第133話 ノアの稽古・午前の部
第二の稽古を開始してから40分。そろそろファニール君に込めた魔力が枯渇してくる頃だ。あの子を捕まえられるとしたら、このタイミングになるだろう。
が、やはり私が想定していた通り、今日は誰もファニール君を捕まえる事が出来なさそうだ。
「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ、ぜぇ。」
「も、もー、動けねー・・・。」
「クッソ・・・ぜぇっ、躱した後に・・・はぁっ、決まって煽るような動き・・・ぜぇっ、しやがって・・・。」
「う、上に逃げるのは、無しだろぉー・・・。」
「ピルルルルルルゥ~、ポロォーーーー、ピロロプポォ・・・。」
全員ファニール君を捕まえたり攻撃を当てる事はおろか、指一本触れる事すらできなかったのだ。
当然だ。あの子は私の視界と思考を読み取っているから、冒険者達を視界に収めておけば、あの子からは冒険者達の動きが丸分かりなのである。
しかも、地面を転がるだけならばともかく、宙に浮かんで三次元的な動きをされてしまっては、到底その動きを捉える事など出来ないだろう。
それにしても、自分が関わっていない場合、ファニール君は見ていて可愛らしいものがあるな。やはり球体と言う形状がそう思わせるのだろうか?
元来、生物が産む卵とは、総じて丸みを帯びているものだ。角張った卵と言う物を、私は知らない。
そう考えると、生物は自然と丸い物に対して可愛いと言う感情を抱きやすくなっているのかもしれないな。
冒険者達の誰もが疲労で動けなくなってしまっているためか、ファニール君が私の元へ近づいて来た。
以前のように煽られるかとも思ったが、既に込められた魔力が枯渇し始めているのだ。捕まえるのは問題無い。
「ププゥーーー、ピピポ、ポパーー・・・。」
そう思って捕まえようと思ったのだが、意外な事にファニール君は私の傍で停滞するどころか、私の体に触れてすり寄ってきたのだ!
その様はまるで就寝前に甘えてきたウルミラを彷彿させる!
可愛い・・・。何だこの子・・・。物凄く可愛いじゃないか。本当に意思は宿っていないのか・・・?
「ピーポォー、プゥーポォー、ピーー・・・。」
今ならば容易に触れられると思って右手で触れて撫でてみると、嬉しさを表現するかのように左右に体を振って甘えるようなしぐさを続けている。魔力を再装填して欲しいのだろうか。
困ったな・・・。そんな風に甘えられてしまったら、魔力を込めないわけにはいかないじゃないか。
仕方が無い子だな。一回だけだぞ?
先程込めた時の半分の量の魔力をファニール君に再び込めなおした。
するとどうだろうか。彼はすぐさま私の元から離れて私の周囲を機敏に動き回り始めたのだ!
「ピルルルルゥ、パーポパーポ、ピッピプゥーポォー!」
・・・・・・やってくれるじゃないか。つまり、同情を誘っても魔力を補充してもらえなかったから、今度は愛嬌を用いて私に魔力をねだってきたわけだ。
ファニール君はここぞとばかりに私を煽り出してきた。
「プププールプ!ピーピピピプゥー、パロロロォ~?」
相変わらずの鬱陶しさだ。これは、所謂人間の子供の言うところの"噓泣き"に似たようなものだろうか?
ファニール君が人を騙そうとする事が出来るのを失念していたわけでは無いが、それにしたって君は調子が良すぎだろう。
仕方が無い、昨晩と同じくこの子は尻尾で構ってあげるとしよう。一応、私の尻尾を動かす訓練にもなる筈だ。
「ピピッポポー、ピピッポポー、プルルップゥー!」
「ええぇ・・・あの球・・・ノアさんの尻尾をあんな簡単に避けれちまうのかよ・・・。」
「そりゃ捕まえられない筈だよぉ・・・。」
「アレ、もう絶対玩具じゃないだろ・・・騎士様とかが鍛錬用に使う特殊魔術具かなんかだって絶対・・・。」
「でも、ノアさんに甘えてる?時の動き、何か可愛かったかも・・・。」
「「「分かる・・・。」」」
分かる・・・。だが、その可愛さに惑わされてはいけない。
その結果がコレだからな。可愛らしく甘えてきたからと言って、安易に甘やかしてはいけないのだ。
今回の事でそれが良く分かった。
幸い、ファニール君の稼働時間はそれほど長くは無い。私の魔力をいっぱいまで込めたとしても宙に浮かんでいるためか、その稼働時間は1時間にも満たない。
再補充した時には半分程度の量しか魔力を補充していないのでせいぜい20分程度しか動かないだろう。
それはそれとして、再びの休憩だ。冒険者達に先程と同様に例の飲料物を入れたコップを渡していく。
「さて、第二の稽古はこれで終了だ。また20分間休憩を取るよ。水分補給もしっかりと行おう。」
「「「「「ウーッス!」」」」」
「あ、ありがとうございます・・・。」
「はぁーっ・・・、染み渡るぅ~っ。コレ、後で道具屋で買っとこ。」
「俺等も買っておくかぁ~?」
「「「「賛ぁん成~。」」」」
「確かこれ、粉の状態で一つ銅貨一枚だったよな?こんな良い物を今まで見逃してただなんて・・・。」
買って使用するのは良いが、一応、注意するべき点はしっかりと注意しておかないとな。何事も摂取しすぎるのは、人間の体には良くないのだ。
「使用する際には水の割合に注意するようにな。粉には糖分も含まれているから当然、甘い。水の割合を少なくすれば当然味が濃くなってより美味く感じるかもしれないが、それは適量では無いし摂取しすぎると健康を害してしまう。定められた分量は、購入した際に絵を用いて適切な量を説明されるから、それを良く守って使用すると良い。」
「そりゃそうだよなぁ。粉だけ渡されても、どれぐらいで薄めれば良いかなんて分かんねぇし。」
「これ、絶対味を濃くして飲む人いますって!」
「そこんトコロはもう自己責任ってやつじゃねぇの?味を濃くして飲んで、それで体調崩しちまったって、そりゃあちゃんと説明されたのにそれを守んねぇ奴の方が悪いって。」
「絶対美味いだろうけど、やんないように気を付けないとな・・・。」
「ピッ、ピッ、パァーポピィー。」
今日稽古を受けに来ててくれている冒険者達は皆素直なようでなによりだ。
たまに少量飲んでみるのなら問題無いのかもしれないが、それを基準にしないようにな。
冒険者達の会話に同意するように、ファニール君が機嫌の良さそうな音を慣らしている。彼等の会話に反応しているのだろうか?
「・・・アイツは気楽そうでいいよなぁ・・・。」
「いや、アレ生き物じゃないでしょ?・・・ないよね・・・?」
私にも分からない。込められた魔力が無くなったら完全に機能が停止するし、かと言って再び魔力を込めると、どうも以前魔力を込めた時の記憶が残っているように思えるのだ。
そうでなければ先程のような狡猾な手段は取ってこないだろうしな。
さて、十分な休憩も終った事だし、最後の稽古を始めるとしようか。
「ノアさん、地面の状態、相変わらず凸凹だったり不安定だったりするんですけど、次の稽古もこのまま行うんですか?」
「ああ、地形はこのままだ。だけど、最後の稽古は、貴方達にとってもそれなりに有意義なものだったり、ストレスの発散になると思うよ。」
「「「ストレスの発散?」」」
「まずはそれぞれの
そう言いながら『
「うおっ!?は、柱がっ!?」
「こ、これもさっきの大魔術かっ!?」
「これは大魔術では無く、中級魔術の『地動』だよ。私は所有魔力や密度が大きいからこれぐらいの規模でも問題無く使用が出来るんだ。」
「こ、これが中級魔術ぅーーっ!?!?」
「世の魔術師が聞いたら絶対卒倒するよ・・・。」
驚いている所悪いが、残りの時間は『重力操作』が掛かったままとは言え、貴方達にとってはお楽しみとも言える時間だ。あまりその場で時間を浪費するものでは無いと思うよ?
っと、説明していない私が悪いのか。簡潔に説明して行動に映ってもらおう。
「さて、ここから45分間はある意味では自由時間だ。出現させた柱はどれも同じ強度、同じ大きさだ。皆で思い思いに自分達の技や魔術をぶつけてみると良い。」
「い、良いんですかっ!?」
「つ、つまり、最初にやった型の内容も実際に試してみる事も・・・?」
「そのための時間でもあるよ。問題点があったり、怪我をしそうな危険な行為だった場合は私が止めたり指摘するから、まずは好きなようにやってみると良い。ただし、足場が悪い状態である事は忘れないように。」
「よっしゃあああーーーっ!!」
「この稽古受けて良かったぁああーーーっ!!」
「「「「「いっくぜぇーーーっ!!」」」」」
最後の稽古の内容は概ね好評のようだな。先の二つの稽古でかなり消耗している筈なのだが、全員非常に楽しげだ。
まぁ、生き残るには攻撃を当てるよりも攻撃を凌ぐ術を手に入れる事の方が大事だとは思うのだが、ここまでの内容がそれなりに辛かっただろうからな。楽しみの一つでも用意してやらないと、今後も稽古を続けるのは難しいだろう。
皆思い思いのままに最初の一時間で教わったそれぞれの武器による技を試したり強固な魔物を想定した連携攻撃の練習をしている。
彼等の動きに改善点や問題点を見つけ次第、指摘してくとしよう。
「タイミングが早すぎるな。先に放った技に後から撃った技の威力が相殺されてしまっている。もう一呼吸置いてから今の技を放ってみると良い。」
「「ハイッ!!」」
「少し力み過ぎだ。強い攻撃を放つのはただ力を込めれば良いと言う物では無い。攻撃を当てるその一瞬にこそ、全力を注いでみろ。」
「ウスっ!!」
「その位置でその技を放ったら仲間にも攻撃が当たってしまうぞ?武器を変えたくないのなら、周囲の環境や仲間の位置はしっかりと把握しなさい。」
「は、ハイッ!みんなも済まんっ・・・!」
「実戦でやらなきゃ問題無しだぜっ!」
「気にすんなー!」
「いや、気にはしなきゃ駄目だろ。」
皆、自分の思うままに体を動かしているからか、どうしても体勢が本来のものから崩れてきたり、周りに目がいかなくなってきていたりする。
そう言った状況を見つけ次第、当事者達の元まで足を運んで改善点や問題点を指摘し、改善させていった。
さて、物理攻撃だけでなく魔術の方も見ていかなければ。比較的魔術を扱える者が多い一行達もいるようで、3人の冒険者が柱に向けて攻撃魔術を放っている。
思えば冒険者が攻撃魔術を使用しているのを見るのは初めてか。
いや、それどころか、私は人間が魔術を使用しているところを見た事がほとんどなかったな。あるとしたらマコトの『収納』と、オムがベアーに対して行っていた治癒魔術ぐらいか。
とにかく、彼等にもちゃんと私なりに魔術のアドバイスをしておこう。
「私達が多用する魔術構築陣を用いて発動させるトレナスト流は、どれだけ正確に構築陣を作れるかでその威力が大きく変わってくる。まずは構築陣を正確に覚えるんだ。そしてその構築陣を迅速に、正確に組み立てる事が大事だ。」
「分かりましたっ!」
「えっ?あの、魔術って他に発動方法があったりするんですかっ!?」
「ああ、例えば自分の体に模様を書き込んでその模様に魔力を流す事で発動するフビエラ流だったり、詠唱によって発動させるアメーシア流なんてのもある。」
「そ、そんなに沢山魔術の発動方法があったなんて・・・。」
ああ、そこからなのか。いや、仕方が無いのか?
少なくとも、これらの流派は本に記されていたと言うだけであって、この大陸でトレナスト流以外の魔術が使用されていると言う話は耳にした事も、目にした事も、記述を見た事も無い。
他の魔術の流派は別の大陸で使用されているものなのだろう。
だが、魔術と言うのはとても奥深いものだ。トレナスト流だけを取り上げてみても、その形式は様々だ。
「魔術と言うのは、いわば魔力を望みの形に実現させる術だからね。法則にのっとってさえいれば、様々な方法で発現するんだ。」
「へぇ~、参考になるなぁ・・・。あっ!じゃあ、小説とかで魔術の詠唱とかしてたのって、別に格好つけてたわけじゃなかったのかっ!!」
「ああ!あれはあれでそう言う魔術の発動方法だったんだな!」
「「「勉強になるなぁ~。」」」
彼等は魔術を使用できる、つまり文字の読み書きが出来るからか、それなりに読書もするらしい。私も架空の冒険小説などで登場人物が魔術の詠唱をしていたのを目にした事がある。
複数の魔術の発動方法があると知らなかった頃は、ただ架空の世界の話だからだと考えていたが、詠唱による魔術の発動も可能だと知った今では考え方はかなり変わってきている。
著者はまだ存命していると言うので、機会があれば会って魔術について話をしてみたいものだ。
「それとな。一つの魔術の流派だけでもやり方は複数あったりするんだ。例えば、私達が用いる魔術構築陣は円の中に魔術言語を並べて使用しているが、この術式はルグナツ術式と定義されている。かの天空神の名前が入っている通り、彼から齎された知識を基にした原初の魔術に近いものだと言われているね。」
「俺達が普段使っている魔術って、そんなに歴史のあるものだったのか・・・。」
「天空神様由来って、凄くね・・・!?」
「姐さん!他には、どんな術式があったりするんですかっ!?」
なかなか勉強熱心な事だね。聞かれたのなら応えよう。私も自分が得た知識を他人に振る舞う事が出来るのはなかなかに気分が良いl。
「私が本で知った内容だと、他には魔術言語を自分の中心に球状の立体構築陣を形成して本来の魔術よりも大規模な効果をもたらすシュナフト術式、円の中に五芒星、もしくは六芒星を刻んで魔力を増幅させるメシエン術式があるね。」
「どっちも難しそうだぁ・・・。」
「立体って・・・そんなの簡単に組み立てられないだろ・・・。」
「メシエン術式はともかく、シュナフト術式はそれこそ超一流の魔術師が切り札として用いるものだからね。滅多に見る事は無いと思うよ。」
私ならば問題無く組み立てて使用する事も可能だが、ただの着火のための魔術ですら上位魔術級の威力にまで跳ね上がるような術式だ。
そもそも、この術式が開発された経緯は元々魔力量や密度が小さい者が大きい者の差を覆すために開発された術式だ。間違っても私が使用する事は無いだろう。
おっといかん、彼等に時間を割きすぎてしまったか。気付けば彼等と話をしてから15分以上の時間が経過している。
「済まない。興に乗り過ぎたようだね。折角の自由時間だと言うのに、大分時間を消費してしまった。」
「あっ!?」
「ま、まぁ、貴重な話が聞けたって事で、良しとしよう!なっ!?」
「そ、そうだな・・・。そもそも、俺達はちゃんと構築陣の形を覚えるところから、でしたよね!?」
「ちゃんと話を聞いていてくれてたみたいで嬉しいよ。それじゃ、残りの時間は短いかもだが、頑張って。」
「「「ハイッ!!」」」
失敗したなぁ・・・。まさか私が楽しいからと、彼等の時間を奪ってしまう事になるとは。反省して次に生かさなければな。
指定した時間が経過したので『地動』によって出現させていた柱や不安定にしていた足場を元の状態に戻す。
そのままにしておいたら、後でこの場所を使う者達に悪いからな。
・・・使われているかどうかは別として。
それから時間が過ぎて稽古も終了したので、冒険者達に掛けていた『重力操作』を解除したうえで彼等に『
「おおぉっ!ビショビショだった服が洗濯したてのように綺麗に・・・!」
「転んだ時の土の汚れも綺麗になくなってる・・・!」
「まさにめがみさま・・・!」
「こんだけ面倒見てもらって、最後にはちゃんと綺麗にもしてくれる・・・!この稽古がたったの銅貨20枚って、姐さん!サービスが良すぎるぜ・・・っ!」
私の都合に合わせて彼等は汚れてしまったのだ。これぐらいの事はするとも。
だが、正直な気持ちを言わせてもらうと、皆には自力で『清浄』を使用できるようになってもらいたいものだ。そしてその利便性をぜひ知ってもらいたいのだ。
ともかく、午前の稽古はこれで終わりだ。果たして、彼等は午後も稽古を受けにきてくれるのだろうか。
「良し。今日の稽古は午前の部はこれで終わりだ。よく頑張ったな。引き続き午後一時からは午後の部を行うよ。今度は実戦形式の稽古になる。」
今回の稽古の方式は午前と午後で内容が大きく異なる。午後は基礎身体能力の向上を図りながら体の動きを鍛える稽古を。午後は召喚魔術によって召喚したランクに応じた魔物と戦ってもらう事になる。
命に関わるほど危険な状況になってしまった場合、その時点で私が介入するが、それ以外では例え負傷したとしても私は傍観する。勿論、戦闘が終了したらその後に完全に治療するが。
召喚魔術とは言え、戦うのは本物の魔物だ。私がいるからと気を抜いてもらわないようにするためにも、その辺りは厳しくいかないとな。
午後の稽古の内容を出来るだけ簡潔に冒険者達に説明すると、皆かなりやる気に満ちている。
「そっか・・・。午前中に習ったり覚えた事を、午後にそのまま実戦で確かめることが出来るのか・・・。」
「何か、ワクワクしてきた・・・。」
「あのっ!召喚魔術で呼ばれた魔物って、素材を落としたりしますかっ!?」
あー、そうだよな。戦うのは本物の魔物と言った手前、その辺りの事は気になるか。素材を落としてそれを持って帰れるのなら、結構な儲けになる筈だからな。
まぁ、流石にそこまでおいしい話ではない。
「残念だけど、素材は落とさないよ。本物とは言っても一種の幻のようなものだからね。斃したらその場で消えてしまうんだ。」
「そっかぁ。流石に素材を落とすのなら話が旨過ぎるもんなぁ・・・。」
「でも、実践の経験を積む事が出来るだけでもメチャクチャありがたいぞ!?」
「そりゃそうだ!しかも危なくなった場合は姐さんが止めてくれるし!」
「怪我をしたら直してもらえるんだ!午後の稽古も受けない理由がないぜっ!みんなもそうだろっ!?」
一人の冒険者が他の冒険者達に訊ねれば、皆一様に首を縦に振って頷いている。そこで気になった事が出来たのか、別の者が稽古の内容に質問をしてきた。
「姐さん、午後の稽古も『重力操作』を掛けたり、足場を不安定にさせたりするんですかっ!?」
「それに関しては希望に添えて、だね。望むのであれば足場を不安定にさせるし、負荷も掛ける。けど、まずは素の状態で戦ってみて、今の自分の実力を把握する事をお勧めするよ。」
「そっか・・・。そうですよね・・・。分かりました!まずはそのままの状態でやってみますっ!」
うんうん、素直なようでなによりだ。他の皆も彼に習ってそうしてもらえるとありがたい。
「他に聞く事も無ければ一旦解散だ。午後の稽古を受けると言うのなら、しっかりと体を休ませるように。では、失礼するよ。」
「「「「「ありがとうございましたーっ!!」」」」」
「「「「「アザッシターッ!!」」」」」
頭を下げて礼を述べる冒険者達を背に、訓練場を後にする。
さて、時刻は午前11時。正午までに受注した依頼の4割ぐらいは、余裕を持って片付けておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます