大人の男が入った巨大な箱を空から降らせるわけにはいかないので、手繰り寄せたのはフルルの城門から少し離れた場所である。


 まぁ、それでも巨大な箱が尻尾に抱えられて近づいて来る様は、奇怪にも程があっただろうけども。


 「あ、あのぉ・・・『黒龍の姫君』様?そちらの巨大な箱?は、一体・・・。」

 「ああ、この中には、サウゾースに不埒な行為を働こうとしていた野盗共が入っているよ。・・・うん、全員意識を失っているね。しかるべき場所に預けたいのだけど、どうすればいいかな?」

 「な、なんと!?承知いたしました!少々お待ちください!」


 そう言って門番は急いで街中へと走っていき、その場を立ち去ってしまった。

 この街の門番は一人というわけでは無いので、彼が立ち去っても城門が無防備になる事は無いが、少々無用心ではあると思う。


 「無理もありませんよ。ただでさえノア様に関わる事は慎重にならざるを得ないのですから。それが野盗絡みともなれば尚更です。」


 少し呆れた口調でオリヴィエから指摘される。

 それにしたって慌ただしい気がするのだが、彼等はひょっとして、新聞に目を通してある程度事情を把握しているのだろうか?


 そう言えば、新聞というのは、国中に一斉に発行されているんだったな?


 一体どういう原理なのだろう?オリヴィエに聞いてみよう。

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