第159話 国王に謁見
切り札が全く役に立たず、フルベイン侯爵が完全に意気消沈した事で、他の悪徳貴族達も大人しくなったようだ。
彼等は特に抵抗する事も無く、王国兵達に手早く捕らえられている。
とは言え、彼等家の当主達を捕らえたとしても、それだけでは終わらない。
彼等の家の者が自棄を起こさないように彼等の家の制圧を行う必要があるからだ。
モスダン公爵が騎士団長達に対して歩み出た。
「さて、急で済まないが、騎士団諸君には少々依頼したい事がある。」
「伺いましょう。」
「逆賊達の大元をこうして捕らえはしたが、この者達の家や配下は無事であるし、この事を知らない筈だ。無論、既に王国兵達を制圧に向かわせてはいるがな。」
「我等も現地へと向かい、兵達の指揮を執れ、という事ですな?」
「話が早くて助かる。頼めるかの?」
「勿論です!我等の役目は国の安寧を保つため!この国の民を守るためなのです!そのためだというのであれば、この力を振るうのは当然です!」
「うむ。頼んだぞ?儂等はこ奴等を城まで搬送するでな。」
「ハッ!よろしければ何名か騎士を付けますが?」
「いや、それには及ばぬ。」
騎士の問いかけに対してモスダン公爵が此方に視線を向けている。
これは、もしかしなくても道中の護衛を私にさせる気なのだろうか?
「貴公、ノアと言ったか。インゲイン=ヘシュトナーに雇われていたようだが、今もあ奴に義理立てするか?そうでなければ、こ奴等を城まで搬送する際、儂等の護衛をしてもらえぬか?」
それで合っているようだ。さて、どうしたものか。多分だが、モスダン公爵は国王にも事の顛末を報告するだろうし、その際に国王に私の事を報告するとも思うのだ。
面倒事の臭いしかしないのだが、ここで断るのも何か違う気がする。
そもそも、マコトも言っていたが、私が"上級"になるためにたった一日で100件以上の依頼を片付けた事を王族が放っておく筈が無いのだ。
加えて、モスダン公爵も不正の証拠が誰の手によって齎されたのか王族に提出した際に伝えているだろうからな。
今回の件に私が深く関わった時点で、王族に興味を持たれない筈が無いのだ。
仕方が無い。断ったら断ったで、また違う方向で面倒な事になりかねない気がするから、要求を受け入れよう。
「分かったよ。ああ、そうだ。ヘシュトナー邸にはアイラ=カークスが保護されているから、丁重に彼女の家に帰しておいてもらえるかな?」
「引き受けよう。聞いたな?ヘシュトナー邸へ向かう者達へ通達しろ!」
「ハッ!」
「では、行くとしよう。道中はある種の凱旋になる。出来れば、民達には愛想良くしてくれるとありがたい。」
「善処しよう。シセラがとんでもない事を暴露してくれちゃったからね。今後この街では嫌でも目立ちそうだよ。」
「あの・・・伝えては拙かったのでしょうか・・・。」
おずおずとした態度でシセラが私に訊ねてくる。彼女が私の元まで来ているのは分かっていたのだが、今の台詞を聞かれてしまっていたようだ。
「うん・・・まぁ、出来る事なら知られたくは無かったかなぁ・・・。まぁ、今更だよ。私はマコトにもシセラにも寵愛の事を黙って欲しいなんて言っていなかったからね。構わないさ。ところで、シセラも一緒に城に行くのかな?」
「はいっ!ノア様の事を国王陛下に伝えるためにも、私も同行させていただきます!ノア様、道中よろしくお願いしますね?」
「うん。よろしく頼むよ。」
嬉しそうだな、シセラ。彼女は初めて出会った時から私と一緒にいられるだけで嬉しい様子だったから、その気持ちも分からなくも無い。
彼女の言い分から、移動中は常に私の隣にいるつもりのようだ。彼女達の護衛達に視線を向ければ、軽く会釈をされた。彼女を頼む、という事だろう。
構いはしないが、ここまで上機嫌なシセラを、そしてその隣で歩く私を見て、民衆はどういう感想を抱くのだろうか?
一応、シセラの口から私が彼女が敬う理由を告げられたわけだが、それでも多くの人々が慕うシセラと、ぽっと出の
城へ向かうまでの道中、少し暇になりそうだ。『
〈ところで公爵?さっきシセラの台詞に対して純粋に驚いていたようだけど、貴方の魔法でも、天空神の寵愛を察知する事は出来なかったのかい?〉
〈貴公、遠慮というものを知らんのか・・・?まぁよい。流石のモスダンの魔法でも、神の気配までは感じ取る事は出来ぬよ。貴公が天空神様から寵愛を受け取っていたなどとは、思いもよらなんだ。〉
〈実際のところ、何か効果があるというわけでは無さそうなんだけどね。他の寵愛を受け取った人は、何か目に見えた効果があったりするのかな?〉
〈詳しくは知らぬ。だが寵愛を授かった者達は皆、不思議と自身にとって都合の良い方向に物事が運ぶ場合が多いらしい。それこそ、天空神様が常に見守ってくださっているかのようにな。〉
ああ、要は気に入った相手に印をつけて贔屓にしてるって事だろうな。
だが、そんな事をすれば調子に乗って好き放題師そうな気もするんだが、その辺は大丈夫なのか?
〈目に見えて実感できるような物では無いようだね。それに、寵愛という事は、気に入られているという事だろうし、寵愛を受けた者って調子に乗って増長したりしないのかな?〉
〈そのような者には、そもそも寵愛は与えて下さらぬ。巫女も言っておったが、天空神様は全てを視て下さっておる。寵愛を受けて尚、己を見失わず正しくあろうとする者以外には寵愛は授けられぬ。そういった意味では、貴公は信頼出来る人物なのだろうな。〉
〈まぁ、自分の我儘で周囲に迷惑をかけるつもりは無いよ。今のところはね。〉
〈・・・不穏な事を口に出さないでもらえるか?貴公が言うと洒落にならん。〉
〈それはまぁ・・・人間達次第って事で。〉
〈・・・貴公にはなるべく関わらぬようにしておきたいものだな。〉
多分だけど、無理じゃないかなぁ・・・。この国内部の問題は一応解決できたけど、まだ外国の事に関しては問題があったりするからなぁ・・・。
そもそも、私が悪徳貴族達の計画に介入すると決めたのは、アイラ達に危害を与えようとする者達を排除するためだ。そしてそれは、アイラにこの国の機密である"楽園"から齎される素材の帳簿の管理を任せるためだ。
さらに言えば、監理を任せる理由が他国の人間がこの国の真実に限りなく近づいた可能性が高いためである。
それは、冒険者ギルドで受付嬢の職に就いているオリヴィエであり、彼女は外国、ファングダムの王女である。
少なくとも、事務的な能力に関しては極めて優秀な人物だ。
彼女の能力ならば、材料さえ揃えばこの国の真実に到達する事が可能だと、この国の上層部は考えている。
つまるところ、ティゼム王国の上層部は、彼女の祖国ファングダムが、この国の資源を狙っていると考えているのだ。
私から伝えたわけでは無いが、モスダン公爵もそう考えている筈だ。
ファングダムには、オリヴィエがこの国に来て、この国の真実を探る必要になった理由が、必ずある筈だ。
それに、オリヴィエは私に対して[ファングダムを助けて欲しい]と願ったのだ。ならば、ファングダムには何かしらの問題があると考えて間違いない。
それを見つけて問題を解決しない限り、例え短絡的にティゼム王国からオリヴィエを排除したとしても、再び手段を変えてファングダムがティゼム王国へ何かしらの行動を起こすだろう。
気の休まらない話だが、ある意味ではここからが本番である。
そんな事を考えながら歩いていたら、いつの間にか王城の門前まで辿り着いていたようだ。
道中の周囲の反応は有り難い事に、そのほとんどが私に対して好印象を持ってくれたようである。
愛想を良くしろと言われたので、呼ばれた方へ顔を向けて軽く微笑んだら、男女問わず黄色い悲鳴上げてとても興奮していた。
ちょっと過剰に反応しすぎじゃないだろうか?おかげでモスダン公爵から視線で[やり過ぎだ、加減しろ]と訴えられてしまった。まったく、注文が多いな。
それ以外では、やはりというか何というか、情欲の視線を向ける者も少なくなかったな。だがこれはまぁ、いつもの事なので放っておく。
珍しい反応としては、嫉妬の感情だな。やはり、ぽっと出の竜人が親し気に巫女の隣に立つ事が気に食わないと思う人物がいないわけでは無いようだ。
まぁ、そういった人物も普通の一般市民である事は変わらない。私が直接かかわる事も無いだろう。
さて、王城に到着した後なのだが、捕らえられた者達はそのまま王国兵に連れられて地下牢へと連行されるようだ。
「では、よろしく頼むぞ?」
「ハッ!お任せくださいっ!それと公爵閣下、此度の騒動を迅速に納められた事に対し、陛下が直接賛辞を贈りたいとの事です。お手数ではございますが、このまま玉座の間へと謁見をお願いできますか?」
「うむ。彼女の説明もあるでな。向かわせてもらおう。二人とも、良いな?」
そして私達はこのまま玉座へと向かう事になる。というか、モスダン公爵も元よりそのつもりだったのだろう。打ち合わせ通り、というやつである。
全くもって回りくどい。そんな事をするぐらいなら、最初から連絡を入れてくれればいいものを。
「構わないよ。元よりそのつもりだったのだろう?」
「流石に分かるか。では、案内を頼む。」
「ハッ!」
別の兵士にモスダン公爵が案内をするように頼めば、私達の前を歩きだす。玉座の間まで、案内してくれるのだろう。
玉座に向かう道中に謁見の事を『通話』を用いて文句を言ったら、こういう内容を事前に通達したら、自分達にとって不都合になるような準備をされかねないから、拙くても良いから理由付けをして、目的の相手に抜き打ちとなる形で情報を伝えるようにしているのだとか。
まったく、これだから貴族というのは面倒臭いのだ。
それと、モスダン公爵から衝撃の事実を伝えられた。
私に対して興味があるのは国王だけではないらしいのだ。
何でも、この国の第一王子が私の話を聞いた際、見目が整っているという部分に非常に強い関心を示して、一目見てみたいと言い出したそうなのだ。
第一王子には婚約者がいるそうなのだが、別に複数の妻を持つ事を咎められる立場ではない。それどころか、多くの子孫を持ってもらうためにも、側室を持つ事を推奨されているぐらいなのだ。
これまで第一王子には婚約者以外に良い相手がいなかったらしく、側室の話はまるで無かったのだが、王子自ら私に興味を持ったとの事で、周りの者も乗り気になってしまったのだそうだ。
私の見目が良いという事実はいい加減理解しているが、何故第一王子ほどの人物が興味を持つ事になったのだろう。
疑問に思っていたら、笑いをこらえながらモスダン公爵が答えてくれた。
「第一王子、クリストファー殿下は"ウィステリア"の大ファンであらせられてな。あ奴の口から、貴公の容姿が極めて整っていると耳にしたからだろうな。あ奴は、人の容姿を滅多な事では褒めぬでな。」
なんてこった。何て説明をしてくれたんだマコトは。一々私の容姿など説明しなくても良いじゃないか。
「そう、あ奴を責めてやるな。あ奴は、どちらかと言えば貴公の事をなるべく伏せて伝えようとしたのだからな。まぁ、だからこそ殿下は興味を持たれてしまわれたわけだがの。」
「情報を伏せられた事による反発心、ってところかな?目聡いものだね、その第一王子とやらは。」
王子に対しての感想を述べれば、少々言葉が悪かったのか、モスダン公爵が渋い顔をして私を窘めようとする。
「貴公・・・。」
「悪いけれど、私は相手が誰であろうと今みたいな振る舞いをするし、口調も変えないよ?頭も下げるつもりも無い。」
「ぬぅ・・・。あ奴も言っておったが、貴公は本当に我が強いの・・・。」
例え相手が一国の主であろうと、私は自分の態度を変えるつもりは無いし、下手に出るつもりも無い。
こんな私でも、多くの者達から"姫"と認められて慕われているのだ。あの子達の思いを無下にしたくはない。
ただ、この事実を伝えるのは、私の事を限りなく正解に近い形で把握したモスダン公爵以外に話す必要は無い。
仮にシセラにこの事実を伝えたら、この場で暴走してしまいかねないしな。
ここから先は『通話』による思念会話だ。
〈一応、これでも家の周りでは"姫"と呼ばれていたりもしてるんだ。あの子達が、私が人間に対して頭を下げ、、媚を売るような態度を取ったら、どんな反応をするか分からなくてね。〉
〈・・・・・・とんでもない爆弾発言をいきなりしないでもらえぬか?儂以外にその事実を知る者はおらぬだろう・・・。〉
〈グリューナとマーグは、私を高貴な存在として見ているよ。グリューナに至っては、私の事を生涯仕えるべき姫君、だなんて言ってた。〉
〈あの宝騎士がか?真か。〉
〈うん。まぁ、グリューナはこの国に必要な存在だし、彼女に仕えてもらう理由が無いから、その願いは断ったのだけどね。〉
〈有り難い事ではあるのだが、儂の心労が増えたのだが?〉
〈まぁ、モスダン公爵は現在、一番私の正体に自力で近づいた人物だからね。貴方が私の事をあの時口に出さなければ、こうはならなかっただろうね。口に出してしまったから、確信が確定に変わってしまったのさ。〉
〈ぬ、ぬぅ・・・。〉
多分だが、今後貴族の力が必要になった場合は、何かとモスダン公爵を頼る事になると思う。事情を知っている相手と言うのは、非常に話が早くて助かるからな。
その分、苦労を背負う事になるだろうけど、まぁ頑張ってもらおう。
「まぁ、良い。貴公のそういう部分は"ウィステリア"からも伝わっておる。余程の侮辱行為や危害を加えるような行為をしない限りは、特に問題は無かろうて。」
「まぁ!ノア様は王族の方にも今の様な振る舞いが認められているという事なのですね!?あぁ・・・!流石は神子様!その偉大さは最早国すらも超越なさるだなんて!感激でどうにかなってしまいそうです!」
そうだった。シセラはこういう娘だった。何とか宥めたいのだが、彼女の感情を抑制しようとすれば間違いなく周囲から白い目で見られてしまう。何せ感情を操作する魔術は、世界共通で禁呪として認識されているそうだからな。
非常に心苦しいが、放置しておくほかないだろう。
彼女の豹変ぶりにモスダン公爵も困惑してしまっている。
マコトですら、シセラのこういった一面は知らなかったようだからな。彼が知らなくても無理はない。
シセラは教会の中でも人一倍五大神に対する信仰心が強く、深く関わる事があるととても興奮してしまう人物だと伝えて、釘を刺しておこう。
さて、ゆっくりと案内されて20分。ようやく玉座の間に到着だ。
玉座の周囲には政治の中心人物と思われる大臣や宰相の他、彼等を警護するための近衛兵と思わしき手練れが配置されている。
ここにいる者達は皆、私の事を一通り聞いているそうなので、普段通りに振る舞わせてもらうとしよう。
「お、おおおぉぅ・・・な、何と美しい・・・・・・。」
多分だが、あの人物が第一王子のクリストファーなる人物だろう。
流石に少し感情を表に出し過ぎでは無いだろうか?玉座に腰かけた国王と思われる人物、つまりはクリストファーの父親が、若干白い目を王子に対して向けている。
国王の年齢は40代前半と言ったところか。だが、その外見は30代でも通用しそうだな。とても若々しくて精力的に見える。
私の見た印象では、彼が健在ならばこの国は安泰だと思わせるだけの説得力を、外見だけで周囲に与えているのだ。
近づく事を認められた距離まで近づき、モスダン公爵とシセラがその場で片膝をつき、頭を下げたところで、先に一言断らせてもらう事にした。
「マコトから聞いていると思うけど、私は相手が誰であろうと自分の態度を変える気は無いし、この口調を変えるつもりも無ければ頭を下げるつもりも無い。悪いけど、このまま対応させてもらうよ?」
「なっ・・・!?」
「き、貴様っ!国お「黙ってろっての!」うぐぅっ!?」
私が立ったまま言葉を言い終えると、控えていた近衛兵の一人が激高して私に食って掛かろうとしたのだが、すぐ隣にいた同僚に脇腹を小突かれて立ったまま悶絶している。
見事なものだ。近衛兵達は皆鎧を着こんでいるのだが、その鎧の上から最小限の動作で衝撃だけを通したのだ。
さて、激高した近衛兵はともかくとして、肝心の国王の反応はどうだろうか?
意外な事に彼はにこやかな表情をしている。どうやら、彼にとっては近衛兵達のやり取りも含めて全て予想通りの結果のようだ。
「うむ。マコトから話は聞いているとも。元より最上位の"
「理解してくれてありがとう。頭を下げるつもりは無いけど、だからと言って下に見るつもりも無い。敬意を払う者にはちゃんと敬意を払うから、その点も理解してくれると嬉しい。」
「フハハ!そなたから敬意を払われる者は、さぞ素晴らしい人間なのだろうな!少なくとも、今の我等には無理そうだ!」
「ち、父上っ!?」
「ノア殿は自由をこよなく愛するような人物だ。こうして我等の我儘で呼びつけたりなどすれば、最初の印象はマイナスから始まるだろうな!」
「だけど、そこからプラスの方向へと持って行ける自信もある、貴方からはそんな印象を見受けられるよ。」
「フハハハハハ!聞いたかクリストファー!一瞬でこの俺の胸中を言い当てたぞ!彼女の事は諦めろ!とてもでは無いが、お前が隣に立てるような御仁ではない!」
「そ、そんなぁ!?」
「時には諦めも肝心だぞ?クリストファー。何、お前はまだ若いのだ。焦らずともマリーの様な女性に巡り合えるとも!」
いやはや、何とも豪気な人物だな。自身の心境を言い当てられたというのにも関わらず、彼は心から愉快そうにしている。
王子に対しても私に対する感情をはっきりと見抜いているようで(まぁ、大抵の者には分かるか)、そのうえで私とは釣り合わないと告げている。
しかもただ諦めるように告げるだけでなく、その後のフォローも忘れていない辺り、息子との関係は良好なのだろう。
正直、こういった思い切りの良い人物には好感が持てる。尤も、政治の中心にいる人物に相応しく、多少の裏表はありそうだがな。
多分だが、彼ならば私が正体を現して世界中に公表したとしても、今の態度を改める事は無いだろう。つまり、彼も私もある意味では似た者同士、という事だ。
正体を公表した後の楽しみが一つできたな。彼ならば、良い話し相手になってくれそうだ。
「さて、回りくどい事は無しにしよう。国王としては良くないのだが、俺はまだるっこしい事が嫌いでな。」
「良いじゃないか。私も回りくどい事は好きじゃない。それで、要件は?」
「おう!ノア殿、そなたには長くこの国が抱えていた問題を迅速に解決してくれた事に、どうしても感謝の言葉を伝え、報酬を渡したくてな!」
国王が私を呼んだ理由を聞かされたわけだが、どういう事だ?
感謝はともかくとして、報酬?
あっ、そう言えばこの事に関しては誰かに頼まれて行動したわけでは無かった。
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