第161話 『黒龍の姫君』
稽古を行う際に手続きするためにオリヴィエにギルド証を渡した際にはこのような記述は無かったはずだ。オリヴィエもそれは確認している筈だ。
ならばこの記述は稽古をしている最中に加えられた事になる。
しかし称号、ね。
誰もが称賛するほどの功績を残した場合、ギルド証に経歴が記入されるとは聞いていたが、どういった形で記入されるかまでは聞いていなかったし、書物にも具体的には記述されていなかった。
まぁ、その人物が何をしたのかを具体的に書き連ね続けていった場合、かなりまだるっこしい事になるのは目に見えているからな。一言で称えられる人物だと分かるような肩書き、もしくは二つ名のようなものが必要なのだろう。
それにしたって『黒龍の姫君』って・・・。
そう言えば、私に助力を求めて来た
やはり、髪や尻尾の基本色が黒だからだろうか?それにマコトはグリューナが私の事を"姫君"と呼んでいた場面に居合わせていたからな。私を形容する言葉としてパッと思い浮かんだと言ったところか。
さて、オリヴィエがとても嬉しそうにしているので、声を掛ける事にした。
と言うか、声を掛けて欲しいという表情をしているのだ。ここで彼女に声を掛けずに立ち去った場合、非常に落ち込まれてしまうのは目に見えている。
「オリヴィエ、嬉しそうだね?」
「はい!それはもう!だってノア様、称号ですよ、称号!"
「ちなみに参考までに聞くけど、これまでに一番早く称号を得たのは、どのランクなのかな?」
「称号を得た最低ランクは、"
ああ、マコトのアレ、称号だったのか。そうなると、モスダン公爵の"氷帝"とやらも称号になったりするのかな?
オリヴィエに確認を取ったところ、それで合っているようだ。
「称号は所有者がランクを問わず只者では無い事を示すものであり、その人物を体現した名称が与えられます。"二つ名"とも呼ばれていますね!『黒龍の姫君』、まさしくノア様を一言で体現した見事な名称です!」
「そう・・・。えっと、この呼称が私に合っているとオリヴィエが思うという事は、オリヴィエも私を"姫"だと思うって事?」
「ええ!勿論です!ノア様からは何者にも屈さない気高さを感じ取れます!」
気高さときたか・・・。ううむ?自分ではまるで自覚がない。この辺りもしっかりと自覚できるようにならないと、将来的に不幸なすれ違いが起きかねないな。
私はもっと、自分を客観的に見れるようにする必要がある。
「教えてくれてありがとう。それじゃ、また昼食の時にね。」
「はい!お待ちしております!お疲れさまでした!」
オリヴィエに別れを告げ、昼食までの間は図書館にでも移動しておこう。読書をしながらマコトに称号に関して問い詰めるのだ。
〈マコト、失礼するよ?〉
〈あっどうも。ノアさん、お疲れ様です。どうしましたか?〉
〈どうしたもこうしたも無いだろう。何なのかな?あの称号って?〉
〈ああ、アレですか・・・。いやぁ、流石にもうノアさんを一介の冒険者として扱うのは無理がありますからね。でも規則上ランクを"
〈そうは言っても、称号を知らせるためには一々ギルド証を見せる事になるし、いきなり称号を伝えられてもあまり効果がなくない?〉
〈その心配はありません。滅多な事では称号は与えられないものだと、世界中で認識されていますからね。称号を所有しているという事は、その時点でその人物がとてつもない実力者である事を示すのです。そして、称号を得た人物もまた、ある程度情報が世界中の人々に開示されるんです。〉
何ですと?それはつまり、私の情報が世界中に知れ渡るという事か?何故?どうやって?
〈情報が開示されるって、どういう事?〉
〈ノアさんは、新聞に目を通したりは?〉
〈ん?いや、どちらかと言うと本に夢中になっていて、新聞が何であるかは知っているんだけど、全然目を通していないね。〉
新聞。その日の出来事を大勢の者に伝達する情報媒体だな。
紙の物が一般的ではあるが、国によっては木版や石板の場合もあるし、文明が極めて発達している国では魔術具の板、マコトが所有している例の板の様な魔術具に表示される物もあるらしい。
私としてはその日の出来事よりも知識や技術を収集したかったからまったく目を通していなかったのである。
〈知ってくれているなら話は早いです。誰かが称号を得るという事態は、僕達にとって大事ですからね。ノアさんが称号を得た事も当然新聞に取り上げられますよ。〉
〈具体的には?〉
〈名前は勿論、種族と見た目、ギルドのランク、それと称号の名称は最低でも伝わるでしょうね。〉
〈他にも伝わるの?と言うか、外見?〉
〈他の部分は、新聞を記入する人物の関心具合で変わってきますね。新聞を記入して販売するのは、一つの組織だけではありませんから。まぁ、ノアさんの情報は今のところ非常に少ないですからね。精々、史上最速で"上級"冒険者に昇級しただとか、とても読書好き、それから天空神の寵愛持ち、という事ぐらいでしょうね。〉
〈あーうん、そういった情報も知られるんだね。で、外見については?〉
〈そのままですよ。ほら、ノアさんは今朝凱旋をしていたでしょう?その際にノアさんの外見は大勢の人に周知されていますからね。絵心のある者に依頼して姿絵を描いてもらったり、魔術具で記録したりして、新聞に載せるんです。〉
なんてこった!それじゃあ、否が応でも私の事を知って絡んでくる者が出てくるという事じゃないか!流石にその事実を知ったら文句を言いたくなるぞ!
〈マコト、私の外見を考えると、どう考えても厄介な連中に絡まれる気がして仕方が無いんだけど?〉
〈そ、それはまぁ・・・その、すみませんが容姿の良い物の宿命って事で諦めて下さい。と言うか、ノアさんの場合は称号が無くてもシセラが寵愛の事を伝えていますから、そっち側で新聞に取り上げられてしまうんですよ。寵愛を授かる者も称号と同じぐらい珍しい事ですからね。〉
いやまぁ、私もシャーリィに同じ事をいった手前、それを言われると文句を言い辛いが、シセラに関してはマコトが呼んだんじゃないのか?
〈そのシセラが今回動くきっかけになったのは、貴方が原因じゃないの?〉
〈インゲイン達を追い詰めるためには、市民達に連中の悪事を伝えて逃げ場を亡くす必要があったと思ったんです。それを成すのは、やはりシセラが適任だと思いましたので・・・。〉
まぁ、実際のところシセラが来てくれたおかげで多くの市民が集まり、悪徳貴族達の逃げ場が完全に塞がりはした。正直、思っていた以上に事がスムーズに運んだのはシセラのおかげだ。
やっぱり、コレはアレだな。元はと言えば、二人に寵愛の事を黙っていてもらうよう頼まなかった私に一番の原因がある。
〈貴方達に寵愛の事を黙っていて欲しいと伝えなかったのが、そもそもの原因になりそうだね・・・。仕方が無いから、絡まれてしまう事は諦めよう。〉
〈だ、大丈夫です!ノアさんが懸念しているような連中に絡ませないようにするために称号があるんですから!そんじょそこらの大富豪や木っ端貴族では、ノアさんに絡もうなどとは思いませんよ!・・・余程の大馬鹿者でもない限りは。〉
〈その余程の大馬鹿者からは絡まれるのだろう?〉
〈そ、そういう奴等はどの道絡んできますから!より質悪く絡んできますから!〉
〈・・・・・・そうだね。貴方の言う通りだろうね。分かったよ。称号の事、把握したよ。たださ、記入する前に連絡を入れることは出来なかったの?貴方も『
〈す、すみません。何せ称号を与える事を決めたのがクレス・・・ああいや、国王との謁見の最中でして・・・。〉
という事は、マコトはあれから国王から招集を掛けられたという事か。で、私の扱いの事で話をして称号を与える事になった、と。
彼が『通話』を使う場合、それなりに準備がいるようだしな。急に決まった事をすぐに連絡してもらう事は出来ないか。
思うところが無いわけでは無いがつまるところ、国王もマコトも、私の事を思って称号を与えたという事だな。
ならば、その思いを無下にするのも無粋か。何も私の正体を世界中に吹聴される訳じゃないんだ。受け入れよう。
〈連絡を入れる余裕がなかった、と言ったところかな?もしかしなくても、今も国王と会話中だったりする?〉
〈ええ、まぁ・・・。〉
〈済まない。自分の事ばかりで貴方の都合を考えていなかったね。事情も分かった事だし、私はコレで失礼させてもらうよ。〉
〈いえ。それはそれとして、今回の件、本当にありがとうございました。〉
『通話』を解除する際にマコトから礼を言われたが、多分直接会った時も改めて礼を言われるような気がする。何せマコトだからな。
その後はいつもと変わらない一日を過ごす事となった。オリヴィエといつも通り昼食を取り、冒険者達に稽古をつけ、学院の生徒達の授業をする。
ただ、今日は午前中の稽古がいつもより遅い時間だったので、それに合わせて午後の稽古も遅らせる事にした。それ以外はいたって普通の日常である。
シャーリィにも問題は解決したから、また普段通りの生活が出来ると伝えれば、あっけにとられてしまっていた。何せヘシュトナー邸で過ごした時間は、たったの一日と半日程度だからな。拍子抜けしてしまったのだろう。
だが、二人の協力が無ければこうも簡単に事は運ばなかったのは間違いない。改めてシャーリィには礼を言っておいた。今度、彼女に何かプレゼントを贈るのも良いかもしれない。
ブライアンからも知人を食事に誘って欲しいと言われていたので、今度はピリカを誘ってみた。マーサも誘いたかったが、休日が合わなかったので別の機会としよう。
ちなみに、ピリカは今朝はぐっすりと眠っていたらしく、騒動の事などまるで知らなかったそうだ。
彼女の家兼店は大通りから離れ、入り組んだ場所にあるから、凱旋の音も聞こえなかったのだろう。
と言うか、彼女の家は全体に防音処置が施されていたから、どの道聞こえなかっただろうが。私の寵愛の事を伝えたら、大層驚かれてしまった。
それと、ファニール君を気に入った事を伝えると、とても嬉しそうにしてくれた。自分の作った物で相手が喜ぶ事が、彼女にとっての幸せの一つなのだろう。
ついでなので、フウカと共にピリカも風呂に誘ってみた。
聞けば彼女の家にも風呂はあるらしいのだが、浴槽自体はそこまで大きくないらしいので二つ返事で了承してくれた。
フウカも風呂に入った経験はあまり無いらしく、楽しみにしてくれているようだ。
フウカもピリカも客観的に見て見目が良い。
私も含めて三人の器量の良い女性が一度に風呂屋に入って来た事で風呂屋はちょっとどころでは無く騒ぎになってしまった。
嘘だ。
実際のところ彼女達に関係は無く、私が風呂屋に来た事が騒ぎの理由である。
風呂屋の常連客達は私の事を知ってはいたが、ルグナツァリオの寵愛を持っている事は知らなかったからな。
それが今日この街どころか国中に広まったと考えれば、話題の人物を見てみたいと思う気持ちが強くなるのは当然だ。
店に入った途端に大歓声が上がってしまった。主に男性の。
だが、そんな中でもカンディーはいつもとあまり変わらずに対応してくれた。
勿論、寵愛持ちだったことに関して少し驚いた反応をされたが、世間話の感覚だ。
非常に有り難い。おかげで他の利用客に必要以上に絡まれる事なく存分に風呂を楽しむ事が出来た。
尚、フウカもピリカもこの店の風呂を痛く気に入ってくれたようだ。フウカに至っては、イスティエスタに風呂が無い事を嘆くほどには気に入ったようだ。
風呂上がりにフルーツミルクを受け取りながら、騒がしくしてしまった事を誤ったのだが、むしろ私がこの風呂屋を利用しているという事実が大きな宣伝効果となって大繁盛するから、と感謝されてしまった。
感謝の気持ちとしてフウカとピリカの分のフルーツミルクを奢ってもらった。二人ともコレも気に入ってくれたようだ。
日が変わって24日。
この日もいつもと変わらない一日だが、私にとっては少しだけ特別な日でもある。時間が経つのは早いもので、お土産を買うために宝石店へと足を運んでから、今日で十日目だ。そう、宝石店に改めて訪れると伝えた日である。
フウカに事前にその事を説明したら、是非とも訪店用の服を仕立てさせてほしいと願われた。
私としても彼女の新しい服を着てみたかったので依頼をしたら、また凄い物を仕立ててくれた。
白を基調とした上下一体型のドレスであり、上半身から膝辺りまでがピッタリとくっつくような構造をしている。
この服もまたボディラインが良く分かる服装と言えるだろう。
一般的にマーメイドドレスと呼ばれている服だな。上質なシルクを使用して仕立て上げられたようで、とても艶があり滑らかな肌触りをしている。よくぞこれだけの服を仕立ててくれた!
代金を払おうとしたら、自分に出来る事の精一杯のお礼であり、献上品だと言われて頑なに受け取ってもらえなかった。
子供達を助けた事への報酬だと思って、有り難く受け取っておこう。
この服を着て外を出歩けば、注目を集めること間違いなしだろう。
だが、今更である。既に王都では私が、『黒龍の姫君』という称号を所有している事が伝わっているのだ。何をしたって目立つのである。
だったら、たまには姫らしい事ぐらいしてやろう。宿から宝石店までこの服を着て向かう事にした。
で、それは私が決めた事だから良いのだが、何故かフウカも私に同行するらしい。しかも彼女は質の良い侍女服を着ている。私のドレスと合わせて仕立てたのだとか。
確かに彼女は私の配下にはなったけれど、彼女は私の侍女も務めるつもりなのだろうか?
「ノア様に仕えると決めた時から、一度はこうしてみたいと夢見ておりました。私は今、とても満たされています・・・!」
まぁ、良いか。とても似合っているし、彼女は本心から喜んでいるようだしな。
何より、一人で宝石店へ行くよりも、こうして侍女がついて来てくれた方がより姫っぽいじゃないか。
姫らしく行こうと決めたのだ。とことんまでやってやろう。
案の定、宝石店までの道中はこれでもかと言うほど注目を集めてしまった。それどころか、部屋から出てブライアンに声を掛けたら、本当に他国の姫だと思われてしまい、これ以上ない程に畏まられてしまった。
これは、マーグの反応がどうなるのかもう分からないな。グリューナに見せたら、折角この国に留まろうとした意思がくじけてしまうかもしれない。
「ノア様。ご来店、誠にありがとうございます!このマーグ=スレンド、一日千秋の気持ちでお待ちしておりました!」
宝石店へ入店した時点でコレである。マーグは宝石店へ入る前から私の気配を察知して、私が店に入る前から片膝をついて待機していたのだ。恭しさに磨きがかかっているように思える。
以前来た時の様に歓待を受けた後、マーグが持って来た装飾品は以前用意された物に加えて更に一つ、七色の宝石が埋め込まれた首飾りが用意されていた。
控えめな輝きながらも、だからこそそれぞれの石の色が強調され、それでいて調和を保つように輝いている。
実に素晴らしい。許されるのならば、一日中眺めていたい輝きだ。
私が見たところ、これだけで最低でも金貨500枚はするんじゃないだろうか?
「マーグ?実に見事なものだけど、コレは?」
「私の持てる全てを用いて製作した品で御座います。これまでコレを身に付けるのにふさわしい御方を見つける事が出来ませんでしたが、今日、確信いたしました!この首飾りは、ノア様にこそ相応しい!いや、貴女様だけの品だと!献上いたします!是非とも、お納めくださいませ!」
凄い事を言ってきた。どうやら姫らしく振る舞っていると、私が何もせずとも途轍もない品を献上しようとする者が現れるようだ。
何を持ってそう言った行動に出るのか?
真っ先に思いつくのは、単純に私に自分の事を、能力を認めて欲しいという、承認欲求だろう。自分の事を褒めて欲しい、覚えて欲しい、あわよくば今後も贔屓にして欲しいという願いが込められていると思う。
ここまでしてもらわなくとも、今後とも贔屓にするとも。思わぬ大金も手に入ってしまったからな。定期的に光物を購入させてもらうさ。
他に思いつく事と言ったら、マーグの言葉通り、彼にとってこの首飾りに相応しい者を見つける事が出来なかったのだろう。で、そこに私が現れた、と。
以前来た時は金に余裕があるわけでは無かったが、今回は違う。以前よりも余裕を持った振る舞いをしていたせいか、余計に強い印象を与えてしまったようだ。
マーグは私にこの首飾りを献上すると言った。つまり、金は払わなくて良いと言ってきたのである。
くれるというのなら貰うとも。だが、ここは金銭のやり取り以上に、彼の望む物を与える必要があるのだろうな。
マーグが今一番欲しているもの。それは多分、私との関係だろうな。
彼からは、私に対して非常に強い忠誠心を感じる。彼にとっての喜びとは、フウカのように私に仕える事なのだろう。
とは言え、今すぐマーグを配下にするのは、少し違う気がする。彼は宝石店のオーナーであり、人の上に立つ立場だ。当然、彼には大勢の部下がいる。
マーグを配下にした場合、彼の部下も間接的に私の配下となるのだ。私とマーグの都合で彼等の人生を大きく変えるのは、間違っている気がするのだ。
「有り難く受け取ろう。今後もこの店を贔屓にさせてもらうよ。勿論、ここにある、以前貴方が用意してくれた装飾品も、全て購入させてもらうね。」
「あ・・・!ありがとうございます!!」
店を贔屓にする。それだけでもマーグにとっては望外の喜びだったようだ。だが、彼の本心は分かっている。
手続きを済ませるために部屋から私とフウカ、そしてマーグの三人になったところで、彼に伝えておこう。
「マーグ、貴方は宝石店のオーナーだ。当然、それなりの数の部下がいるね?」
「はっ!従業員総勢167名を抱えておりますっ!」
「私と貴方の都合で彼等の人生を大きく変えるわけにはいかない。彼等とよく相談すると良い。」
「ノア様・・・?」
「貴方と、貴方の従業員達が皆同じ気持ちだというのであれば、彼女と同じ関係になる事を認めよう。」
「っ!!?!?」
マーグの両目が驚愕で限界まで見開いてしまっている。そして全身から歓喜の感情が魔力と共に溢れ出ているのだ。
「どうかな?」
「必ずや!必ずや従業員一同の思いを一つに纏めて見せますっ!!それが叶った暁には・・・っ!」
「うん。共に行動する事は出来ないだろうけど、貴方を私の配下と認めよう。」
「ははぁーっ!!」
従業員の私に対する視線を考えるに、多分次にこの店に来た時には、マーグは私の配下になっているのだろうな。
従業員達も、以前この店に訪れた時からマーグほどでは無いにしろ、恭しい態度を私にとっていたのだ。
フウカもマーグ達も、私と一緒に行動する事は出来ないし、私の家に連れていく事も出来ないが、それでも主従の関係になる事は出来る。
こうなって来ると、仕える事を認めなかったグリューナが少々可哀想な気もするが、彼女の望みとフウカ達の望みは似ているようで異なる。残念だが。彼女には諦めてもらう他ないのだ。
そんなこんなでレイブランとヤタールのお土産を購入し、ついでに酒屋で酒を購入した後、稽古も授業も終らせて日課として受注していた少しの依頼をのんびりと片付けていた時だ。
まさか、フウカの服を破いてしまうような緊急事態に出くわす事になるとは、思いもよらなかった。
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